台東区の避難所ホームレス受け入れ拒否騒動、悪いのは台東区だけか? #2
台東区の避難所ホームレス受け入れ拒否騒動、悪いのは台東区だけか?
#1 https://note.mu/oharan/n/n776bbed21bc2
#2 https://note.mu/oharan/n/n24f01a034ea6
#3 https://note.mu/oharan/n/n9b6a6379835a
さて、前回は東京の……というより日本の福祉施設の歴史を振り返るために、板橋にあった 『養育院』 の七転八倒の歴史について解説した。
江戸の昔から、社会的弱者(生活困窮者・病人・障がい者……)を社会が救済せねばならんという考え方自体は存在していたものの、実態は ”非人” と同等の扱いで、人目を避けるように社会の隅へ追いやられた存在だった。
そして、そうなるように望んだのは ”大多数の一般市民” であったという事を覚えておいて欲しい。
これを踏まえた上で、今回の台東区のホームレス受け入れ拒否問題を考えてみたい。
日本のホームレスの実情
まずはじめに、現在日本にはどれくらいの人数のホームレスがいるのだろうか。去年のニュースになってしまうが、2018年時点ではこのような数字になっていたようだ。
日本全国に約5千人おり、その内訳は東京・大阪・神奈川に集中している。この大都市3カ所だけで3,286人と、総人数の約66%を占める。
東京には1,242人のホームレスがいるようだが、さらにそれを詳しく見て行くとこのようになる。
上のニュースが平成30年のものだったので、資料も30年の物に合わせたが、これを見ると東京都内でもホームレスの人数には偏りがある事が分かる。
特に人数の多い順に抜き出すとこのようになる。
23区外だと、最も人数が多いのは府中市の7人で、続いて立川市の4人となる。明らかに23区に偏っており、なおかつ23区の中でも新宿・渋谷・台東・墨田に集中している。
新宿と渋谷は繁華街だからホームレスにとっても生きやすい状況が整っているのだろうと推測できるが、では台東と墨田は何が理由なのだろうか。
それを推測するには、ホームレスの具体的な ”住処” について調べてみるといい。同じ資料の2枚目にあるが、彼らの大多数は河川に住んでいるのだ。
※資料の正確さを優先して、これも平成30年度版を用います
このように、ホームレスが住んでいるのは圧倒的に河川が多く、全体の約半数(569人)となっている。次いで公園、道路となっているが、この2つを足しても557人と河川の人数には及ばない。
ここから何が分かるかというと、ホームレスは人の多い土地じゃないと生活が出来ないという点と、それでも街の中心部からは追いやられており、川に行くくらいしか選択肢がないという点である。
だから大都会であり、ホームレスにとっても生活しやすいであろう新宿・渋谷に次いで、川が多く、またキレイに整備されている台東・墨田・江東の3区が上位にいるのだろう。
皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。