立春の花を買い求める
菊の花は命が長い。
高知県で菊の栽培をしている農家の娘さんと
お友達になり、
年末に有難くも
たくさんの菊の切り花をおすそ分けいただいた。
我が家では生け切れないので、
お隣の奥様と
ファミリーサポートでお世話になっている方にも
おすそ分けした。
1月の終わりに、
「もらった菊がまだ咲いている」と
お二方が言っていた。
家の菊もまだ咲いている。
菊は生命力が強い。
私は菊の花が好きだ。
節分を迎え
いよいよ少し色あせてきたので
立春を機に新しい花を産直市で買い求めた。
直接生産者が
値段をつけて陳列するスーパーの産直市では、
生産者の名前が書いてあることがほとんどだ。
前述のお友達の家で栽培している菊を探して
買い求めることもできる。
私はそういうのが楽しい。
気持ちに余裕がないと
花を常に生ける事は難しい。
花は生きているからだ。
水を変えたり、
痛んだところを取り除いたり、
手間がかかる。
でも生きている花だからこそ力がある。
生きている花だからこそ与えてくれるものがある。
1月は私の気持ちが
揺さぶられるような出来事が
続いた月になった。
年末にいただいていた花の存在が、
ずいぶん知らぬ間に
私の心をいたわってくれた。
自ら音を発しなくても、
向こうから触れてこなくても、
出会った人の心を労ることが出来る存在。
花ってすごい。
寒い時期は、雑菌の繁殖も鈍く、
花の生命が長持ちする。
寒くて、人間は身も心も縮こまる。
花を生けて、
花の力に助けてもらうには、
絶好の時期だ。
自分の中の
春の風景を
先に、
迎えにいこう。