道徳ってさぁ

学校でやる「道徳」が嫌いな人は多かったのではないかと思う。
私もそこまで好きではなくて、とりあえず当り障りのないことを言っておけばいいだろうぐらいのものだった。
そして教える側の立場になってしまった。道徳性もクソもないのに、教えていいのだろうかと、若干罪悪感を持ちつつ授業をしている。

学習指導要領には、あまり覚えていないが、道徳の目標やらなんやらが書いてある。が、ともかく私は「多面的・多角的な見方」をできるようになることが最も大切だと考える。

大学で哲学やら倫理を少し学んだ。
答えのない問題に関して議論をするのは、ものすごく不毛ではないのか?と初めは思っていた。
しかし、やっているうちに「答えがない状態は変わらないが、様々な意見や考えに触れたので思考の段階としてはあがったのでは」と思うようになった。
哲学は「私とは何か」「美とは何か」みたいな議論が2000年以上されているわけで、未だ解決に至っていない。こうした問題を様々な角度から検討していくことで、私なりの意見を持つことができる。我々はこれまでの思考の営みの流れを汲んで、アップデートを重ねている状態だといえる。

学校で習う道徳に話を戻すと、だいたい哲学とか倫理の初歩段階のことをなぞっていると考える。
まずは自分の考えを持つ。他の人の意見を聞く。考えを深める。みたいなことができればいいのではないだろうか。

とにかく昨今は、自分の中の「当たり前」にそぐわない人間に対しての風当たりが強いと思う。
はっきり言って、気に入らない考えを持っているひとは大勢いる。私も勿論いる。死ねばいいだろぐらいに思っている奴もいる。しかし、それを拒絶して思考停止してしまうのではなく、その背景にまで考えをめぐらせる柔軟さが必要だろう。

道徳の学習をはじめの一歩にして、そういう柔らかい子どもたちを育てることができたらいいなって思っていますよ。

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