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韓国から日本に猫を連れて行く方法

このnoteでは、韓国から日本へ、猫を連れて行く方法について紹介したいと思います。

連れて行き方を調べたくても、日本の動物検疫所のHPも韓国の検疫所のHPもどちらも「相手国によって状況が異なるので自分で聞いてね〜」と、細かいことはわかりづらい…
そこで両国の状況や必要条件など、自分でまとめてみることにしました!

同様の状況にある方の助けに少しでもなれば幸いです。

※以下は「韓国から日本へ」「猫」を連れて行く際の手続きについてです。国や連れて行く動物によって手続きが異なる可能性があります。

※2024年9月時点の情報です。


一言で連れて行く、といっても韓国から日本へ猫を連れて行くには多くの手続きを踏まなければいけません。
私の場合は、手続き開始から日本に猫が到着するまで、1年弱かかりました。
また、(当たり前ですが)お金も多くかかりました。
検討中の方は、余裕を持って手続きされることをおすすめします。

※検疫について、動物検疫所(日本)による説明(日本への入国に関して)
動物検疫所HP「犬、猫を輸入するには

※検疫について、動物検疫施設(韓国)による説明(韓国から出国に関して)
農林畜産検疫本部(농림축산검역본부)「犬猫検疫の手続き

前提として、私のケース

  1.  猫1匹

  2.  韓国(輸出国)→日本(輸入国)

  3.  2023年10月末に保護し、2024年9月に日本へ


【凡例】
✅:大事な部分
🔴:重要書類に関わる部分

大まかな流れ

  1. マイクロチップ装着

  2. 狂犬病ワクチン接種(最低2回)

  3. 狂犬病の抗体検査(血清検査)

  4. 「狂犬病抗体検査証明書」取得

  5. 180日間以上の待機

  6. 日本の動物検疫所への事前届出(日本到着の40日前まで)

  7. 出国前の健康検査(出国の10日前から)

  8. 出国用書類作成

  9. 韓国の動物検疫所での手続き

  10. 日本到着後の動物検疫所での検査

マイクロチップ装着

✅1回目の狂犬病ワクチン接種の前または同日に
マイクロチップを埋め込みます。

動物病院でやってもらえます。この時マイクロチップ番号をメモしておくと良いと思います。

「ISO規格のマイクロチップ」装着が推奨されています。

※私の猫ちゃんが装着した時は、動物病院で特に何も言わずに装着してもらったのですがISO規格のマイクロチップでした。ただ一応獣医さんに確認していただくのをおすすめします。

狂犬病予防注射接種

狂犬病ワクチンは、最低2回の接種が必要です。

1回目

生後91日以降に、
マイクロチップ装着後または同日
接種します。

こちらも動物病院に行って接種してもらえます。

2回目

1回目の予防注射接種から30日以上の間隔をあけて、
1回目の注射の免疫有効期間内
接種します。
※私の猫ちゃんが接種した注射の免疫有効期間は1年間でした。ただ、製品によって異なるため獣医さんに聞くのをおすすめします。

狂犬病の抗体検査(血清検査)と「狂犬病抗体検査証明書」取得

韓国の動物病院で採血をし、日本政府が指定する施設に猫の血清(血液)を送り、狂犬病抗体検査をうけます。

採血のタイミングと方法

2回目の狂犬病予防注射後(同日可)に、
動物病院で採血をし、血清と血餅に遠心分離してもらいます。

採血の最適な時期は2回目の注射接種の7〜14日だそうです。しかし、動物検疫所によるとそれを過ぎても大丈夫とのことです。
血液は腐敗しやすく、検査に向いていないため血清にするのが推奨されています。

日本政府指定の施設とは?


日本政府指定の施設は韓国にないため、
血清を日本にある施設に送る必要があります。

日本にある政府指定の施設は「一般財団法人 生物科学安全研究所」です。

※狂犬病抗体検査については、上施設のサイトに詳しいです。→こちら


住所:
〒252-0132 神奈川県相模原市緑区橋本台3丁目7番11号
(3-7-11 Hashimotodai, Midori-ku, Sagamihara, Kanagawa, 252-0132, Japan)
TEL :+81 (0)42 762-2819
FAX :+81 (0)42 762-7979
E-mail :rabies@riasbt.or.jp
HP: https://www.riasbt.jp/


検査の申請

生物科学安全研究所発行の申請書を作成します。
申請書とともに血清(血液)を送ります。

上記のファイルは生物科学安全研究所のHPで配布されています。
書き方や注意点は上記サイトをご参照ください。

費用支払い

検査には15000円かかります

私はネットバンキングで検査施設に送金しました。送金結果を示した画面のスクリーンショットを印刷し、血清(血液)と申請書と共に送りました。

日本政府指定施設への血清の送り方

血清(血液)を送るのが、想像以上に大変です。

まず、
最低1mlを、
✅血清のラベルにマイクロチップ番号を記載して
冷蔵または冷凍状態で(解凍後、再冷凍は不可)
三重に包装した状態で
送る必要があります。

さらに、
各種国際宅配サービス、EMSでも規約上送れません
※以前はEMSでも送れたそうなのですが、私がやろうとした時はダメでした…。(ただ韓国あるあるで担当者によって対応が異なることがあるのでトライするのも一つの手かもしれません)

そこで私は、

  • 試験管のような容器に入れてもらった血清を冷凍し、

  • ジップロックに入れ、

  • プチプチに包んだ状態で保冷剤と一緒に、

  • 保冷袋にも入れて

  • 自身の一時帰国したタイミングで直接持って行き、

  • 日本到着後、すぐに施設に郵送しました。

※猫の血清(血液)に関しては直接日本に持ち込む分には特に規制や事前届出などは必要ないようです。
※日本到着後、施設に送る際はクール宅急便で送りました。なお品名は「血液」と書くと受け付けてもらえないので「食品サンプル」と書きました。

「狂犬病抗体検査証明書」取得

検査が終わると、
🔴「狂犬病抗体検査証明書」が申請書に記載した住所に郵送されます。

この「狂犬病抗体検査証明書」の原本は最終的に日本入国の際に必要なため、なくさず保管する必要があります。

※提出した検査の申請書が戻ってきて、「狂犬病抗体検査証明書」になります。

180日間以上の待機

無事検査も終わり規定以上の抗体値が出たら、
採血日から180日間以上の待機期間に入ります。

日本の動物検疫所への事前届出

この待機期間中に、
日本の動物検疫所への事前届出が必要です。
✅届出は、日本に猫が到着するの40日前までに行う必要があります。

上の届出書を作成し、
到着予定の空港(港)にある動物検疫所にメールで提出します。
こちらのページからネットからでもできるそうなのですが、私はメールで行いました。

🔴提出をすると、動物検疫所から「届出受理書」がデータで発行されます。

この「届出受理書」は、飛行機に乗る際に必要です。印刷したり、データで保管しておきます。

出国直前の健康検査(臨床検査)と書類作成

出国直前、動物病院にもう一度行き、健康検査を受けたのち獣医師さんに日本入国時に必要な書類1枚と、韓国出国時に必要な書類1枚を作成してもらいます。

出国直前の健康検査

出国直前、飛行機に乗る前の10日以内に、動物病院で健康検査(臨床検査)を受けます。
猫ちゃんが狂犬病にかかっていないことを検査してもらいます。

書類作成

動物病院で獣医師さんに記入してもらう必要のある書類は2種類あります。

①日本政府が要求する書類1枚(日本入国時に必要な書類)
🔴日本の動物検疫所が配布している書類、「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC)の一部を獣医師さんに書いてもらいます。

※この書類は、自分で記入する部分、動物病院で獣医師さんに記入してもらう部分、動物検疫所で記入してもらう部分(=裏書き証明)の3つに分かれています。

↓こちらの記入例から、それぞれの部分がどこなのか確認できます。

②韓国政府が要求する書類(韓国出国時に必要な書類)
🔴韓国出国時の検疫の際に必要な書類、「予防接種及び健康証明書(예방접종 밎 건강증명서)」を書いてもらいます。

※このファイルは韓国の動物検疫所のHPからもダウンロードできます。

韓国の動物検疫所での検疫申請と書類作成

✅韓国の動物検疫所で行うことは大きく分けて2つです。
①検疫申請
②「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC)の裏書き取得

この手続きは、日本へ行く場合は到着10日前からできるそうなのですが、動物検疫所が空港にあること、当日でも構わないことから私は出国当日に行いました。

①検疫申請

✅自身で作成した「検疫申請書」と動物病院で作成してもらった「予防接種及び健康証明書(예방접종 밎 건강증명서)」を持って、
猫ちゃんと一緒に動物検疫所に行き、
検疫申請を行います。
🔴
申請後、許可が出ると「検疫証明書」が発給されます。
手数料10000ウォンがかかります。

※動物検疫所は仁川空港の場合9時〜18時の営業時間だそうなので、注意が必要です。
※仁川空港第2ターミナルの場合、検疫所は2階中央にあります。

また、韓国の動物検疫所発行の下の資料にも手続きについて細かく載っています(わかりにくいですが…)↓

②「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC)の裏書き取得

🔴出国直前に動物病院で獣医師さんに記入してもらった書類「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC)を持っていき、一番下の部分に裏書証明を記入してもらいます。

飛行機搭乗

猫ちゃんが飛行機に乗るには、「預け荷物」で乗るか「機内持ち込み」の形で乗るかの2種類があります。特に機内持ち込みができるかどうかは航空会社によって異なります。

私は猫ちゃんを「機内持ち込み」の形で連れて行きたかったため、大韓航空を利用しました。

大韓航空でペットを連れて登場する際には事前届出が必要です。
また搭乗料が別途150000ウォンかかりました。

こちらのサイトに詳しい情報が載っています。

🔴飛行機搭乗当日は、韓国の検疫所でもらった「検疫証明書」「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC)「狂犬病抗体検査証明書」「届出受理書」などを持って飛行機会社のカウンターに行き、チェックイン手続きとともにペット搭乗の手続きもしてもらいました(書類全部を持っていったところ職員の方が必要な書類を選んで処理してくれました)。

※出国検査の際は何か特別なことはしませんでした。普通に行けば大丈夫です。

日本到着後の検疫

日本到着後、羽田空港第3ターミナルの場合荷物受け取り場の横に動物検疫所があるので、そこに猫ちゃんと一緒に行きます。

🔴そこでは「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC)「狂犬病抗体検査証明書」「届出受理書」3つの書類を提出し、確認を受けます。また、マイクロチップの読み取りも行いました。
前に人がいなかったのもあり、思ったよりすぐ終わり、所要時間は15分ほどでした。

※行くタイミングは荷物受け取り前でも後でも構わないとのこと

✅検疫完了のスタンプをもらい、最後にそれを税関でまた確認をしてもらえば、すべての手続きは終わりです。

※税関申告書に記入の義務があります。

🔴【まとめ】日本への渡航に必要な書類

<韓国の動物検疫所にて>

  1. 「動物検疫申請書(동물검역신청서)」

  2. 「予防接種及び健康証明書(예방접종 밎 건강증명서)」

「検疫証明書」をもらいます。

<韓国の空港にて>

  1. 「検疫証明書」

  2. 「届出受理書」(日本の検疫所への事前届出ののち、発給)

※チェックインカウンターへ書類をまとめて持っていけば必要書類を選んで処理してくれます。

<日本の空港にて>

  1. 「輸出国政府機関が発行する証明書」(FormAC等)

  2. 「狂犬病抗体検査証明書」

  3. 「届出受理書」

参考資料・参考サイトまとめ

【主要参考資料】

↓日本の動物検疫所が発行した概略書です。

↓韓国の動物検疫所が発行した動物の輸出についての概略書です。

【主要参考サイト】

動物検疫所HP「犬、猫を輸入するには」
 :検疫について、動物検疫所(日本)による説明(日本への入国に関して)

農林畜産検疫本部(농림축산검역본부)「犬猫検疫の手続き
 :検疫について、動物検疫施設(韓国)による説明(韓国から出国に関して)

一般財団法人 生物科学安全研究所「狂犬病抗体検査」
 :狂犬病抗体検査医について、その概要や料金や血清の送り方など。


(最後に、韓国の路上出身から日本に無事入国できた私の愛猫、かぼちゃんの写真を……↓)

猫が寝ている画像
猫がこっちを見ている画像
はあ…ほんとうにかわいいね…

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