![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93797855/rectangle_large_type_2_dcbf82095e79c2b7660ca2cb54fe9265.jpeg?width=1200)
グッドパッチの決算内容を3分で解説!
今回はグッドパッチの決算内容について見ていきましょう。
2011年の設立から11年が経ち今も順調に成長を続けているこの会社、決算内容はどうでしょうか?
1.PLの状況
まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+35.9%の37億円となりました。営業利益は前年比△3%の3.9億円、当期純利益は△77.9%の0.7億円の大幅増収・大幅減益という結果となりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1671710166629-2p6soaoFMT.jpg?width=1200)
売上高が大幅に増加した要因は、「スタジオディテイルズ」という会社をM&Aで連結子会社にしたことの影響が大きいです。
会社規模は大きくはありませんが売上高は毎年増加を続けていて、今年は5.6億円の売上高となりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1671797028624-5WGPgJSkam.jpg?width=1200)
連結決算の売上高影響額としては2.7億円となっています。
また「Goodpatch Anywhere」というプロジェクトも売上高増加の大きな要因と考えられます。
このプロジェクトは「メンバー登録した全国のフリーランスデザイナーをプロジェクト別に選定してデザインプロジェクトを進める」というものです。これによる売上高増加の影響は3.2億円と考えられています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671799050875-NmUaYujBS5.jpg?width=1200)
営業利益に関しては減益となりましたが、傾向としては「国内:良、海外:悪」という状況です。
国内は先程触れました「スタジオディテイルズ」が新たに連結対象に加わった影響と「Goodpatch Anywhere」による好影響があります。
この2件の影響額は1.9億円程度営業利益の増益要因となります。
ただM&Aに伴う費用として「取得費用・のれん償却費増加」などの減益要因もあります。金額としては△0.8億円ほどになります。
海外に関しては国内とは真逆の動きで「連結子会社の解散」が決議されました。解散するのはドイツにある「Goodpatch GmbH」という会社で、事業の終了が2022年12月、会社の解散は2023年8月の予定です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671837556342-deVIAmiPSO.jpg?width=1200)
今回の決算時点では解散していませんが、その解散に関する費用を今回の決算に織り込んでいます。営業外での動きになりますが、特別損失で1.2億円が計上されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671837640975-PvHKZfEbvc.jpg?width=1200)
Goodpatch GmbHは今回の決算時点で当期純利益で△1.6億円を計上しており、今後の業績改善を見込むことができず今回の決断に至りました。
連結決算上の営業利益に関する影響としては△0.6億円となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671838840563-dv1KqzShbv.jpg?width=1200)
セグメント別に内容をもう少し見ていきましょう。
セグメントしては二つ、「デザインパートナー事業」「デザインプラットフォーム事業」があります。
ざっくりの規模感としては売上高・営業利益ともに「デザインパートナー事業」が全体の約70%を占めている状況です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671839260294-ddZpVg3CAf.jpg?width=1200)
「デザインパートナー事業」の売上高の推移を見てみると堅調に推移しています。特にここ1年間での増加率が大きく+32.3%増加しています。
先程触れた内容になりますが、国内M&Aによって連結子会社が増えたことが大きく影響しています。
それ以外での国内事業も好調で前年比+20.9%増加しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671875014597-yCClckuIDN.jpg?width=1200)
「顧客社数」が増加しているので売上高も増加していますが、「平均顧客単価」は減少しています。「単価の減少を数量で補う」形となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671875403451-9fWm6XbPOd.jpg?width=1200)
営業利益に関しては、やはり「ドイツ子会社の事業撤退」がマイナス要因として効いています。
この子会社の業績は赤字だったので、ヨーロッパ事業としては△0.7億円のマイナスとなりました。
一方で国内事業は好調を維持していたので、デザインパートナー事業全体としては+0.8%となんとかプラスとなりました。
次は「デザインプラットフォーム事業」についてです。
こちらも売上高は堅調に推移しており前年比+45.5%増加しました。
また営業利益も大幅に増加しており、前年比+155.9%となりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1671877067186-xLN8nuwO1O.jpg?width=1200)
Goodpatch Anywhereの規模拡大が大きく影響しており、前年の4.8億円から今年は8億円と大幅に増加しています。
売上高の増加に伴い所属デザイナー数も増加しており、前年末310名に対して今年は427名に増加しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671877590495-h2zblJx75x.jpg?width=1200)
2.BSの状況
次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+7.3億円増加しました。
このBSでもPLで説明したM&Aによる影響が出ています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671878991004-E1x1r3kTNL.jpg?width=1200)
流動資産は+1.7億円増加してます。M&Aによる現預金の支出はありましたが、新株予約権行使による現預金への入金があり流動資産全体としては増加しています。
固定資産に関しては、M&Aによって「のれん」が発生して償却後の残高としては5.3億円計上されています。
流動負債に関しては+1.5億円増加しています。
内容としては未払法人税で+0.6億円、あとはドイツ子会社解散に伴う引当金で+0.7億円増加しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671880078618-mazBWy5ALz.jpg?width=1200)
純資産に関しては新株予約権行使に伴って「資本金・資本準備金」で合せて+5.5億円増加しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1671880230949-1YsQQsN0xG.jpg?width=1200)
3.CFの状況
最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては+1.3億円増加しました。内訳としては営業CFで+4.1億円、投資CFで△6.7億円、財務CFで+3.8億円という内容です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671881800786-y2LpOEsTng.jpg?width=1200)
営業CFに関しては、当期純利益の増加がそのまま影響してプラスとなっています。
投資CFに関しては、何度も登場しているM&Aによる支出で△5.8億円がありこれが大きく影響しています。
財務CFに関しては、新株予約権行使による入金が+5.4億円ありました。
過去の推移を見ても営業CFで稼いだ分を投資CFに回して将来の成長に投資を続けていることが伺えます。
今回のM&Aもそれに該当するかと考えられます。
今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?