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商業高校生のための大学受験戦略
YouTubeで商業高校からの大学受験戦略を発信している者です。
今回は、大学進学を考えている商業高校生が、
「膨大な受験情報の中から、どのようにして自分に合う入試方式を選択するのか」
その具体的な受験戦略を整理します。
大学入試では、可能な限り偏差値を上げて、一般入試を正面突破することも一つの手法ですが、たとえ志望校に対して自分の偏差値が不足していも、自分に合う入試方式を選択できれば合格できることは珍しくありません。
特に、商業高校生の場合、進学校では当たり前のように履修している「数学Ⅱ・B」「数学Ⅲ」や「日本史・世界史・地理B」、「(基礎の付されていない)物理・化学・生物・地学」を履修していないケースもあります。
執筆者もかつて商業高校生だった頃、数学Ⅰ・A、世界史・地理Aまでしか履修しておらず、大学入試で必要な範囲を履修していませんでした。
当記事では、これを「未履修科目」と呼ぶことにします。
もちろん、カリキュラムは各学校によって異なるため、全ての商業高校生に妥当するものではありませんが、かつての執筆者のように、未履修科目を残したまま、大学受験生となる商業高校生も少なくないと推定されます。
こうした背景を踏まえると、商業高校生は進学校の生徒よりも更に入念に、自分に合う入試方式を選択する姿勢を持つことが重要と言えます。
では、具体的に、商業高校生はどのような視点を持って、自分に合う入試方式を選択すべきなのでしょうか。
以下では、その視点を具体的に整理します。
1.専門学科枠を優先的に受験する
結論として、商業高校生(総合学科等で「商業」の単位を取得している方も含みます。)であれば、まずは、「専門学科枠」を優先的に受験することで、大学入試を有利に(=より高い合格可能性をもって)進めることができます。
以下では、(1)で大学入試の全体像を、(2)で専門学科枠とはどのような枠なのか、(3)で専門学科枠の特徴について説明します。
(1)入試方式の種類
入試方式は、大きく次の3つに大別されます。
一般選抜
学校推薦型選抜
総合型選抜
昨今、入試方式の多様化に伴い、各大学において様々な種類・名称の入試が用意されていますが、大きく「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つに大別されます。(本記事では、より詳細な分類は省略します。)
(2)専門学科枠とは
(1)で見た分類のうち、学校推薦型選抜の一種に位置づけることができるのが、この記事の本題である「専門学科枠」です。
専門学科枠をざっくりと説明すると、商業・工業・農業などの専門学科で勉強している高校生を主な受験生として想定された入試方式です。(例外はあります。)
商業高校生がこの専門学科枠を受験するメリットは、以下の通りです。
国公立大学・難関私立大学への受験機会を得られる
高偏差値の進学校の生徒が競争相手になりにくい
共通テストが免除され、「志望理由書」「小論文」「面接」で受験できる
専門学科枠では、このように、未履修科目のある商業高校生であっても、出願要件さえ満たせば、国公立大学や偏差値60を超えるような難関私立大学の受験機会を得ることができます。
基本的に、国公立大学では、5教科7-8科目の共通テスト(年1回)で一定の点数を確保した上で、各大学で実施される記述式の2次試験を受験して、その合計点で合否が決定されます。
しかし、専門学科枠では、共通テストの受験が免除され、「志望理由書」「小論文」「面接」で受験できる場合があります。
また、難関私立大学では、国公立大学よりも受験機会は多いものの、3教科(文系であれば、国語・英語・日本史or世界史など)での高い習熟度が求められます。
さらに、こうした国公立大学・難関私立大学の受験は、本来であれば、高偏差値の進学校の生徒が競争相手となりますが、専門学科枠では、商業高校生の競争相手は商業高校生であることが多いです。(あるいは、他の専門学科生。)
つまり、専門学科枠では、進学校の生徒との激しい競争を避けて、自分たちと同じカリキュラムを履修してきた生徒たちとの競争に勝ち抜くことで、国公立大学・難関私立大学に入学できる可能性があると考えられます。
ただし、国公立大学・難関私立大学を受験する商業高校生は、商業高校生の中では、トップクラスに商業高校の勉強に力を入れてきた生徒たちです。
必要な対策を淡々と積み上げあれば合格できますが、決して「穴場」ではありません。
しかし、商業高校生であるならば、一般入試や専門学科枠ではない学校推薦型選抜の受験を検討する前に、まずは専門学科枠を狙う方が、大学入試をより有利に進めることができると考えます。
念のために補足しておくと、これは優先順位の問題であり、一般入試や専門学科枠以外のその他の入試を受験することを決して否定する主旨ではありません。
英語や数学ができる商業高校生は、一般入試に焦点を合わせるというのも一つの手法です。
(2)で説明した専門学科枠の全体像については、執筆者の運営するYouTubeチャンネルの動画にもまとめてあります。
記事の内容と併せてご覧頂くと、より理解が深まります。
(3)専門学科枠の特徴
最後に、専門学科枠にはどんな特徴があるのかを説明します。
まず、専門学科枠という言葉は執筆者が便宜上使っているに過ぎず、そうした名称の入試方式が用意されているわけではありません。
では、数ある入試の中から、専門学科枠を見分けるには、どのような特徴を参考にする必要があるのでしょうか。
専門学科枠には、以下のような特徴があります。
出願要件に「商業の単位を○単位以上取得(見込み含む)していること」などの要件がある
出願要件に、「日商簿記検定2級」や「全商検定(簿記や情報処理など)」が含まれている
入試名に「専門学科」という単語が入っている
こうした特徴を参考にすると、専門学科枠を見つけることができます。
商業の単位に関しては、商業高校生であれば満たしていると思われます。
また、出願要件に、日商簿記検定2級や全商検定が含まれている入試は、専門学科枠である可能性が高いです。
なぜなら、全商検定の受験者の多くは商業高校生であるため、その全商検定を、あえて出願要件に含めるとすれば、それは商業高校生を主な受験生として想定されている考えるのは自然だからです。
日商簿記検定2級は幅広い世代に人気の検定試験ですが、「高校生の」受験者に限れば、商業高校生が多いものと考えられます。
最後に、入試名で見分ける方法もあります。
「専門学科」という名称が付されていれば、商業高校生の受験しやすい入試である可能性があります。(工業・農業、情報系の学科の生徒向けの可能性もあります。)
こうした特徴を参考にして、自分に合う入試を選択することが、商業高校からの大学受験では重要です。
2.一般入試を目指す商業高校生に必要なこと
ここまで専門学科枠の利点や特徴を見てきましたが、一般入試を検討している商業高校生はどのような準備が必要なのでしょうか。
商業高校と進学校では、履修しているカリキュラムがそもそも異なるため、商業高校生が一般入試を検討する上では、商業高校のカリキュラムを踏まえた上での準備が必要となります。
最後に、この点について説明を加えます。
(1)商業高校生が一般入試を受験することの意味
結論として、「進学校の生徒との競争を受け入れる」ということになります。
商業高校からの大学進学を目指すメリットは、専門学科枠で国公立大学・難関私立大学を受験する機会を得られる点にあります。
商業高校生が一般入試を受験するというのは、このメリットを活かさずに、進学校の生徒との競争の中に入ることを意味します。
より具体的に言えば、未履修科目がある商業高校生の場合、その不足した科目を補って、入試に間に合わせる必要があるということです。
また、たとえ履修している科目であっても、定期試験と実際の大学入試では問題の内容や難易度が異なるため、実際の入試問題に対応できる準備を各個人で行う必要があります。
商業高校というのは、就職志望の生徒のニーズにも応えるため、簿記や情報処理などの専門教科・科目の勉強に多くの時間を充てます。
他方で、進学校というのは、大学進学を目指す生徒のニーズに応えるため、大半の時間を、5教科の勉強に充てています。
これは普通科と商業科の優劣の話ではなく、各学科に求められる役割の相違点の話をしています。
商業高校からの一般入試を受験するというのは、そこで生じた勉強量の差を埋めて、彼らと競争するということです。
商業高校から一般入試を検討する場合、まずは、この現実を正面から受け入れることが求められます。
上記内容は、執筆者のYouTubeチャンネルの動画にもまとめてあります。
記事の内容と併せてご覧頂くと、より理解が深まります。
記事の内容は以上となります。
最後に、執筆者の運営する「進学塾おはぎ」(商業高校生専門の大学進学塾)では、商業高校から大学進学を目指す商業高校生向けに、【LINE】無料学習相談を実施しています。
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☆小論文の添削にも力を入れています!
【執筆者】
・商業高校卒業ながら、苦節10年、京都大学卒業。
・商業高校生専門の大学進学塾「進学塾おはぎ」代表。
・YouTube「商業受験戦略チャンネル」運営。
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