山のてっぺんで水が湧く仕組み〜よくわかる土中環境を読んで②〜
☆山頂付近の湧水はいったいどういう仕組みなのか?☆
「よくわかる土中環境」高田宏臣著PARCO出版
(2022.8初版)
を読んでいます。(その2)
アウトプットすることで、自分に落とし込んでといきたいと思います。
高木の役割。
①高木…樹高数十メートルにも達する大きな木々。
高木樹種。
ブナ、シイ、カツラ、ケヤキ、スギ、ヒノキ、サクラなどなど、神社の御神木にされている樹種があります。
山の森にはあまり見られませんがイチョウも。
②高木は枝葉で森の最上部をおおうドームをつくり、その下に階層ごとに多様な樹木が棲み分け、共存する。
③高木の働きに守られて、その下の階層の樹種が静かに育つ。
④樹高10メートル程度の健康な高木が
夏の1日に葉っぱから蒸散させる水の量は
200リットル近いともいわれる。
この作用で高木は自らの身体を冷やし、気温をさげている。
⑤高木は太くまっすぐ下に伸びる直根を持ち、大地に深く広く根を張る。
水を吸い上げる力が強い。
⑥山の高木の水を吸い上げる力で、根に向かって、広い範囲の地中の深い所(水脈)から山の表面まで水が引き上げられる。
⑦高木の引き上げた水は、
自らの蒸散、
引き上げる過程での土や岩の保湿、
根が浅い中低木を育む水、
他の生き物が利用する水分となり、
森の多様性が保たれる。
⑧必要分以外の水は再び土中の下に戻っていく。
大きい隙間を通って、下に落ち、水脈を伝って、川に湧き出す。
⑨山頂付近の岩場の湧水が枯れないのは、高木の作用がもたらすこの水の上下の動きによるもの。
⑩土中を行ったりきたりすることで磨かれて美しい水になる。
〜〜感想〜〜
岩手県の二戸市、九戸村、軽米町にまたがる折爪岳山頂付近には豊富な水量の湧水がとめどなく流れ出ていました。
それはその付近に人が住み着いた古代から変わらない光景だったのでは、と思います。
(いや、もしかしたらもっともっと豊富だったのかもしれません。)
冷たくて、本当に美味しかった。この水を飲むために山頂に通っている人がいるらしいことも頷けます。
ただ、こんなに標高がたかい(900メートル前後です)のに水がどこに貯められて噴き出ているのかが、ぼんやり不思議でしたが、
高木の木々が作り出した環境のおかげだったのですね。
③に続く