杉本太祐

字書きです。 2024年から、二足の草鞋を辞めて、字書きとして腹を括ろうと思います。 色々節操なく書いていく所存!

杉本太祐

字書きです。 2024年から、二足の草鞋を辞めて、字書きとして腹を括ろうと思います。 色々節操なく書いていく所存!

最近の記事

【映像脚本】きがつくヤツら

夜、とあるスタジオで鉢合わせた男達。お互いにどこの誰かも知らない。1人は撮影をしに来た気弱そうな男。1人は覆面を被った男。1人は闇バイト希望者。偶然に居合わせた男達。果たして無事に撮影はできるのか……一夜を舞台にしたコメディ短編映画。 ※約10分 ※登場人物:3名+1名(性別変更問題無し)

    • 【声劇】ヒトのキモチがワカラナイ

      何かが噛み合わなくて、苦しくなる。でも、見方を変えたら──自分を取り巻く環境は、案外優しかったりするのかもしれない。  ※短編

      • 【声劇】心霊写真が撮りたい私

        とある理由から『霊写真』を撮りに来た女性。彼女は何故、写真を撮りに来たのか。そして、本当に『心霊写真』は撮れるのか。ポラロイドを手にして過ごした、夏の夜のお話。  ※演者は一人の想定ですが、登場人物は女性:1、男性:1。 ※ホラーではありませんので苦手な人でも大丈夫……のはず。

        • お盆なんだから

             題:お盆なんだから     オリジナルお盆ソングが響く。     夏の空。     蝉の声。     床に突っ伏した女、チエがいる。     水滴の付いたグラス。          チエのお盆ソングが突然止まる。     チエ、スマホを手にする。      チエ 「お盆って……結局何?」     お盆ソング再開し、スマホ操作。 チエ 「ご先祖かー。ご先祖限定っぽいな」     スマホを横に置くチエ。     傍にあるぬいぐるみを手に取る。 チエ 「ご先祖以外も

          朗読脚本08_俺はあいつの助手じゃない

          題:俺はあいつの助手じゃない 路地で拾った新聞の一面に載っているのは、名探偵トゥルースの活躍だった。 どっかの一族で起きた連続殺人を見事に解決したことが、仰々しく書かれている・・・・・・のだろう。 俺は字が読めないから、載っている写真とかろうじて知っている単語から勝手にそう判断した。 この事件に、俺は関わっていない。 先月起きた連続毒殺は手伝ってやったが、今回は声がかかっていないので知らなかった。 恐らく、俺の力が及ばない界隈での事件だったのだろう。 今回のは多分、あの

          朗読脚本08_俺はあいつの助手じゃない

          朗読脚本07_ヤングもアドラーも知らないけれど

          題:ユングもアドラーも知らないけれど 改札前で待ち合わせをしていると。 あれは78点。 若い男の声で、その後に堪え切れていない笑い声が続いたので、恐らく連れがいるのだろう。聞こえはしたが、特に反応もしないで私はスマホに目を向けたままにする。 先ほどの点数は、私に向けてだろうか。 だとしたら、自己評価よりは高いのでちょっと嬉しいのだが。 やっぱり気になって。 待ち合わせ相手が来たかな、みたいな小芝居をして、周囲をうかがってみる。 通路の反対側の壁にもたれるようにして、

          朗読脚本07_ヤングもアドラーも知らないけれど

          朗読脚本06_狼少女は信じない

          題:狼少女は信じない 村で良くないことが起きると、まず疑われるヤツがいる。 それは、村で一番立場の弱いヤツで。 村で一番孤立しているヤツで。 つまり、私のことだ。 畑が荒らされても。 柵が壊れても。 そして、村人の誰かが死んでも。 証拠とか根拠とか、そんなものは必要ない。 まずは私のことを、ルゥのことを疑う。 それが村の常識だった。 だから村の若きリーダーが死んだ、いや、誰がどう見ても殺された時。 私は真っ先に疑われた。 いや、疑われたなんてもんじゃない。 私を犯人

          朗読脚本06_狼少女は信じない

          朗読脚本05_ぼくの先生

          題:ぼくの先生 今でこそ名探偵の小間使い? 使用人? なんて周りに言われていますが。  少し前の僕は、ちょっとした有名人でした。 多分、今でも名前を言えばすぐに思い出してもらえるんじゃないかな。 レザー・エプロンなんて呼ばれ方もしてましたね。 ホワイトチャペルで起きた、女性ばかりが犠牲となった連続殺人。 あの犯人が、僕です。 でも、それはもう過去の話。 今の僕を語る上で重要なことじゃないんです。 僕は今では先生の、名探偵トゥルースの助手なんですから。 先生のためなら何だ

          朗読脚本05_ぼくの先生

          朗読脚本04_私たちのギブアンドテイク

          題:私たちのギブアンドテイク いつものお願いします。 ウチに来て開口一番、マユはそう言って頭を下げた。 両肩にそれぞれ二つずつかけていたバッグも一緒に下に落ちるが、慌てて頭を上げる様子はない。 私の返事を、待っているのだ。 「そのつもりなきゃ、家に上げてないし。荷物は全部、奥の部屋に置いて」 その言葉を待っていたとばかりに、マユは勢いよく顔を上げた。 満面の笑みと、お決まりの「やっぱり、困った時にはシノブちゃんだね」の台詞。 いそいそと奥の部屋に、自分の荷物を運ぶ。

          朗読脚本04_私たちのギブアンドテイク

          朗読脚本03_呼んでいたもの

          題:呼んでいたもの 私たちは、道に迷っていた。 もう数時間もの間、ほとんど街灯のない舗装もまばらな道を歩き続けている。 そして、ずっと考えていた。 意識が途切れないように。 余計なことを考えてしまわないように。 目的地には、まだ、何故か、着きそうにない。 街灯もない道を、いや道と呼んでいいのかも分からない場所を、私は友人と横並びで歩いていた。 友人も私も、もう随分と口を開いていない。 ただひたすらに足を動かしているだけだ。 そして恐らく、友人も私同様、考えているのだろう

          朗読脚本03_呼んでいたもの

          朗読脚本02_雨が止んでも、想い止まらず

          題:雨が止んでも、想い止まらず それは凄惨な連続殺人事件だったが、犯人は逮捕され、事件は幕を下ろした。 犯人を突き止めたのは、私の上司である探偵……いや、名探偵トゥルースだ。 名前に偽りなし。どんな難題、難事件でも必ず真実を明らかにする名探偵。 私は今回も助手として、彼のサポートに尽力した。 もっとも、私の手など借りずとも彼は事件を解決するだろう。 それでもトゥルースは私を必要だと言って、必ず事件現場に同行させる。 それは、私にとってとても誇り高いこと。 誰よりも間近で

          朗読脚本02_雨が止んでも、想い止まらず

          朗読劇脚本01_私たちのゴールデンウィーク

          題:私たちのゴールデンウィーク 「明日から、またゴールデンウィークになればいいのに」 通路を挟んだ向かいの席にいる、会社員らしき男性のぼやき声が耳に入った。 ぼやきと言うには少々声量が大きすぎるかもしれない。 嫌でも聞こえてしまい、思わず私は視線は動かさずに、しかし意識はそちらに向いてしまう とにかく。その男性は、過ぎ去ったゴールデンウィークへの未練を断ち切れないでいるらしい。 それか単に、机の上に広げている資料から逃げ出したいだけなのだろうか。 その男性の向か

          朗読劇脚本01_私たちのゴールデンウィーク