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はじまりは曖昧で、終わりはきっとない。

『海のはじまり』に夢中の夏。

夏はおわったけれど、ずっとずっと、これから、心であたためておきたいドラマになった。

『いちばん好きな花』につづいて、、

水季に、だれかを大切に想う幸せと切なさを。
夏に、まわりを頼るという強さと難しさを。
弥生に、過去も今も抱きしめる勇気と葛藤を。
津野に、一緒にいるという形は、いびつで良いということを。
南雲家に、守るものがある喜びと淋しさを。
月岡家に、現実と向き合う厳しさと抱擁を。
海に、めいっぱいの愛情の受け取り方を。そして、自分で選び生きる楽しさを。

ほかにも、写真屋さんや、夏の実父、学校の先生、弥生の仕事仲間、夏の上司…

皆から、いろんなことを感じ取り、学んだ。

このチームの作品は、登場人物ひとりあまさず、個をえがくことに長けている。だから好き。

主役とか、脇役とか、感じさせない。一言では説明させてくれない、できない、しようとも思わない、三角錐のような人間たち。みんな1人の人として、それぞれ生きていて、出会って、関わり合っている。

全12話(+特別編+スピンオフ)、丁寧に時間をかけられるテレビドラマだからこそ、作品のなかの人たちを大好きになれた。 

緻密な作品だからこそ、物語がすすんでいく面白さだけじゃなくて、深まっていく面白さを感じられる。

目黒蓮さんのInstagram投稿

嫌いで好き
非現実的でリアル
厳しいけど、なんか優しい
憎たらしくて愛おしい
間違いではないボタンの掛け違い

この言葉たち。

思いって、
こころって、
人間って、
正反対が一緒に在ってもいいよなぁ
そういうもんだよなぁ
ふたつに、ぱかっと分けた方がむつかしくなるよなぁ
と、ほっこりした。

夏くんが可哀想、水季は勝手すぎる
という声がいっぱいあったそうだが

夏のまわりにいる人たちは
"海ちゃんが幸せに、健康に生きること"

それが第一で
それが救いで
それが支えなんだから。

夏に対する厳しいや優しいは、
水季を愛している人たちから、海ちゃんにむけられた愛情。

そして、水季の選択はどれも、
夏への愛情であり、正しかった。

もしも、3人で暮らしていたならば

海にとって、これほど深く、カラフルな繋がりは生まれなかった。

水季の築きと、夏の築き、両方が重なりあって、海をかこんでいく。

これは結果論だけれど、、

弥生さんにすら寄りかかっていたのに、あの時の夏くんに子育ては、たぶん…
海が、これほど心強い愛にかこまれる未来は期待できないだろうと思う。

でも、

それでも!!

水季のそばに、一緒に、居てほしかった…!

水季の、「優しい人だよ」という言葉が、
海との生活に散りばめられた欠片が、
夏くんが好きという想いに溢れていて、ずーーーっと切なかった。

こんなふうに、だれかを想えるって、
ほんとうに羨ましいし美しい…

水季は、夏くんとの思い出を捨てなかったから、海と強く生きられたんだろうな…と、

手紙から、作品自体のメッセージも汲み取れて、なんぞか分からない涙がどばどば!!


わたしが、いちばん感情移入したのは、弥生さん。産婦人科のノートの言葉は、見返せるように書き写したくらい。

背景や経験は全くちがうけれど、

1人の空間でしか泣けなかったり
自分を他人に委ねるのが得意だったり
だれかの前で眠れる安心が楽しいだったり
人との近寄りすぎていない距離感だったり
選択の思考と、その後の清々しさも、

うわぁあ、なんか、これは、我か?と。笑


弥生さんを応援することで、自分の弱さと、これまでの決断をも認めてあげられるような、そんな気持ちになった。


そしてそして、今回も…
ドラマとハッピーセットで、無限まやかしにはお世話になりました。

最終回直後の生配信

「人は迷っても良いし、変われるし、揺らぎはしちゃうけど、結果的に良ければ良いじゃない」
という高野さんの受け取り方。沁みました。

お二人の感想は、いつも、心地が良くて、楽しい。

それは、知識と経験が豊かだとか、話し上手だとか、そういうのだけじゃなくて

作品に対して、純粋に良い!!楽しい!!好き!!という気持ちがいちばんにあるから。

はじまりは曖昧で、終わりはきっとない。

出会って、別れて、あたらしく出会って、を繰り返しながら、一緒にいたことが幸せだったなぁと、そう思えるだれかを大切にできるよう、ごはんを食べて健康に過ごす!!


ほんとうに、とっても素敵な作品でした🐬

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