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パーク24の決算内容を3分で解説!

今回はパーク24の決算内容について見ていきましょう。
タイムズ24を展開するこの会社、駐車場業界では圧倒的にトップを独走しています。その決算内容も好調の様子です。


1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+12.4%の3,709億円と堅調に推移しました。
営業利益は前年比+21%の386億円、当期純利益は+6.2%の186億円と、純利益では過去最高益を更新しました。

国内事業の好調が全体の業績を牽引しました。
一方で海外事業では減損損失を計上するなどマイナス要因がありましたが、最終の純利益では過去最高を更新する結果となりました。

出所:決算説明資料

それではセグメント別に内容を見ていきましょう。
セグメントとしては3つ「駐車場事業国内」「モビリティ事業」「駐車場事業海外」があります。

出所:決算説明資料

◇駐車場事業国内
売上高は前年比+8.5%の1,769億円、事業利益は+8.1%の346億円と堅調に推移しました。

出所:決算説明資料

駐車場の稼働は好調に推移しました。厳選開発のノウハウを活かすことで収益性を維持した拡大を行い、1,565件を開発しました。また、サービス進化に向けた取り組みとして、自社開発精算機タイムズタワーの 設置や車番認証カメラを活用した駐車場の拡大を図ることで、より簡単に入出庫や精算が可能な次世代駐車場サービ スの構築を推進しました。
その結果、台数・件数ともに前年を上回りました。

出所:決算短信

◇モビリティ事業
売上高は前年比+13.4%の1,120億円、事業利益は+30.2%の228億円と売上・利益ともに二桁増となりました。

出所:決算説明資料

継続的なプロモーションの実施等によるタイムズカーの認知度向上と、会員プログラムの改良やアプリケーションにおけるユーザーインターフェースの整備による利便性向上、利用促進に向けたキャンペーン等の実施により、会員 数及び利用は順調に増加しました。
増車した車両台数は9,123台、増加した貸出拠点数は3,944箇所となり、需要や地域特性に合わせた増車及び貸出拠点の開設により、車両1台当たり利用料は車両を増車しながらも伸長しています。
また、原油価格の高止まりや物価の高騰などを受け、2024年2月より距離料金及び安心補償サー ビス加入料金を改定しています。

出所:決算説明資料

◇駐車場事業海外
売上高は前年比+18.6%の824億円、事業利益は+217%の8億円と大幅な増収増益となりました。

出所:決算説明資料

主要な展開地域のうち、英国の駐車場稼働は一部の地域で想定を下回ったものの、他の地域では順調に推移しました。
豪州では主に都心部の駐車場稼働が想定を下回った一方で、アジア地域での駐車場稼働は順調に推移しました。
国内の駐車場事業戦略である「小型・分散・ドミナント化」をベースに、各地域の駐車場需要環境に適した短期契 約駐車場「各国版タイムズパーキング」の開発を促進することで、大型かつ長期契約駐車場に偏った事業ポートフォ リオを最適化し、事業リスク低減に努めました。
また、地域特性に応じた施策や駐車場稼働管理システムの活用により既存駐車場の収益改善に取り組んでいるほか、アプリ決済への対応をはじめとしたサービスの進化により、利用者の利便性と満足度向上を図りました。

出所:決算説明資料

また今回の決算では英国・豪州に関する減損損失と税金費用で大きな金額の計上がありました。

減損損失に関しては、英国の契約関連無形資産で19億円の損失が計上されました。これはM&A時点のリース契約の超過収益力を計上したもので、計上単位である地域ごとの収益性を改めて評価した結果、一部地域にお いて収益性が低いと判断し、帳簿価額を回収可能価額まで減額した結果です。

税金費用に関しては、豪州子会社において、2024年10月期の実績および今後の見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、一部を取り崩し、その費用が15億円となりました。

出所:決算説明資料

◇2025年10月期 業績予想
それでは次年度の業績予想に関して概要を見ておきましょう。
売上高は前年比+8.9%の4,040億円、営業利益は+0.8%の390億円と微増ながらも、売上高・各段階利益で過去最高を目指す見通しとなりました。

出所:決算説明資料

2025年の基本方針としては引き続き「ネットワークの拡大・サービス進化」を図ると同時に、「持続的な成長に向けた基盤構築」を進めるという2本柱を掲げています。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産としては前年末から△125億円減少しました。

出所:決算説明資料

流動資産は△214億円減少しましたが、そのうち現預金で△252億円の減少がありました。この点に関しては後のCFの状況で見ていきます。
それ以外では売上債権としての売掛金と受取手形の合計で+33億円の増加がありました。
これは売上高が増加したことによる影響と考えられます。

固定資産に関しては+91億円の増加がありました。
そのうち建物などの有形固定資産で+124億円増加しましたが、これは新規開発・新規運営箇所など増加したことに起因すると考えられます。

出所:決算短信

負債に関しては△322億円減少しましたが、そのうち借入金や社債などの合計である有利子負債で△267億円の減少がありました。
この有利子負債の中のリース負債に関しては、新規運営箇所などの影響で増加していますが、返済スケジュールに沿って返済が進んだ借入金では△299億円減少しています。

出所:決算短信

純資産に関しては+197億円増加しましたが、当期純利益+186億円が主な増加要因です。
株主への配当がないので大きな減少要因はありませんでした。
また株主資本比率の推移を見ると順調に積み上がってきており、当面の目安としてきた30%に到達しました。
これにより、次回の株主総会で5円/1株の配当が実施される予定です。

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から△252億円減少しました。
内訳としては営業CFで+541億円、投資CFで△375億円、財務CFで△425億円という内容です。

営業CFは税引前利益と減価償却費で合わせて+660億円あり、稼ぐ力としては問題ありません。

投資CFに関しては、新規運営箇所への投資があり△375億円の支出がありました。前年の水準と比較すると119億円支出が増加しており、積極的に投資を進めている状況が伺えます。

出所:決算短信

財務CFに関しては、借入金の返済とリース債務の支払いにより△425億円の支出がありました。
先ほどのBSでも触れた株主への配当金は今回は実施されず、次回の株主総会で5円/1株の配当が実施される予定です。

出所:決算短信

投資金額も数百万単位で実施されていますが、営業CFの枠内で実施れているためフリーCFはプラスで推移しています。
全体的にバランスよく管理されている印象です。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ

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