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「シングルマザーは入院できない?!」 子どもが中学生になっても、不安は尽きない

我が家の三人の息子はずいぶん大きくなりました。問題はまあ、年齢なりにそれぞれ色々あるけれど。それでも、各自がご飯を作って食べて、お風呂を洗って湯を張り、洗濯物を取り込めるようになりました。共に暮らす家族としてはなかなか頼れる存在です。

私もずいぶん楽ができるようになって気を抜いていたけれど、今回思わぬ角度からひとり親家庭であること、シングルマザーであることを思いあぐねる機会がありました。


思わぬきっかけで体の異変が発覚

「些細なことだ」と、放っておいた膝が痛い。御多分に洩れずコロナ太りをしたし、年齢もあるし、そんなこともあるかなと思っていました。しかし一向に良くなる気配もなく痛みも続くので、しぶしぶ整形外科にかかることにしました。

先生の見立てでは、大きな問題はなく加齢の影響だろうと悲しくも平和な診断がつきました。しかし、念の為と言われて軽い気持ちで撮ったレントゲンから、思わぬ結果が。膝の痛みとは全く関係のない足の骨に影が見つかったのです。なんだこれ?!

私は「検査入院」ができるのか?

そのまま、大きな病院への紹介状が書かれました。先生曰く「多分大丈夫だと思うけど、一応大きな病院でみてもらって」とのこと。青天の霹靂です。膝の痛みは筋や筋肉の問題だということがわかったのに、思わぬところで病気の気配でです。しかも骨に影って!

インターネットで色々調べてみると、大病でなくても怪しいときは、骨から直接検体を採取して検査する可能性があることがわかりました。切開が伴うので、短期間の入院が必要になることもあるとか……

「え? 私って入院できるっけ???」

預け先のない中学生

私が住んでいる自治体では、保護者の病気や事故、出産、介護などで一時的に子どもの養育ができなくなったときに「ショートステイ(宿泊預かり)」を利用することができます。最長7日間で対象年齢は小学生(12歳)まで。つまり、中学生2人+小学生1人の我が家の場合、対象となるのは末っ子のみ。中学生を預けることはできないのです。
おそらく、祖父母などの親族に預けることが想定されているのだとは思いますが、皆に頼れる親族がいるわけではありません。

また、以前住んでいた自治体でショートステイを利用した際には、当時全員小学生だった子どもたちを「3人まとめて1カ所で預かることはできない」と言われ、泣く泣く2カ所に分けて預けたこともありました。

短期間であれば、友人やご近所にお願いして3人を置いて入院することができるのかもしれません。それでも親の入院に対する不安を、子どもたちがその状態で乗り切ることができるのでしょうか? さらに、もしもひとりっ子だったら? 子どもたちは、自宅にいる選択しかないのでしょうか?

有事の際、中学生は社会の中でどのように守られる想定なのでしょう? 調べてみましたが、今のところ各家庭の中で調整するしかないようです。

子どもが中学生になっても不安は無くならない

結局、私の病変は特に心配するものではなく、入院するほどの詳しい検査は必要がないということになりました。でも、この先に不調が起こる可能性はいくらでもあるし、場合によっては入院が必要になることがあるかもしれません。その時に真っ先に考えるのは「子どもをどうしよう」ということです。

シングルマザーにとっては病気だけでなく、職種によっては出張ができないことや夜勤ができないことも、キャリアや収入に影響を及ぼすでしょう。「母親は常に子どもと家にいるもの」という前提が、結果的に子どもを取り残すさまざまな隙間やグレーゾーンを生んではいないでしょうか。

子育てもあと一息、という時期に差し掛かりつつあっても、ひとり親として子どもを育てることの不安はなくならないし、悩みは尽きません。

こんなケースはそうそう発生しないと思うかもしれません。でも、ひとり親家庭の数は、全国に134.4万世帯(令和3年度 全国ひとり親世帯等調査)もあります。当然親が病気になることがあるはずで、同じように困っていらっしゃる方がいることは想像に難くありません。

ひとり親の健康を守ることや、もしもの時の子どもの預け先についても、家庭の問題や自己責任とせず、ひとつの課題として国や自治体にも目を向けて欲しいと思います。

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