バスツアースタート!江田神社へ
あの楽しすぎるバスツアーが終わって10日ほど。
ずいぶんと前のことのようでもあるし、あっという間に日が過ぎたようでもある。
あの感動がまだまだ胸の中にあるうちに、バスツアーの思い出を書いていきたいと思います。
待ちに待った11日の朝!
前日の10日からは、10月に入ってずーっと雨模様だったのが嘘みたいな秋晴れの日。
宮崎の秋は本当に短くて、からっと晴れた青空にたなびく雲が映えているような、そんなすてきな気候は正直1〜2週間しかないのです。
そんな合間を狙って設定したこの日。
まさにドンピシャ最高のお天気で、宮崎の空がみんなを出迎えてくれていたようなすがすがしすぎる朝。
県内外からバスに乗り込むお客様が宮崎駅東口に集合し、もうすでに会話をはじめて楽しく時間をすごしていました。
くまちゃんが到着するとみんなまた笑顔が弾け、おひさしぶり!やっと会えた!うれしい!!みたいな声が飛び交って、なんかもうバス乗る前から「やってよかった感」の湧き出る風景。
私たちをのせてくれる真っ赤なバス。
そのバスの入り口にはきりりときびしい視線を向けるアヒル隊長が。
旅の安全をしっかり見守ってくれてるんだね〜と、感謝をこめた敬礼をして乗り込みました。
大型バスが来るってことくらいしか知らなかったけど、乗り込んでびっくり。
深い紫のベルベット生地にゴールドの縁とフリンジがついたカーテンや、琥珀色に輝くシャンデリアに、総柄のシート。
う〜ん、なんだかアラビアン?
その日の私の服装は、ウクライナ製の刺繍入ったロングワンピース。
参加者の方に「さすが!合わせてきたのねっ」とお褒めの言葉をいただいたのですが…
すみません、こんなバスが来るとは知らんかったです。
やたらとアラビアンな香りのする真っ赤なバスはごきげんな一行をのせて最初の目的地の江田神社へと向かいました。
イザナギノミコト、イザナミノミコトが祀られる江田神社
全国の神職さんが、朝に夕にそしてご神事のたびに必ず唱える祝詞、それが禊大祓祝詞(みそぎおおはらえのりと)です。
祝詞の中でもいちばんにオーソドックスで、何にでも使える祝詞。
覚えておくととても便利です。
私は神職さんでもないですし、スピリチュアルの伝道師でもないので、もちろん読者のみなさまが覚えていらっしゃらなくても全然問題はないですし、これを知らないと神社参拝したらいけないということももちろんないのです。
ただ私は神社に行ったときに、神様きました〜とお声をかけたくてこの祝詞を覚えました。
もちろん人間の言葉でも通じるんでしょうけど…
この祝詞って昔の言葉で編まれているし、これが神様にとってここちのいい響きだったらそれを唱えてみた方がなんか神様が喜んでくださりそうな気がします。
とにかく神棚に向かうにもどこかの神社に行くにも、ごきげんようとか、おじゃまします、のひとことご挨拶の代わりに、いっちょ禊大祓祝詞っていうやつを覚えてみるかー!と思ったことがあったのです。
そしてちゃんと読んでみてびっくり。
宮崎人の私にはめちゃくちゃ馴染みの深い地名がいっぱい出てくるのです。
かけまくもかしこき…から始まり神様のお名前を奏上していくうちにこんな一節が出てきます。
皇御祖神伊邪那岐大神
すめみおやかむいざなぎのおおかみ
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
つくしのひむかのたちばなのおとのあわきはらに
御禊祓へ給ひし時に生座る
みそぎはらえたまいしときにあれませる
祓戸の大神達
はらいとのおおかみたち
諸の枉事罪穢を
もろもろもまがごとつみけがれを
拂ひ賜へ清め賜へと申す事の由を
はらいたまえきよめたまえともうすことのよしを
。。。と続くわけですね。
覚えようとおもってこの祝詞を文字で見た時に
え、これ宮崎限定祝詞じゃないよね?とびっくりしました。
この「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」というのがまさにこの江田神社の土地でそしてその神社のご祭神がイザナギノミコト・イザナミノミコトという夫婦神さまなのです。
これを全国のご神職さんが最初に覚えるのかと思うと、ものすごい特別感です。
全国にはたくさんの神社がありますが、そのなりたち、建立された年代はそれぞれ。
平安時代にまとめられた延喜式神名帳に名前が載っている神社は、とくに朝廷から重要とされている2861社。
延喜式の編纂されたのが905年ですから、そこに明記されて今もある神社は実に1030年以上も続き、守られてきているわけですね。
宮崎にはその延喜式に記述のある神社が4社現存しており、その1つがこちらの江田神社です。
ちょっと、ものすごい話じゃないですか?
その間に内乱もあれば地震も津波も火事もあり、空襲もあっているわけです。
それなのに今も昔もかわらず、祈りの場であり、祈りの言葉になっている土地なんです。
その長い間、神代の時代からそこを守ってくださる方々がいて、その想いをこどもでもわかるお話で伝えながら、次の世代へと時代をまた繋いでいく。
その連綿とした営みと、先人たちのアツい想い。
私たち宮崎の民は、ほんとうに誇り高い人々なのではないかと胸の奥にたぎるものがありました。
。。。まあ普段こういうことを話していて、そうだよねーわかる!と伝わらないのが宮崎のさみしいところ。
すこしでもこの先人の偉大さに敬意を払ってもらうきっかけになればと思い、ツアーのはじめにこの江田神社を選びました。
到着したら、ちょっと古代人っぽい衣服をまとったおじちゃまが神々の系譜パネルの前で1組の親子相手に神話の説明をしています。
私たちもそこに集って、じっと聞きます。
おじちゃまはぎょっとしますよね。
え、こんなに人来るなんてきいてないやん?と。
それでも時折漏れる「ほう」とか「へえ」という相槌に熱の入るおじちゃま。
一生懸命お話してくれました。
ひと段落したところで境内へ。
江田神社はめちゃくちゃシンプルな神社で、鳥居をくぐってしばらくしたら本殿があるだけの本当にこぢんまりとした神社です。
木の色がそのまま使われている、ほんとうに色もないご本殿。
ただそこに漂う気配は清浄で濃厚。
さすが歴史の厚み、とこしえの平和への祈り、日の本の国の安寧を願う気持ち。
そういった澱みのない人としての根幹にある想いをよびさまさせてくれるような空気です。
誰に示し合わせたわけでもないのだけど、バスツアー参加中のご夫婦が一番最初にそろって柏手を打ちました。
その瞬間柔らかくあたたかい風を感じたそうで、心願成就を確信したということでした。
なにをお願いしたんですか?と聞いたら
「かなさんが一生懸命がんばって準備したこのバスツアーが事故もなく大成功しますように」
ですって🥹
泣けてきますね😭
ふりかえってみてもこんなにやさしい方々のおかげでしっかりと天に祈りが通じ、雨が一滴も降ることなくすばらしい気候の中で事故もなく大成功におわったのです。
みなさまのやさしさ素敵さはおいおいまたご紹介していくこととなると思うのですが…
まずは話を江田神社に戻します。。
その後、くまちゃんから神社でのお祈りのポイントを解説してもらい、そろって2礼2拍手するちびっこと親たち。
それを見ていた他の参加者さんが言うには
「神社でみなさんで手を打ったあと、すぐに日が射してきたことに感動しました」
ということでした。
終始暑すぎず、でも寒すぎず。
ギンギンの宮崎の日差しはうまいことやわらかく雲に包まれながらも、ポワンとあったかい空気に包まれる不思議に心地よい時間を過ごし。
お空から「よくきたね〜楽しんで」と言われているような気がしていました。
そしてバスツアー一行は江田神社の先にある市民の森公園を抜けて、三貴神生誕の伝承残るみそぎ池へ。
私とくまちゃんはあることをするために江田神社に残り、一旦二手に別れるのでした。
プレミアムご神札
あることと、というのは護符の作成です。
今回バスツアーを企画してお話をしたときに「参加したくて真剣に考えているんだけど、ちょっとどうしても出張との時間が合わなさそうで泣く泣く断念します」というお声をくださった方がいらっしゃいました。
そして参加できないから、神社に行くのにご神札を買ってきてくれたら嬉しいというお声をくださいました。
たしかに、私にとったら普段車で20分で行ける神社であっても、みなさまにとっては飛行機に乗ってレンタカーを借りて、シェラトンにでも泊まる計画をしなければなかなか行かない神社。
しかもくまちゃんと一緒にいるんだったら、特別なお祈りをしてくれのでは?というナイスなアイデアをくださいました。
のちのち詳しくお話しますが、実はこのお方のおかげでバスツアーは何度も救われることになるのです。
そして長旅の疲れを承知でくまちゃんにさらに仕事をしてほしい旨相談したところ(←鬼)
「わかった…祈りをこめて書きます!」
と言ってくださったことで、江田神社のご神札と個々人のために祈りをこめてくまちゃんが書いた護符をセットにしたプレミアムご神札の企画がスタートしました。
実はバスツアーの参加者は想定の半分くらい。
う〜〜〜んと思い悩み焦る私に、このみなさまのあたたかいお気持ちはほんとうにありがたかったのです。
直前にも関わらずたくさんの方達がこちらのご神札をお買い求めくださって、尋常ではない応援をくださいました。
みんなが「がんばってね!」「成功祈願しているね!」「お体大事にね!」「楽しんでね!」って、ご自身のことではなく私のことを祈ってくださって…
ここは気合を入れて、みなさまにすてきな護符をお届けしなければ!!と思いました。
実はこちらの護符は、みなさまの正しい漢字のお名前、ご住所、未来への願いをしっかりと護符に封じ込めながら文字を書き、さらにバスツアー初日の朝にくまちゃんが青島の海から生まれ出た太陽の光を浴びて一枚一枚にことばを書いた特別な護符です。
天の護りを意味する「天護」という文字が書かれています。
そこに江田神社のお水を使った墨で、江田神社の境内で、宇宙にちらばる星を描きます。
そうすることで家にいるときは江田神社のご神札に守ってもらえて
外に出る時はちいさくたたんだ護符に守ってもらえる、という
世界にひとつだけの、特別な祈りをこめた一対の護符とご神札ができあがるのです。
発端から完成までを見てきた私としては、そんなにすごいものだったとは!!!と衝撃を覚えました。
神社に行って買える縁起物とか授与品とは全く違う、このバスツアーでしか叶えられない、心から込められた祈りの力とすごいパワーの入ったものなのです。
こんなすごいものが生み出せるくまちゃんがすごすぎて、私は言葉を失ってしまいました。
当初は仕事を増やしてごめんね、くらいで思っていましたが、それは私の了見がすごく狭かったということを痛感することになりました。
一枚一枚丁寧に護符を作ったくまちゃんから護符の束を手にさせていただいた時、全員の祈りをこめた護符の向こうにあるみなさまの喜ぶ顔、安らぐ顔がたくさん見えました。
きっとくまちゃんは私より先にこれを見たから、疲れをおしても快諾してくださったのだなと思いました。
私が推してやまない人形劇師のかわいいおじちゃまは、ほんとに底の知れない不思議なお人やわ。。。
そんな思いに浸りたかったけど、他のご一行はすでにみそぎ池に到着しているはずなので。
二人でえっちらおっちら森を抜けて、池に向かったのでありました。
つづく。