人の話を聴かない人の心理
人の話を聴かないで、自分の話ばかりしたがる人というのは、けっこう身近にたくさんいるものです。こちらが話をしているというのに、それを遮ってでも自分の言いたいことを差し挟んでくるような人たちです。誰しも自分の話は聴いてもらいたいものなので、非常に不愉快です。そもそも聴いてもらいたいので話しているわけですから当然です。
このような人たちに限って、自分の抱える問題を話したがります。しかし、こちらがどれだけ有用な情報を提供しようとしても聴こうともしないので、がっかりさせられてしまいます。結局は自分の話をしたいだけなので、聴かされる方にしてはまったく無駄な時間です。
自分の話をするのは、他人に自分のことをわかってもらいたい、自分のことを認めて欲しいと思っているのです。もちろんその根源は、自分で自分のことを認めていないことです。しかしそれに気づく機会を自分に与えないので、いつまで経っても同じことの繰り返しで、何ひとつ建設的な結果を得ることなどないでしょう。
問題の解決はともかくとして、どうして彼らは無駄な話をし続けるのでしょうか?彼らはいわば思い付きで話をしているのです。思い付きとは、外部からの刺激や、ランダムな記憶の想起に対して、反応しているだけだということです。そこには自分の意識はほとんどないので、目的もなく、論理的な意味もないのです。つまり、ただ単に言葉を発しているに過ぎません。
自分の意識がないということはどういうことかというと、いささか大雑把な言い方にはなりますが、集中していないということです。ですから他人の話の意味内容を理解することができないのです。意味が理解できないので、彼らにとっては他人の話など、ただの雑音に過ぎません。だからそれは何であれ非常に退屈に感じられるものなので、聴く気になれないというわけなのです。
彼らの目的は、自分で言葉を誰かに聴いてもらうことで、自分の存在を確かめようとすることなのです。自分で自分の存在を確認することができないために、他人を利用しようとしているのです。だから、相手が望むように反応してくれないと自分を否定されたように感じて不快感を示すことがあるのです。これは本当の意味ではコミュニケーションではありません。コミュニケーションには、相手の言うことを聴くということが必要だからです。それがない場合、本人は楽しいのかも知れませんが、双方ともに意味のない時間を過ごすことになることは否めません。
意味のない会話が悪いというわけではありません。しかし、自分の無自覚の振る舞いが元で、他人をウンザリさせている可能性があることを知っておくこと、そしてもしそうならば気づいて改める方がよいことを知っておくことは、有意義な人間関係を構築する上で重要であると思います。
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