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他人の人生、見ないふりしてもいいかな

私は介護の仕事をしているため、毎日たくさんの高齢者の方とお会いします。

その中に、苦手な方ももちろんいます。

Aさんは、いつも無表情で毎日の生活を淡々とこなしています。

職員を困らせることはなく暮らされているため、一見何も問題はありません。

なんですが、私はAさんが苦手なんです。

なぜ苦手なのか?

それは、Aさんを見ていると苦しく、申し訳ない気持ちになるのです。

どういう意味かというと、いつも無表情のAさんを見ると
「毎日つまらないんだろうな」
「人生をあきらめちゃってるのかな」
「楽しいことを提供できなくてごめんなさい」
そんなことを考えてしまい、胸が苦しくなってしまいます。

でもそれは私の考えすぎかもしれない。

そう思うことで、Aさんへの想いを見ないふりして仕事していました。

しかし、今日の入浴中のAさんとの会話に胸が熱くなりました。
『あーもう一回○○で(昔の職場)働きたいな』
その頃を思い出しているAさんは、とてもいい顔をしていました。

Aさんは職人さんでした。中学を卒業してから、ずっとその仕事一本で働いてきたそうです。

話せば話すほど、とてつもないやりがいを感じながら働いていたのが伝わってきました。

そのやりがいであったものができなくなった今、Aさんは無表情で生活をしています。

その顔を見るのが、とてもつらいんです。

何歳でもどんな身体でも自分の好きをエネルギーにして生きていく

私にできることはなんだろう。

まずは見ないふりをするのはやめよう。

しっかりと受け止めて私にできることを探そう、そんなことを思った1日でした。

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