シングルマザーコンプレックス? ときどきお父さんを演じてしまう私。
8年前に夫が亡くなった時、子どもたちは7歳、5歳、2歳でした。時を経て上の二人は中学生。反抗期真っ只中です。毎日ご機嫌斜めなわけではないけれど、衝突する時はそれなりの態度。そんな時、自分が“お父さん”を必死で演じていることに気がつきました。
「ひとり親に育てられたから」と言わせたくない
無自覚な部分も多いけれど、ひとり親になってからものすごく肩に力を入れて子育てをしてきたと思います。誰かにはっきりそう言われたわけではないけけれど、「ひとり親に育てられたから」とか「シングルマザーの子どもだから」と、子どもからも周りからも言われたくない! と思ってきました。
ー普通の家庭で育った子どものように、衣食住に困ることなく、たくさんの経験をさせて育て上げたいー
この思いは、自分を鼓舞するものでもある一方、ある種の呪いでもありました。若くて未熟なシングルマザーとして、力を入れていないと3人を育てられなかった、ともいえますが……
普通の家庭なんてどこにもないよ、という気づき
今は、まあまあ経験を積み、いい意味でおばちゃんになり、何も問題のない家庭などないことを知っています。私が必死で追いかけていた「普通の家庭」なんて、どうやらどこにもないようです。そんな気づきを経て、今は幾分か肩の力が抜ける様になってきました。
それに、どんなに親が力んだって、子どもは子どもの育ちたいようにしか育っていきません。
それでもときどき“お父さん”を演じている私
でも、反抗期ブラザーズとやり合う時、私はつい“お父さん”を演じてしまいます。「ここは手綱を握ってしっかりやっとかないと! シングルマザーに育てられたからって、後から綻びが出るといけないからね!」くらいの気持ちになってしまうのです。
息子たちを叱りながら、実は「ああ、ここまでしなくていいのかも?」「でもお父さんってこういう時こんな感じ?」と思いながら、“お父さん"ぽく振る舞ってしまうのです。
ひとり親世帯は、子どもと片親だけ。何かが起こってもお互い逃げ場がないのもしんどいところです。ここにもう一人大人がいてくれたらいいのに! この揉め事はどうやって治めようと途方に暮れることもしょっ中です。
私の中のシングルマザーコンプレックス
シングルマザーであることに、一番コンプレックスを感じているのは、私自身かもしれません。「(幻の)普通の家庭の子どものように何不自由なく育てたあげたい」というスタートから、今は「反抗期だって、父親役としてもしっかり受け止めたい!」と七転八倒中です。でも居ないものは居ないし、できないことはできない。あるがままの家族の状態を受け入れるしかないんだよ、と自分に言い聞かせています。
ひとり親世帯であることは、恥ずかしいことではありません。たまたまその時の家族の状態です。確かに不便なことは多いけれど、コンプレックスにがんじがらめになって苦しむことはない、と思うのです。時代のキーワードは”多様性”。いずれは、シングルマザーという生き方も、在り方の一つとして受け止められる社会になると信じて進んでいます。
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