40になると福豆がキツいし、鬼に豆をぶつけられない
昨日は節分だった。
幼稚園で豆まきをしてきた下の子が
手作りの鬼の面を持ち帰ってきた。
我が子が通う幼稚園には
秋田のなまはげ並みの迫力がある面をつけた
浴衣にマフラーという着流しスタイルの鬼が
4匹(?4鬼?)訪問するのが毎年恒例であるが、
今年は時世を鑑みて(?)赤鬼と青鬼でやってきたそうだ。
(フルフェイスマスクで、おまけに外でやるからフルメンバーでもよかったのではというのは個人的な意見だ。)
彼らの中身はおそらく背の高い若者なのだが、
大人が見てもお世辞でなく怖い鬼面を
つけている。
家の上の小学生などは数日前から豆まきを
怖がる妹をみて
「鬼といっても、どうせ中は人間なんだから怖くないでしょ」
などとちょっとスカして大人ぶっていたが、
妹の幼稚園の豆まき風景の写真を見せると
すぐに彼女の顔色が変わり
「こんなに怖くしなくてもいいよね」
と園児たちに同情を寄せていた。
かつて幼児だった上の子の
幼稚園の節分に現れた鬼は
自分もその園の卒園児だった
もう子どもたちには祖父世代に近い
その地域の郵便局長さんで、
勿論身元がバレないようにしていたが、
なんせピン芸人で全身わかりやすい赤鬼として登場し、
そこはかとない、
ユーモラスさが滲み出ていたので、
恐ろしいという印象はなかったらしい。
(無論怖がる子はいる)
対して
下の子の通う園に来る若い鬼の
浴衣にマフラー着流しスタイルが
また、えもいえぬ、空恐ろしさを感じさせるのかもしれない。
しかも4人もやってきては気持ち的には
絶体絶命だ。
初めて節分を迎えた
小さなクラスの子は、
2人の鬼でまだマシだっただろう。
ちなみにもう3回目の我が子は、
「全然怖くなかったよ!」
と頼もしいことを
言っていた。
去年などはクラスで1人、
母同伴で節分登園したのに。
色々な成長を感じる、卒園間際である。
もう、鬼も豆まきも充分堪能したのだから
家では豆を食べるだけでいいだろうと思っていたが
下の子は家でもやる気満々。
上の子はお付き合い程度に。
夫は豆まきのために少し早く帰ってきてくれた。
鬼にふんした夫が
わあーっと物陰から出てくると
容赦なく豆をフルスイングで夫鬼にぶつける
下の子に対し
私は鬼は外といいつつ、
鬼も内とも言ってしまう。
我ながらどっちつかずだと思うのだが
本当の鬼ではなく
自分の心の鬼を追い出すと言う設定も
最近あんまりしっくりこない。
豆をぶつけて心に鬼がいなくなるんだろうか。
心の鬼は自分から追い出せるんだろうか。
そもそも心の鬼ってなんだろう。
弱さ、ずるさ、邪さ、臆病さ。
それってなくなるのかな。
それも自分の一部なんじゃないかな。
自分の一部を自分で打ちのめしていいのかな。
豆をぶつけて出て行けって姿勢で
解決するのかな。
などとぐるぐる考えしてまったりする。
とりあえず子どもたちは、
豆まきをやった感があって満足したようなので、
ひとまず私の
その鬼や豆まきへの想いは
来年まで保留としておく。
そして数えで41つぶの福豆を食べたが、
もう夫婦ともに消化の限界を感じた。
「豆食べて 歳を感じる 節分の夜」
おそまつ。