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スカパーを応援したくなる決算書
スカパーの1Q決算の発表がありました。
思ったよりも良い結果でしたが、今後の見通しはどうなるでしょうか?
決算概要
まずは決算概要から見ていきたいと思います。
営業収益は346億円で前年度比+0.5%、営業利益は55億円で前年度比+51.4%となりました。
新型コロナの影響でプロ野球の開幕が遅れた事などの影響で、メディア事業は減収となりました。
一方宇宙事業は増収となりましたので、全体としてはわずかながら増収となりました。
また営業利益に関しては大幅な増益となりました。
メディア事業のコンテンツ費用の減少が大きな要因ですが、詳細について事業別の状況で見ていきたいと思います。
事業別の状況
次に事業別の状況について見ていきたいと思います。
スカパーの主要授業は2つ、「メディア事業」と「宇宙事業」です。
◇メディア事業
まずはメディア事業から見ていきます。
営業収益は230億円で前年度比-19億円となりました。
一方営業利益は16億円で前年度比+11億円と大幅増となりました。
営業収益の減少は、新型コロナの影響によるプロ野球開幕の遅れなどが要因ではないかと考えられます。
4-5月の新規加入者は確かに減少していました。
しかし6月以降は加入者数も回復基調になってきました。
5月までの加入者数の減少を6月である程度挽回できたので、大幅な減収にはなりませんでした。
一方で大幅増益となった営業利益の増加の要因は大きく2つあると考えられます。
・営業費用が大幅に減少したこと
・解約率の増加を抑えられたこと
営業費用に関しては前年度比-34億円と大幅に減少しました。
これは新型コロナの影響でプロ野球などのシーズンスポーツの開幕が遅れたことによるコンテンツ費用の減少が考えられます。
一旦は加入者数が減少しまたが、先程書いたように6月以降は加入者数が増加したこともあり解約率の増加を抑えることができました。
その結果、営業利益が大幅に増加したものと考えられます。
◇宇宙事業
次は宇宙事業について見ていきたいと思います。
営業収益は143億円で前年度比+18億円となりました。
一方営業利益は16億円で前年度比+11億円と大幅増となりました。
新型コロナの影響で航空機内インターネット接続衛星回線の収益は3億円減少しましたが、JCSAT-17及びHebrides zone 3eの収益が19億円増加した結果、増収となりました。
財務状況
次は財務状況について見ていきたいと思います。
この1Qでは大きな変化はありませんでした。
流動比率は300%超と安全圏、固定比率も約60%と問題は無さそうです。
有利子負債は945億円ありますがフリー・キャッシュフローで182億円稼いでいますので、稼ぐ力も大丈夫ではないかと思います。
今後の見通し
最後に今後の見通しについて見ていきたいと思います。
新型コロナの影響があったものの、この1Qは良い結果に終わりました。
ただ今後はどのような影響が出てくるか不透明な状況は続きます。
年間の営業収益は1,400億円、営業利益は120億円を見込んでいます。
メディア事業では6月以降加入者数は回復基調にありますが、その分メディア関連の営業費用は増加することが予測されます。
また宇宙事業に関しても当初予定していた新規事業等の取り組みは実施していくため、こちらも営業費用の増加が予測されます。
1Qの状況が継続すれば達成可能な見通しではありますが、スカパーとしても営業費用の増加などを考えると厳しい見方をしているのではないかと思います。