いい師に会えた。 と同時に、私の理想の恋人像その一は 「尊敬できるいい師匠」 なのだという事がわかった。 私の精神はまだ幼い。 勉学に励まなくては。 勉学の一つに、経験がある。 私が誇りをもって取り組んできたものと言えるものは さほどないことに気づく。 言ってみれば、飾り物の精神で生きてきた。 本当の意味で傷つくことをしてきただろうか? 傷を負うまでとは言いすぎたかもしれないが、 それだけ自身を外へと出して、知らない世界に飛び込ませてきたかと言えば それほどでもないこ
面白い毎日を。 女性として生まれてきて、「お前、面白い女だな」は一番望まない定評だと少女漫画は言っている。 僕は女らしさが嫌いであった。 しかし好きであった。 ジェンダーの問題は性別のヒエラルギーが起源なのでは? それも僕の偏見であるが、個人的に確信めいたことを言いたくなる時が往々にしてある。 僕は身だしなみに無頓着なところがある。 脳みそのメモリが狭いことから人よりめんどくさがりな性分ができあがり、 省エネ対策として「僕は女らしく身だしなみを整えたりせずとも生きてい
プリンのような柔軟性は、鋼の甲冑よりも今最も欲しいものだ。 7月の誕生日プレゼントの希望もまだ伝えていなかったが、そのような事はあまり重要ではない、と言ったら笑われたり、悲しまれたり、揶揄されたりするかもしれない。 私はお金では買えないものを日々彼から貰っているのだ。その事がどれ程価値のあるものか?かけがえのない、と言う言葉はこのような場面で使うべきなのだ! 1人では知れなかったこと 気の合う仲では知れなかったこと 彼とは喧嘩になる事が多い その理由は簡単だ。それ
4月4日 入力 私ねむ花は品川である男に会うことになった。
僕は蝶々。 一昨日、蛹から孵って、今日は花の蜜を集めに来た。 花は直ぐに蜜を渡してはくれない。 花は僕とまず始めにお話する。 「こんにちは。君は私の蜜を集めた後、何処へ行くの?」 僕は答えた。 「行き先はまだ決まってないの」 花は次に、こう言った。 「それは良い事。何も決まっていないなら、丁度いい。私の贈り物を、青いお花のところへ持って行って欲しいの」 僕は花の蜜を集めた後、青いお花への贈り物を届ける旅に出た。 「ありがとう蝶々さん」 僕は花と別れ、青い
受け取る側の好きにすればいい。 自由の翼。 そんな思いが込められているように思う。 私はただ、そこにあるものをできるだけ多く受け取りたいと思っている。 しかし、私の空き容量がすぐにいっぱいになっていることに気づく。 一度狭くなった容量を、生物であれば増やすことが可能だろう。 人間が時にこの可能性を広げることを阻む。 何故なら人間は成長ではなく成功を望むからだ。 成功とは、自然に発生するものではない。 行先を定めたうえで、そこに向かうために道順を決め、それに従
気持ちだけじゃ何も守れないと思った。 文面だけでなくて、対面で 何かを残したいと思った。
「さよならを教えて」というノベルゲームがある。 統合失調症の主人公が自身の生み出す妄想から「さよなら」できず、現実感を取り戻せないまま終わる話だ。 統合失調症の前駆期にみられる症状は以下の通りに示されていた。 • 集中力・注意力の低下 • 意欲低下、モチベーション(動因)の低下 • 抑うつ • 睡眠障害 • 不安 • 人付き合いからの退避 • 役割機能の低下 • 易刺激性 ↓参照URL↓ 私はこれかも知れないと思った。母は学生時代、これにかかって大学を中退したと聞い
私は何よりも一人きりの空間が好きである。それは私に静けさをもたらし、それこそが癒しだ。静けさの中に心地よい音があれば尚よい。決して宇宙のような真空が静けさなのではなく、空気の微かな震え、それが静けさというものだ。そして悲しさが静けさを漂わせる感情だ。すべてが過ぎ去った後の空虚は、私を騒々しい雑音から解放してくれた。 何故か私の中では空気が反響してしまうようだ。それが乱反射して不協和音になって、その五月蠅さに耐えられずに私は混乱を外へ出力してしまうようなのだ。私は自分のことを
初めて恋人が出来てしまった。私は日々、非常に戸惑っている。まさか自分の夢すら消し飛んでしまう程、その事に夢中になってしまう時があるとは思っても見なかった。だから、ここにそんな日々の率直な感想を述べたい。 彼に対する気持ちは、初めて会った時気の合う友人だった。仲良くなれそうだなとは思っていたが、本当に私を一人の女性として見られているとは思っても見なかった。 「デート」という言葉も、男女の友達が二人で会うことをそう呼ぶのだと思っていた。私は世間知らずを通り越して、いつしか都合
22 藤野君は放課後、私の元へ現れた。 そして私の首にかかった醜いインカローズを奪った。 「君を解放する」 藤野君は今までとは違って目を逸らさず、私を真っ直ぐ見ていた。 「俺はこんなどうでもいい石ころなんかで結衣を縛っておきたくない。だから結衣は、俺と別れるべきだ。そして・・・友達から始めたい。結衣のことまだ全然わかってないから、俺」 「それじゃあセフレだよね」 「そう言われると気が引けるなあ・・・」
21 「議論の余地もないね」 翌日、私は彼と二人で登校した。 そして私は彼を叱った。彼の意味不明で浮ついていて脈絡のない嘘。それらはしかし、私にとっては大切なのだ。彼の人間の重要構成物質なのだから。それらは何よりも、私は愛していた。たとえ中身が空っぽで虚無だったとしても、だ。 「恋愛なんてただの宝石よ。このインカローズのようにまがい物の感情を美化していても、本当に人を愛することなんて一生できないわ」 藤野前夜は顔を俯けたまま、
20 私は藤野前夜が嫌いになった。 嘘。虚無。彼の言葉はどれも軽く、空っぽであった。あるはずもない感情を私に語り、創り出した幻想に取り込まれるように私は吞まれていった。そして私は確認のためと肉体を交えるための口実を作り出し、互いの都合の良い解釈はうまく溶け合っていた。その幻想の融合こそが人間らしく、きっとこれを虚無と呼ぶのだ。 気持ちなどあるはずもないものを私たちは感じられる。その虚無を味わう。ただその感覚はやはり実体のない、存在しないものであるため長
19 藤野前夜。彼は私の揺らめきに手を触れた男。 だからこそ、本日、彼を仕留めなければならなくなった。 さようなら、恋心・・・。 さようなら、藤野前夜・・・。 さようなら、言切結衣・・・。 二人の間を取り繕う恋は、本日をもって終わりだ。 そして二人とも、消滅する幻想の中、化けの皮が剥がれ落ち、何もかもが溶けてなくなるのだ。その光は虚無ともいう。私たちは人格を捨て、何もかも失う事で、やっとの思いで虚無を手に入れる。 この虚無こそ、人間
11月はまもなく去ろうとしていた。 私は倫理を捨て、甘美へと邁進していた。 倫理観は以前出会った人々からの贈り物でもあった。私は綺麗に包装された箱の中の全てを喜んでいた。いつしか部屋は贈り物で埋め尽くされ、新しい人からの贈り物を、中身も確認せぬまま遠慮して受け取らなかった。 私たちの日常には、限りない贈り物が沢山ある。それを必要と不必要とに分別し、日々捨てたり管理したりと忙しいのだ。だからこそ私は誰とも合わず、表面上の部分的な文字や音声のみに情報量を絞っていた。私の頭脳
18 藤野君・・・・ 藤野君・・・・ 私は藤野君を求めてゆらゆらと歩いた。一年生の教室までの道のり、窓から見える木々のざわめきに耳を澄ませたかった。私は三つ飛ばしに廊下の窓を開けて、足を弾ませていった。 コンコンコン。 「失礼します。藤野君いますか」 私は教壇に立つ先生とクラスメイト全員に聞こえる声でそう言った。先生は驚きと少し困った顔を見せ、私に尋ねた。 「どうしたんだ?今は授業中のはずだが・・・藤野に何の用だ?」 「