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朝日インテックの決算内容を3分で解説!

今回は朝日インテックの決算内容について見ていきましょう。
世界中の医療機現場に医療機器を供給するこの会社、その決算内容は好調の様子です。


1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+19.4%の1,075億円と増収となりました。
営業利益は前年比+22.8%の221億円、当期純利益は+20.6%の158億円と利益面でも二桁増の増益と堅調に推移しました。

出所:決算説明資料

為替動向、 症例数の回復・拡大、需要増加などにより、特に海外売上高が大きく増加し、メディカル事業・デバイス事業ともに増収となりました。
これで中期経営計画のマイルストーンである売上高1,000億円達成です。

それではセグメント別に内容を見ていきましょう。
セグメントとしては2つ「メディカル事業」「デバイス事業」があります。

出所:決算説明資料

◇メディカル事業
売上高は前年比+21.7%の956億円、営業利益は+38.1%の226億円と増収増益となりました。
コロナ禍からの回復による症例数の増加に追従しながら、市場シェアの拡大を推し進めたことに加えて外貨高の影響もあり、海外売上高が大きく増加し、売上高は増加しました。
国内市場においては、PCIガイドワイヤーを中心に循環器領域が堅調に推移したことに加え、末梢血管系製品や消 化器系製品などの非循環器領域や、OEM取引が増加したことなどから、売上高は増加しました。
海外市場においては、循環器領域、非循環器領域、OEM取引の全領域について売上高は増加しました。
循環器 領域は、PCIガイドワイヤーや貫通カテーテルを中心に、全地域において売上高が順調に推移しました。
非循環 器領域は、米国市場における末梢血管系製品の新製「CROSSLEAD」などの効果や、米国や中国市場における腹部系 製品の増加などがあり、全地域において売上高が増加しました。
OEM取引は、循環器領域において、中国向け取 引が減少したものの、外貨高の影響や、米国にて新規取引が増加したことなどから、売上高が微増しました。

出所:決算説明資料

◇デバイス事業
売上高は前年比+2.9%の118億円、営業利益は△22.4%の47億円と増収減益となりました。
医療部材については、国内市場は内視鏡関係の部材が増加し、また海外市場は外貨高の影響や中国向け取引が増加したことなどから、売上高は増加しました。
産業部材については、建築関係取引が国内市場を中心に減少したものの、外貨高の影響や海外市場のOA機器関連取引が増加するなどし、売上高は増加しました。

出所:決算説明資料

◇2025年6月期業績見通し
では次年度の業績見通しに関しても概要を見ておきましょう。
売上高は前年比+8.5%の1,167億円、営業利益は+13.9%の252億円と増収増益の見通しです。
循環器分野は海外市場の全地域において市場浸透が更に進むことにより増加、また非循環器分野でも米国末梢血管系市場の新製品の浸透などもあり、海外市場の全地域・全領域において増加の見通しです。
利益面に関しては、営業強化費用や研究開発費用などの費用増加が見込まれますが、売上高の増加でこれらの費用増加分を吸収できる予定です。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体は前年末から+189億円増加しました。

出所:決算説明資料

流動資産は+44億円増加しましたが、そのうち現預金で+7億円の増加がありました。この点に関してはあとのCFの状況で見ていきます。
それ以外では売上高の増加に伴い、受取手形及び売掛金で+29億円の増加がありました。

固定資産に関しては+145億円増加しましたが、建物などの有形固定資産で+64億円、投資有価証券で+90億円の増加が見られました。

負債に関しては+13億円増加しましたが、未払金で+19億円、前受金などのその他の項目で+54億円の増加がありました。
一方で短期・長期の借入金の返済が進んだことで△75億円の減少がありました。

純資産に関しては+176億円増加しましたが、内訳は当期純利益で+158億円、剰余金の配当で△39億円、円安影響による為替換算調整勘定で+62億円が主な内容です。

出所:決算短信

それでは安全性の指標に関しても少し見ておきましょう。
流動比率(流動資産÷流動負債)は321%と目安の200%を大きく上回っており問題ありません。
固定比率(固定資産÷自己資本)は73%と目安の100%を下回っており、こちらも全く問題ありません。
非常に良好なバランスを保っていると言えるかと思います。

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+7億円増加しました。
内訳としては営業CFで+347億円、投資CFで△212億円、財務CFで△138億円という内容です。

出所:決算説明資料

営業CFは税引前利益と減価償却費/のれん償却費で合わせて+300億円以上稼いでおり問題ありません。

投資CFに関しては、有形・無形固定資産で△105億円の支出、投資有価証券の取得で△83億円の支出がありました。
前年と比較すると、投資有価証券への支出が大幅に増加しています。

財務CFに関しては、借入金の返済が進んだことで大きくマイナスになりましたが、それ以外では子会社株式取得で△13億円の支出がありました。

今回は投資CFでの支出が大きかったですが、フリーCFベースではプラスを維持しているので、全体的には上手くコントロールされている印象です。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ

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