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サカタのタネの決算内容を3分で解説!

今回はサカタのタネの決算内容について見ていきましょう。
馴染みのない方が多きかもしれませんがこの企業、結構すごいです。

1.PLの状況

まずPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+38億円(+5.5%)730億円となりました。営業利益は前年比+15億円(+15%)112億円、当期純利益は大幅増の+46億円(+60.5%)123億円となりました。
今回の決算より「収益認識に関する会計基準」を適用しておりますので、売上高にその影響がありました。しかし利益に関しては影響はありませんでした。

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出所:決算説明資料

セグメント別に見ていきますと、「海外卸売」が売上高全体の70%超となっておりほぼ海外で稼いでいる状況です。サカタのタネは1913年創業で100年以上続く老舗企業です。創業時からグローバルにビジネスを展開してきたため、現在では170カ国以上に向けてタネを販売しています。
その結果海外売上が70%超に繋がっているのだと考えられます。

出所:決算説明資料

海外の地域別に見てみると、北米(米国+北中米)で165億円あり全体の23%を占めています。続いて欧州・中近東で149億円、アジアで135億円となっています。
やはりアメリカでのビジネス展開は大きな影響があります。

出所:決算短信

また商品別に売上高を見てみると、やはり主力は「種苗」で売上高は635億円で全体の86%を占めています。正に社名の通りです。

出所:決算短信

種苗の中でもブロッコリーやニンジンを中心とした「野菜種子」が特に好調で、売上高は前年比+55億円とかなり伸びています。
次いでヒマワリやトルコギキョウを中心とした「花種子」は前年比+20億円とこちらも好調です。

出所:決算説明資料

営業利益以降の項目について見ていきますと、特別利益の中の「固定資産売却益」が51億円計上されています。内訳は土地建物で47億円、知的財産権等で3億円、その他で1億円となっています。

出所:有価証券報告書

あとは特別損失の中の「減損損失」で4億円の損失が計上されています。
今後の将来で十分なキャッシュを生み出さないと見込まれる資産が減損対象となりました。有形・無形固定資産の期末簿価が409億円あるので、そのうち減損対象は4億円、つまり約1%が対象になったということになります。
これを多いとみるか少ないとみるかは見解が分かれるところですが、個人的には事業をするうえで減損対象の資産が出てくることは仕方ない部分があると思いますので、それが1%で抑えれていれば問題ない範囲かと思います。

出所:有価証券報告書

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産は前年末から143億円増加しています。そのうち現預金は70億円増加していますのでほぼ半数を占めている状況です。その他では目立った動きはありません。
負債合計は前年末から7億円減少していますが、長期・短期含めた借入金の返済が進み12億円減少していますのでこれが主な要因です。
純資産に関しては前年末から135億円増加していますが、これは当期純利益が123億円計上されたのでその分の増加です。
過去5年間の自己資本比率を見てみると、常に80%以上の状態を継続しているのでかなり厚い自己資本だと言えます。

出所;有価証券報告書

また利益剰余金が1,012億円もあり総資産の68%も占めているので、安全性という観点からは申し分ない状況です。
ただこの自己資本比率の高さは裏を返せば「儲けを株主に還元できていない」「リスクをとった戦略投資ができていない」などの側面も見えてきます。
もちろんこの様な側面を会社側は理解していますので、株主への還元は「配当」という形で実施ていく様です。
今回の配当が45円で次回の配当は50円と+5円を計画しています。

出所:決算説明資料

手元のキャッシュや純資産の額から考えるともっと配当は可能かもしれまでんが、毎年経営状況を考慮しながら徐々に増配していく考えなのだと思います。
また設備投資に関しては、2020年の新型コロナ発生に伴って一旦落ち込みましたが、その後は徐々に増加しています。今回の投資は53億円で来年の投資は+12億円の65億円を予定しています。積極投資もこれから徐々に増やしていく様です。

出所:決算説明資料

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+69億円増加しています。内訳としては営業CFで+100億円、投資CFで+4億円、財務CFで△45億円となっています。

出所:決算短信

営業CFに関しては当期純利益123億円の影響で増加、投資CFは有形・無形固定資産への投資が47億円ありましたが、有形固定資産の売却収入が52億円あった影響で増加しました。財務CFは借入金の返済と配当金の支払いにより減少しました。
営業CFで100億円以上稼ぐことができているので状況的には問題ないと思います。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?




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