自然の摂理
予備動作について考えている。
動くためには予備動作が本来存在している。それを省くと居心地の悪さをおぼえる。
ゴキブリが気持ち悪い所以はそこでしかない。静と動が激しすぎて、静から動へ移行の際橋渡しの動作がない。
更に奴らの厄介なのは、角に追い詰めるとこちらに向かって飛翔すること。あれはあざとい。確信犯である。
飛ぶ気配がまるでない。飛べるなんて聞いていない。
それも、広い意味で予備動作がない。
落合の打撃理論を聞いたことがありますか?
それは、打撃には"ヒッチ"と"コック"が必要だということ。これらはバッティングの予備動作のひとつである。
"ヒッチ"は打つ直前、反動をつけるためにバットを後ろに引く前に、グリップを手首ごと1度下に下げる行為のことをいう。
"コック"は手首を体と反対側に曲げることで、バットの頭を振る行為である。
まあ分からなかったらこれかその落合の動画を観てください。
落合曰くこの2つは、いつぞやからむしろやってはいけないという考え方が主流になっているとのこと。私も小学時代野球をやっていたのでその話はよくわかる。
まさに私の時代主流だったのは、バットを首の横から最短距離で出すというもの。予備動作はなし。ヒッチやコックはもってのほか。理由は、無駄な時間を省いてボールを見る時間が増えるから。予備動作は無駄なのである。
更に落合の言及は続く。「スイングの際身体が開かないようにピッチャー側の足に壁を作る(動かさない)行為は、膝を壊す」。これもまた、そうしろと私が口酸っぱく言われた言葉。ずっと壁を作ることを意識していた。だが、全力で身体を回転させているのに、左足だけ固定していいわけがない、と今なら思う。
イチローは、過度に身体を鍛え大きくすることに警鐘を鳴らす。筋肉はつけられても、骨や腱を大きくすることは不可能であるから、故障にも繋がる。バランスの問題。
話が横道に逸れた。
言いたかったのは予備動作の重要性についてだ。これはともすれば自然の摂理なのかもしれない。
自然に逆らう、抗うことが他者(人でなくとも)に及ぼす影響について、もののけ姫を観て改めて考えたのだった。
"自然"を無視するのではなく、"自然"を理解し、ともに生きる道を模索すべきだ。
と、アシタカも私も切に願っている。