ことばを置いて行ってみる
ことばを置いて行ってみる。
どこかで拾ったことば。
上手くつかいこなせなかったことば。
昔から口ベタで、もの忘れも多くて。心はあるのに、伝えることができなかったな。聞くことも、気が散りやすくて、よくわからなかったな。
それでも、気持ちは伝わるものなのでしょうね。劣等生なわたしに、仲良くしてくれる友だちもいてくれた。ありがとう。と今も思う。
ことばをつかって、気持ちを伝えられるようになった頃は、うれしかった。
今までもやもやと心に漂っていたもの達が、紙の上に文字として明らかにハッキリと見えるようになった。言いたいことを伝えることも、文字ならできるようになって、しゃべるのも、ある程度できるようになってきた。
良かった良かった。
なのに。
ことばを置いて行ってみる。
理由は、ことばと行動とそれの裏付けをする心と、比重がね、違うなって思ったから。全部をことばに置き換えたら、世界はことばだらけで、頭の中がことばことばになって、五月蝿いことになってしまいまして。
……と、言い訳はいろいろと用意してあります。大丈夫。
ことばを置いたらね、見つけたんだよ。
今日は夕焼けの町が綺麗だった。(空も桃色と水色のコントラスト。家々もオレンジ色や空色。植物は緑色とピンクや白い花々。)それらをね、ことばを入れずに眺めて歩いていったんだよ。気分が少し、良くなったって、気がしたんだな。
だから。
たまには、ことばを置いて行ってみる。
これ、楽しいかも。
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