板橋区民祭りの日に超絶人気のもつ焼き屋で〆てみた(やきとんひなた 大山店/大山/もつ焼き)
10月19・20日と板橋区の区民祭りが開かれた。
この板橋区民祭りってのが、板橋花火大会と並ぶ「どこにこんだけの人間が住んでたんだよ」という大混雑イベントで、とにかく人人人。
基本的には、前回ちょっとお固めの記事で紹介した ”旧養育院” の敷地だった一帯を中心に、「空いてる場所があったら屋台出せ」という思想のもと、ギッシリと飲食屋台が敷き詰められるという内容。
養育院自体はこの記事で書いたように明も暗もある施設だったのだが、今じゃ板橋区民が愛してやまないお祭り会場っていう。この生命力が板橋っ子の特徴である。
また、区民祭りには一応 「公式の会場」が存在するものの、当日は周辺に住む区民やお店が 「祭りに勝手に乗っかって屋台やフリマで商売を始める」という特徴があり、大山という街全域が治外法権と化す。
「あんた普通の住宅地なんだから公道で商売しちゃダメだよね?」って家の前に平気でマーケットが立つのだが、見回りのお巡りさんは全く気にもとめない。それが板橋区。
息苦しいインターネッツなんかとは大違いだ!
そんな区民祭りで赤塚名物の大仏サブレにハマった息子の図。それウマイよな、お父さんも昔から大好き。それこそ今度大仏を見に行くついでにお店で買ってあげよう。
※大仏サブレのお店
さてやっと本題。
息子を連れて区民祭りに参加したものの、やはり混雑が酷く、これは長居できんなと判断し、早々に切り上げてどこぞのお店にしけ込む事に。
しばらく大山の街を彷徨っていると、普段は大混雑で入れない人気店が、お祭りに人を取られてガラガラではないか!
という訳で、大山でも一二を争う人気店である、やきとんひなたに突入。
この店は今から10年くらい前に、野方の名店・秋元屋で修業した辻氏が独立し、上板橋に店を出したのが始まり。なので、このメニューも秋元屋スタイルが元になっている。
参考までに、10年以上前の物だけど秋元屋のメニューはこんな感じ。
ちなみに創業者の辻氏は過去に一度自分の店を潰してて、傷心の状態で秋元屋で働き出して覚醒したという経緯がある。そのため ”もつ焼きだけの人” という訳ではなく、秋元屋流のメニュー構成に自分なりの要素を加えたものが、今のひなたスタイルになっている。
この辺りの話も含めて、辻氏には板橋区の公式本の中で取材しているので、もし気になったら読んでみてね!
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思い起こせば、ひなたが上板橋に出来た直後から秋元屋の常連客が押し寄せて大変な事になっててな。
秋元屋ってのがそもそもエポックメイキングな2つとない名店で混雑ぶりがハンパなく、そこに入れない客とか通い難い客が、秋元屋から独立したお店に集まるという流れがあった。
ひなたもそれに乗ってスタートに成功したように思うんだけど、すぐさま地元客も押し寄せるようになり、10坪あるかないかの20席程度の小さな店だったもんで収集が付かなくなってしまった。
上板橋の1店舗しか無かった時代には、満員電車みたいにすし詰めになってもつ焼きを食べるのが当たり前ってな有り様だった。
それが今や大山や池袋をはじめ色々な場所に店を増やしてくれたので、1店辺りの混雑度は昔に比べたらだいぶ緩和された(それでもピークタイムにはほぼ満席になるが)。
話が長くなったのでスピードメニュー山芋キムチで落ち着いてみる。もう少しマイルドな味を想像してたら、思いのほか辛味も酸味もしっかりしてて、とてもお酒が進む味だった。
こちらがひなたの看板メニューの串焼き。
左からつくね・カシラ(味噌)・てっぽう(味噌)となっている。この塩もタレあるけど味噌もあるってのが上で説明した秋元屋のスタイルそのもの。てっぽうの味噌焼きは私が秋元屋に行く度に頼んでいた鉄板メニューである。東松山の辛味噌ほど強い味ではないので、とても食べやすい。
つくねはホワホワ系で肉の風味がしっかりしており、カシラはとても柔らかく仕上がっている。値段の安さを考えたらとても良心的だ。
で、ひなたは後に魚料理の店も出したのだが、そこと仕入れを合わせられるため、刺身のクオリティもなかなか。もしもつ焼きより魚の方が好きなら、すぐ近くに魚猫という系列店があるので、そっちがオススメ。魚猫では250円くらいで出してるオイルサーディンを頼んでおけば間違いない。
ガラケーで申し訳ありませんが、魚猫の250円くらいで出しているオイルサーディン様ご尊顔。最近は行ってない(というか入れない)ので分かりませんが、昔と同じならイワシ2匹分出て来ます。
せっかくなので、ひなた系列の店の昔の写真も貼っておく。
<以下昔撮った写真>
※解像度の低いガラケー撮影なのでクオリティが低いです
これは上板橋の本店が出来たばっかりの頃のメニュー(2010年)。ラインナップはまだまだ秋元屋要素が強く、オリジナル要素はレバーパテやバーニャカウダがあるくらいで、お魚系メニューもない。
こちらは大山店が出来て間もない頃のメニュー(2012年)。店のサイズに余裕が出来たからか、洋食系の要素が段々と増えて来た。それでもまだお肉中心のメニュー構成である。
上板橋時代からグランドメニューだったバーニャカウダ。野菜もりもりなのも嬉しいが、ソースがアンチョビ・オリーブオイルで作られたちゃんとした物で、味の良さとお値段のお安さがおかしなことになっていた。
今回メニューを見たらなかったのが残念。もしかして季節品か何かになってしまったんだろうか。
2013年の大山ひなた。この頃になると魚メニューが増え、もはや何の店だかよく分からなくなっている。
という訳で、板橋にはローカルチェーンとして成功したお店が色々とあるんだけど(例えばもつ焼きの加賀屋、例えば洋食キッチンの洋包丁、例えば元立ち食い寿司の魚がし寿司などなど)、このひなたもそれらと並べられる存在だと思う。
もし近場にひなたの系列店があったら、騙されたと思って入ってみるとよろし。
[店名] やきとんひなた 大山店
[住所] 東京都板橋区大山町8-8
[TEL] 03-3955-0086
[営業時間] 平日17:00~24:00(土祝16:00~24:00 日16:00~23:00)
[定休日] 火曜
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板橋のまちには、普段気づかなくても、視点を変えると見えてくる素敵なものがあります。
それを教えてくれるのが、あるジャンルに長けたマニアックな案内人。そのこだわりの眼で、板橋を案内してもらうガイドブックが誕生しました。ずっとここにあった、板橋の魅力たち。みなさんも、再発見の旅に出ませんか
[執筆者]
◇東京スリバチ学会会長・皆川典久(『東京「スリバチ」地形散歩』洋泉社)による「凸凹地形散歩」
◇団地マニア・大山顕(『団地団~ベランダから見渡す映画論』シネマ旬宝社)による「板橋団地ツアー」
◇グルメライター・刈部山本(「マツコの知らない世界」出演)が紹介する「板橋グルメの世界」
◇暗渠マニア・髙山英男&吉村生(『暗渠マニアック! 』柏書房)による「見えない川を探す旅」
◇境界協会主宰・小林政能(「ブラタモリ」「タモリ倶楽部」等に出演)による「区界探検・東西南北」
◇荒井禎雄(『魚屋がない商店街は危ない』マイクロマガジン社)による「板橋商店街の歩き方」.....などなど!