「好き」の勘違い
俳優のザッカリー・リーヴァイに恋人がいる、そんなニュースを目にした。彼のファンなのに、何の感情も沸かない自分を不思議に思った。そんなにファンじゃないのかな。
私は大体、その人が演じた役でその人を好きになると思っていた。でも私が好きなのはザッカリー・リーヴァイではなく、彼が声優をした『塔の上のラプンツェル』のフリン・ライダーことユージーンだった。
私は長く同じ芸能人を好きになれない。その人の役柄、自分の年齢や環境で、好きな芸能人も都度変わる。でも好きな映画やドラマでは、その芸能人はそのキャラのまま。
私生活になると、その芸能人は「ひとりの人」に戻る。私生活を大切にしてほしいし、幸せを望むけど、夢から覚めた切ない気分になる。ザッカリーはユージーンであって、ユージーンじゃない。
ユージーンへの熱い想いならいくらでも語ることができる。ユージーンの顔も性格も好み。それもそのはず。このキャラを生み出すために、女性スタッフを集めて「グッドルッキングガイ会議(イケメン会議)」が開かれたんやって。
女性が魅力的に感じる顔や体のパーツ、声などを話し合ったそう。会議室の壁にはハリウッド俳優の写真などをたくさん並べて意見交換。それを基に、魅力的に感じる男性のイラストを描いた紙を何枚も並べて再び盛り上がる女性たち。
楽しそう!この映画の男性監督とプロデューサーは、白熱する女性たちの会話に口を挟む隙もなく、部屋の隅で静かに頷いていたそう。
このユージーンというキャラをさらに生かしたのは、ザッカリー・リーヴァイの声のおかげだと思う。ラプンツェルの声優をしたマンディ・ムーアとザッカリーの声の相性も良いんやろうな。
彼の声は色気と甘さがあって、聴き惚れる。私の旦那さんも「彼に惚れそうやわ!」と言うほど。
これまでは王子が出て来るのが典型的なディズニー映画だったけど、ユージーンは盗人。この設定は、ディズニー初の試みだったんやって。
盗みをしながら自由に生きるけど、信頼できる家族も友人もいないユージーン。ラプンツェルは彼に守られるよりも、自分で行動して道を切り拓いていく。
彼は彼女の真っ直ぐさとひたむきさに惹かれていくの。そんで全うに生きようかなって考え始めるのよ。愛のちから。
ランタンが空に浮かび、ラプンツェルとユージーンが「I see the light」を歌うシーン。あれは何回観てもため息が出るほどウットリ。「Light」はランタンの光と、お互いの存在をかけ合わせてるんやろうな。ロマンチック💘
あのシーンを見る時はいつも、机に頬杖をついて「王子様」を信じていた年代に戻る。
この時、ラプンツェルはユージーンが盗んだものを渡そうとするのね。2人が出会った時にはラプンツェルのお願いよりも盗んだ物に目がくらんでいたのに、ランタンシーンではラプンツェルを優先!
色んなことを一緒に乗り越えて、惹かれ合っているのが分かる。2人が見つめ合いキスしそうと思いきや、ユージーンの悪友スタビントン兄弟が姿を見せるねん。うわ〜。まじ空気読めてないわ。目をつぶって待ってるラプンツェルが気まずいやろ。乙女の恋を邪魔するな〜!
こんな感じでラプンツェルとユージーンのことは、もっと書きたいくらい。でもザッカリーについては、Wikipediaに書いてあることくらいしか書けない。芸能人のファンになる要素として、役柄だけでなく見た目も関わるはず。でも彼の顔や体格は私のタイプじゃない。カッコいいとは思う。
好みのタイプを言うならロバート・ダウニー・Jr.、ジョージ・クルーニーやアーノルド・シュワルツェネッガーのような、葉巻やウィスキーが似合いそうなオジ様が好き。シワと白髪が、貫禄と大人の余裕を出しているような気がする。
話は戻って、ザッカリーは私生活を完全に秘密にしているらしく、恋人とは2019年から交際しているらしい。顔も声もイケメンで、ユーモアセンスがあって、笑顔もチャーミングで、演技も歌もできるザッカリーに恋人がいないなんてことはないやろと思っていた。
そんな彼だけど、デートアプリを使っていた時期もあるねんて。そっちに驚いた。彼の恋人を羨ましく思うとしたら、ユージーンの声が毎日聞けることかな。
↑画像はココから借りたもの。