プレイステーションクラシック収録ゲームの絵の汚さに愕然としたので、オレ様オススメのPSの名作を紹介するよ

 「プレイステーションクラシック」 と聞いて、ミニファミコンの何匹目のドジョウを狙いに行ってるんだと思いつつも、とりあえず告知動画を見てみたのだが、なんと言うか「グラフィックを押してたゲームほど何年か経つと汚くてダサくて見てられない代物に成り下がる」という真理を思い知らされた次第でござる。
 これはプレステというハードが悪いというより、発表されたタイトルが「よりによって」だったのではなかろうか。全体的に「今の時代にそれをそのまま見せたら逆効果だよ」というラインナップに思えてしまう。特に、FF7なんか当時の絵をそのまま見せちゃダメだろう。シナリオ的にハード展開もあるのに、これではギャクにしか見えない。それにリッジレーサーも「リアル!」をウリにしていた作品だから、今の時代にアレを見せられても「妙に絵の汚いレースゲーム」としか感じられない。

 私がなぜこんなにプレステに辛く当たるのかと言えば、そりゃ私がSEGA信者だからであり、当時サターン派として日の当たらない生活を強いられていたからだ。積年の恨み晴らさでおくべきか。
 という訳で、仮にミニサターンが出るとしたら何を収録すべきかというテーマに変更しよう。そうだそれがいい。
 え~~どうしよう~~選べな~~い。でも、強いて言うなら息子と一緒にサタボンやりたいかなぁ。 あれほどパーティゲームとして熱い作品は中々ない。藤崎詩織なんて悪鬼羅刹は出なくていいから、ごくノーマルなバージョンのサタボンを収録して欲しいなあ。
 後はまったくの個人的な趣味として、アドバンスト大戦略は外せないし、そういえばメガテンのデビルサマナーも、そもそもはサターン専用のタイトルだったよね。サマナーも曲が最高だったなあ……。
 あ”~~~ミニサターン出ろ!いっそ出ちまえ!ただし音源はあの当時のままにしてくれ!サターン音源の信長天翔記をもう一度遊びたい。どうしても遊びたい。だがそれはSEGAの問題ではなく、おそらく光栄の問題で不可能だろう。コーエーは三国志や信長や無双に甘えるんじゃなく、いっその事「光栄クラシック」でも出せよと思う。すでに何度もプラットフォームを変えて再販されているメジャーどころはどうでもいいから、ロイヤルブラッドや維新の嵐、なんだったら伊忍道やゼルドナーシルト、隠れた名作のゴータ1・2やジルオール、水滸伝も天命の方じゃなく天導一〇八星なんてマイナータイトルに光を当てて欲しい。その手の作品の新作を出せなんて無理難題は言わんから、せめて良心的な価格のまとめ売りくらいしても良かろうに、そういう商売がコーエーって激辛なんだよなあ。未だにその時代のゲームに単品1~2,000円の値段付けて売りやがるし。流石はハード本体と変わらない価格でソフトを売ってた会社である。

 また無駄に毒々しくなって来たので安全のために話を変えようと思うのだが、最後にプレステクラシックにどんな作品が収録されていたら心を動かされるか考えてみたい。少なくとも、発表済みの5タイトルでは感情がピクリとも動かない。鉄拳は大好きだったし、攻略本を書いたくらいだけど、それでも今更あのままの3をやれと言われてもなあ……。
 自慢じゃないが、私は病的なレベルのゲームっ子だったので、SEGA信者だなんだ言いつつも、プレステにもお気に入りの作品が山ほどあった。その中から忘れられないオレ的名作を選び出すとしたら、おそらく次のようなラインナップになる。

・アーマードコア
 まずは何と言ってもこれ。身体が闘争を求めると新作が発売されるアーマードコア(AC)である。正直私はPS2になってからのシリーズがどうにも受け付けず、PS時代でACファン歴が終わっている。AC2になってから余計な要素が増え過ぎ、またオイルと硝煙の匂いがしなくなり、シンプルさと複雑さ、自由度と制限といった、相反する要素の絶妙なバランスが崩れてしまったように感じるのだ。
 また、今では「アーマードコアといえばロボット対戦ゲーム」というイメージだろうが、初代にはオマケ程度に対戦モードが付いていたに過ぎない。それが発売後にファンの間で「これ友達と対戦すると神がかった面白さなんだけど!」という声が大きくなり、それをフロムが拾い上げる形で対戦重視ゲーになって行ったという経緯がある。したがって、初期作品になればなるほど1人遊びモードの内容が充実していたと記憶している。今ではそう簡単にレイブンが集まるとは思えないので、初代をまったりと1人で遊ぶ方が楽しめるかもしれない。

・A列車IV(EVOLUTION)
・カルネージハート

アートディンク最高!(以上)
なんだったらネオアトラスもここに入れとこう。
他には特に言う事なんかない。

・俺の屍を越えてゆけ
 プレステを代表するRPGのひとつ。やたら寿命の短い呪われた一族が、神様と交尾(?)しまくってせこせこと代を繋いで地力を蓄え、いつか一族の仇敵に一太刀浴びせてやろうというお話。純然たるRPGと言ってもいい内容なのに、何故か競馬ゲームに近い。
 ちなみに、水墨画をイメージした絵というのが幸いし、いま遊んでも古さを感じない。操作性に若干のクセというか、扱い難さがあるが、慣れればなんとかなるレベル。プレステに限らなくても、私の人生の中で5本指に入る名作RPGだ。もし遊ぶ機会があったら、最初は主人公の名前を自分の本名にするといいぜ。
 ところで、リンダキューブアゲインはプレステのゲームに入れていいのだろうか。サターン版とかもありますし、そもそもはPCエンジンのゲームですが……。もしリンダもここに入れていいなら、オレシカと双璧という事でノミネートしたい。(ちなみに、リンダキューブを簡単に説明すると、人の想像力の限界までダークに仕上げたポケモン)

・ジルオール
 光栄から発売された「当時はそれなりに話題になったのに今となると名前が残ってないよね」という悲しき名作RPG。クエストをクリアする事でお話が進むシステムなのだが、クエストには時間が進むものと進まないものがあり、時間が進むクエストを片付けると、歴史がどんどんと動いて行き、何も手を打たないとバッドエンド直行。なので、時間が進むクエストはなるべく手を出さず、それ以外をクリアしてキャラを強化し、それと並行して世界がよりこちらの思惑通りに動くような根回しをしておく事が大事。基本的に自由度の高いRPGではあるが、この「時間の調節が可能」という事を理解しておかないと、いつも同じバッドエンドという事になり兼ねない(仲間になる可能性のあるキャラクターが、男だろうと女だろうと歴史のうねりの中でどんどんお亡くなりになっていく)。
 パっと遊ぶ分には内容が薄く1本道に感じるが、実はそれだけじゃないと気付いた途端に、一気にやる事が増えるスルメゲーである。

・ルナティックドーン
 自由度の高いRPGといえばコレ。PCで人気だったタイトルの移植作品だが、PS版は割と独自路線。「CDを読み込ませるとその内容に応じて冒険マップが生み出される」というシステムが斬新だった。CDのデータ次第で、序盤に「オレつえええ!!!」が可能な装備がひょっこり手に入ったりもするため、プレイヤーは家のCDを片っ端から突っ込む作業を繰り返していた。
 難点を挙げると、CDを読み込んであちこち彷徨うのが面白すぎ、それが災いして飽きも早いという点か。

・モンスターファームシリーズ
 CDを読み込むといえばテクモの代表作とも言えるコイツを忘れちゃならない。ルナドンはマップが生み出されたが、モンスターファームはモンスターが生まれて来る。プレイヤーは、こうして生み出されたモンスターを競馬ゲームのように育成し、他モンスターとのバトルに挑む。
 中にはレアモンスターが生まれるCDがあったり、ミュージシャンのキャラや、アニメ作品のイメージにあったモンスターが生まれるようになっていたりと、これもこれで家にあるCDというCDを入れてみないと気が収まらなくなるゲームだった。
 で、これらがプレステクラシックに入ったとして、どうやってCDを読み込ませるんだろう……。まさかUSBデータを読ませる方式に変更とか?

・刻命館シリーズ
 自分が住む館に罠を設置し、迷い込んで来た人間をそこに追い込んで●すという酷いゲーム。回転ノコギリなどのダメージを与える分かりやすいものから、相手の移動をコントロールするテクニカルなもの、さらには何もない空間から落ちて来るタライというドリフ愛まで、様々なバリエーションの罠が用意されている。それらは各ボタンに設定でき、プレイヤーがボタンを押すと起動するという仕組み。
 これらを組み合わせると ”コンボ” が繋がる事があり「頭にタライが当たったら死ぬまで罠コンボが続く」といった、残酷さより先に笑いが立つ仕上がりになっている。
 システム的にスマホでも問題なく遊べそうだし、これスマホ用に復刻してくれないだろうか。倫理的に大問題なのだろうか。

・天誅シリーズ
 やってる事は残酷なのに何故かバカゲー風味という点で、刻命館と双璧なのが天誅だ。主人公は忍者で、敵に見付からないように行動し、目的を達するという内容。メタルギアを思い浮かべると理解が早いかもしれない。
 そういうシステムであるため、主人公は原則として1VS1の勝負にめっぽう弱い。その代わり、相手に認識されていない状態で攻撃を仕掛けると、問答無用で一撃でヌっころせる。これが必殺仕事人のようで気持ちいい。
 またバカ要素も盛り沢山で、個人的に大好きなのは「饅頭」を使った殺人劇である。敵の視認エリア内に饅頭を投げ込むと、侍だろうと犬だろうとつられて拾い食いをするのだが、その饅頭を溶岩の中などに放り込むと、敵は饅頭食いたさにスーサイドするのである。どんだけ飢餓状態なんだお前ら。

・ランナバウト
 PSゲームでバカといえば、レースゲームからはこいつを選出せねばなるまい。普通にタイムアタック的に遊ぼうとすると割と鬼なのだが、このゲームの基本は「なるべく頑丈な車体を選んで壊せるもんは全てぶっ壊す」である。点数とかじゃなく「被害額」が加算されて行くのもエッジが効いていて素晴らしい。
 また、当時流行った「攻撃的なサーフロック」が流れ続けるため、遊んでいるとどんどんご機嫌な気分になり、テンションが狂っていく。気が付くと素で「ひゃっはああぁぁ!」と叫んでいる自分がいる。戦車が街中で大砲をぶっ放すといった具合に、クレイジータクシーよりもバカ度が高いので、色々と人生に嫌な事があった時に遊んでみるべき1本だ。
 ただし "そういう作風" なので、マジメにレースゲームとして遊ぼうとするとマジで難しいので注意。それなのに、中にはタイムや被害額が一定値以下じゃないと出せない隠し車体もあったりして、イジメかよと思う。

・がんばれ森川君2号
 バカ要素の強いゲームが続いたが、バカといえば森川君。これはキャラクターのAIを育てる事が目的で、プレイヤーは赤ん坊のように何をしでかすかわからないキャラを眺める事しかできない。細かいシーンは流石にうろ覚えだが、原っぱで見付けた虫だかゴミだかを食べちゃって、哀しい顔でこっちを見られても「バカかお前は!」しかかけられる言葉がない。
 キャラクターが良い事をしたら誉め、悪い事をしたら叱る。それを繰り返す内に、段々とキャラの判断力が向上し、また動けば動くほど手足の力が増して行くので、ちょっとずつ今まで行けなかった所まで行けるようになり、これまで何をしていいか分からなかった場所で適切な行動がとれるようになる。これがまるで実際の子育てのようなのだ。
 子の親になった今だからこそ、もう一度遊んでみたいゲームである。

・女神異聞録ペルソナシリーズ
 メガテン好きとしては、プレステといえばペルソナである。サターンはデビルサマナー、プレステはペルソナ。これは大事だから覚えておくように。
 このシリーズは他のメガテン作品とは場面設定が少々変わっており、学園物の要素が強い。これはオサレ要素の強くなった後のペルソナシリーズにも受け継がれている。
 また設定面では、今作はいわゆる仲魔を召喚して戦わせるシステムではなく、仲間はあくまで生身の人間である。それがメガテンの他作品でいう所の仲魔にあたるペルソナ(仮面とか人格といった意味合い)を "宿す" 事で、様々な魔法や攻撃手段を得るというシステムになっている。それを表現するのにタロットカードが使われているのも大きな特徴。こうした要素が見事にハマり、メガテンシリーズの中でも際立って独特な世界観を構築する事に成功した。

・真女神転生1&2
 真メガテンはSFCのタイトルだったが、後にPS版も発売された。ところが、この2作品はんも~~~とにかくバグが多く、何かというとドミネーター。とにかくドミネーター。バグ取りする気がハナから無かったんじゃないかという出来だったので、そういう問題箇所をキレイに直した上で遊ばせて欲しい。でも考えてみたら、そもそもSFC版もバグだらけだったからね……。きっと将門の呪いだね……。
 それと、以前はスマホ版が買い切りで出ていたんだけど、iosをアップデートしたら遊べなくなってしまい、まさかのそのまんま。いい加減に現行のiosに対応したバージョンを出してくれよ。真女神転生1・2というゲーム自体は、メガテンの完成形(ドラクエで言うなら3)だと思っているので、出来れば好きな時に遊べる環境にしておきたいんだよ。

・天空のレストラン
 ガラっと雰囲気が変わって、これは料理を題材にしたボードゲームである。ちょっとマイナーなので知っている人が少なくなると思うが、後にハロプロのキャラを使ったバージョンが発売されたので、それで覚えているというモー娘ファンがいるかもしれない。
 ゲームシステムはモノポリーなどに近いマップ周回タイプ。マスに止まると、海のマスからは海鮮が、畑からは野菜が、街からは調味料がといった具合に食材が手に入る。こうして集まった食材を組み合わせ、料理を完成させるのだが、料理人によって得意分野があり、同じ食材の組み合わせでも中華と洋食とで全く違う料理になる。
 料理が出来たら次はギャルソンを雇ってマスにその料理を置く。他プレイヤーが料理の置かれたマスに止まると、食事代を支払わねばならないのだが、完成までの難易度が高い料理ほど料金が高い。
 また、ギャルソンのレベルが上がって影響エリアが広がると、隣のマスに止まったプレイヤーにも料理を押し付ける事ができる。これを活用し、複数のギャルソンの影響エリアを重ね、他プレイヤーに次から次へと料理を食わせ、一気に破産させるという戦法が王道パターンだろう。
 また題材が料理という点を活かした独特の要素としては、自分が拾った食材を無理やり誰かに押し付ける事で "ヤミ料理" というゲテモノにしてしまうといった戦法がある。高級海鮮食材を集めて上にぎりを目指しているところに投げ込まれるキャベツ!中華麺!

・できる!ゲームセンター
 これは元ゲーセン店員だった私だからこそズキズキと胸に響く迷作である。システム的にはザ・コンビニなどに近く、プレイヤーはゲーセン経営者となり、毎月発売される新作ゲームやゲーム筐体を仕入れ、店に配置し、インカムを稼いで儲けて行く。目指すは「ゲーセン経営を20年間続けろ」という 超 後 ろ 向 き なもの。
 なぜここまで後ろ向きかというと、このゲームはインベーダーハウスが社会問題にまで発展した70年代後半から、多くの街のゲーセンが経営難により雪崩倒産しまくった90年代後半までの20年間を、当時を知る業界人なら涙が止まらなくなるほどリアルに再現した、ゴールに滅びしかないシミュレーションゲームなのだ。結末が破滅一択という点では、ナチスを良く描けない以上こうするしかないという、オトナの事情で雁字搦めのアドバンスト大戦略を思わせる何かがある。
 私はこのゲームがとにかく好きで好きで。職場に選ぶくらい当時のゲームセンターを愛していた事もあり、なんかもう大河ドラマを自分で操作して見ているような感覚になるの。結果がわかっているのに入れ込んじゃうという意味では真田丸みたいなもんですよ。
 あまりに思い入れが強いから、前にも超長文のゲーム紹介記事を書いているので、もしお暇なら読んでみてね。システムに関する話なんかは一通りそっちに書いてあるので。
 こっちでも手短に攻略法を書いておくと、インベーダーなんかでいくらでもインカムが稼げる時代は特に何も考えなくていい。ただ、その後の格ゲーブームの辺りで終わりの始まりが来るから、その時までに少しでも金を貯め込んでおくこと。で、格ゲーブームが来たら、それ以降はインカムで儲けが出るTVゲームなんか出なくなるから、プリクラとUFOキャッチャーの専門店に鞍替えすること。TVゲーム用の筐体(アストロシティやブラストシティやVSシティの類)は最低限だけ残して売り払い、プライズマシンを大量導入。インカムも100円で遊ばせたら儲からないので、2~300円をデフォルトにしよう。そうすると悪夢が始まっても何とか20年生き残れるぞ。

◇参考記事
できる!ゲームセンター※過去ログサルベージ
https://ameblo.jp/oharan/entry-10091580471.html


 という訳で、私にゲームについて記事を書かせるととんでもない地獄絵図になるというお話でございました。この分量を休憩もなく最後まで読み切れたヤツは凄いと思う。

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。