賃貸募集の裏話
大家さんの最大の悩みは「空室」です。退去は仕方ありません。入居者さんの都合は変える事ができません。
空室に入居者さんを入れる事(活動)を「客付け」といいます。お客様に対してちょっと雑な言い方ですが、業界用語と思ってください。
不動産業界には繁忙期(超繁忙期)とそれ以外があります。超繁忙期は1月下旬から4月中旬、繁忙期は8月盆明けから9月中です。これは日本の年度が4月始まりに由来しています。3月4月は卒業入学就職シーズンで人が動くため、賃貸や売買の需要が高まります。夏秋は大企業の転勤需要で、それなりに人が動きます。この時期のCMに賃貸CMが多いのはそのためです(1月なんてガンガンです)。
客付けの他の重要要素は、家賃です。いくらトップシーズンであっても、家賃(初期費用)が相場より高ければ引き合いはもらえません。
その家賃。相場より相当安くすれば激しく引き合いが起こります。シーズンには関係しません(但しおんぼろボロアパートなど大半が選ばないような物件では効果がうすいかもしれません)。これは安ければ住みかえたい需要はいつでも一手数いるためです。
賃貸業界隈には「AD」と言う名のボーナスが存在します。これは、借り手や大家から受け取る仲介手数料とは別に、業務委託料、宣伝広告費みないな名目の更なる手数料です。法律で仲介手数料は家賃の1か月分(税抜)と決められてます。これは借り手と大家の合計で、片方から1か月づつではありません。
世にある賃貸住宅の家賃は5万円台が平均であれば、1回の仲介活動で5万円の売上しかないとなると、賃貸ショップはとても経営できないと思います。また、仲介手数料の他にもADなどの収入源があるので、これにより借り手側の仲介手数料が半額とか無料とかも実現できます。だって、仲介手数料が無料であっても、大家がAD5か月とかで募集していれば儲かっちゃいますからね。
今の賃貸の主戦場はネットです。例えば3室決めて内覧に回る場合、お店は戦略を立てて臨みます。ここではお部屋を回る順番が重要で、たぶんですがADの少ない順に回るかと思います。
ひとは最後に見た状況を重要視するため、この心理を利用しているのでしょう。また内覧部屋を決めずに来店した場合は、必ず最後に「決め物件」を案内します。ショップの事情(ADとか)で決めてほしい物件です。
最後に案内される物件はショップにとっておいしい物件かもしれません。また、決め打ちで来店したとしても、更にお勧めされる物件もこれと同じです。と言っても、ADとかは関係者の都合なので、入居したいお部屋に決めましょうねw。