遠藤薫さんの個展
遠藤薫(えんどう・かおり)さん。若手作家さん。大阪中之島美術館で初めて作品を観させて頂きましたが、大阪出身ながら、沖縄の資源?を作品に仕上げいるのが面白い!
コカコーラのガラス瓶に、バナナの木?で織られた芭蕉布の船の帆、、その共通項が閃くほどの予備知識も感受性もない私は、最初、グルッと回っただけでは、何がなんだか理解ができませんでした。
それでも、一周した後に館内で上映されている動画を観たことで、真ん中にドーンと飾られている舟と、その舟の帆が沖縄特有の芭蕉布で織られていることから、沖縄の歴史や文化と資源、そして、その資源を活用した昔の方のクリエイティビティに圧倒されてしまいました。
その上での2周目。コーラの瓶と沖縄が最初はつながらなかったんですが、コーラ=アメリカ発祥ということは、米軍基地と関係があって、山のようにコーラ瓶が転がっていた時代が、勝手ながら想像できました。そのコーラ瓶を数々のガラス工芸に仕上げているという、発想、着眼点、そして、美的センスに引き込まれてしまいました。
美術館を出た後は、心が満たされたような不思議な充実感がありました。
今回、大阪中之島美術館で、関西にゆかりのある若手アーティストの個展を年に数回、行っているのを初めて知りました。
多目的スペースで行われているから、展示されている作品は無料で鑑賞することができます。
この企画は、美術館と大阪21世紀協会が一緒になって取り組んでいるらしいが、とても有意義な企画だと思います。
若手作家を知るきっかけは、芸術に造詣が深く、日頃からアンテナを立てている方か。友達、家族か。今ならば、何かがきっかけでバズるか。
なかなかマスで情報が伝わることがないので、観るきっかけがない。今回私もたまたま、友人に声をかけて頂いたので、知ることができました。
このような次の世代のアーティストにスポットを当てた個展を開催することの意義はとても深いと思いますし、おそらく、この企画意図を理解し、応援してくださるスポンサーがあっての実現かと思います。
偶然、遠藤薫さんの作品に触れることができましたが、このような機会を創出し、支援し、そして発信する、3枚岩?で取り組まなければならないと思いました、日本の芸術の将来のために。