『引き寄せの法則』という”宗教”にハマっていた話
18歳から25歳まで宗教にハマっていました。
『引き寄せの法則』という宗教の信者でした。信じるものは救われるという意味で。
今日は、依存するほどに『引き寄せの法則』に夢中になったキッカケを話そうと思います。今は完全に脱退しました。
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『引き寄せの法則』とは?
簡単に言うと「自分に起きる事は、自分が思った事からしか起こらない」という法則。つまり、常に楽しい事が起きて欲しいのなら楽しい事を、成功したいのなら成功する事を考えていればそれが実現するという事です。
願えば叶うというものです。「お金持ちになっている」自分を想像するだけで、お金持ちになれるそうです。「バカげている」と思う人もいるはず。わかります。今の私は『引き寄せの法則』って聞くだけで、寒気がします。
でも人は何かにすがりついたり、信じたいものがあったりします。そうすることで安心するんですよね。
私が『引き寄せの法則』に出会ったのは、18歳の頃。高校卒業後はバッタモン家族から離れて、県外で働くことにしました。
社会人として初めて働いた会社の社長が、『引き寄せの法則』信者でした。月に一度行われる会社の勉強会では、必ず『引き寄せの法則』の勉強もしていました。社長は「いかにこの法則がすごい」かを熱弁。会社が日本全国だけでなく海外にまで発展したのも、倒産危機だった赤字会社が黒字になったのも、「この法則のおかげだ」話していました。
「そんなにすごいのか?この法則は?」と最初はそこまで興味はありませんでした。だけど社長は月に一度の勉強会で、引き寄せの法則の本の内容を抜粋して印刷し、みんなに配っていました。「ここに書かれていることを実践しただけで、私の会社はこんなに大きく発展したんです」と熱く語る社長。仕事の勉強よりもこの法則の勉強会に行っていたみたいでした。毎月聞いていると、「この法則で、ほんまに夢が叶うかもしれない」と思い始めました。一種のマインドコントロール…。
多くの人が心惹かれる言葉…「人生を変える」、「夢が叶う」。引き寄せの法則には、そういう魅力を感じたのです。
私は自分の人生と”自分”を変えたいと思っていました。でも変え方が分からなかったんです。”ネガティブ”の代表格である、バッタモン家族に囲まれて育った私。中学生くらいから人に不信感ばかり抱いてたし、「人生がおもしろくない」と思ってました。いつもふくれっ面で、眉間にシワを寄せていました。笑顔の少ない女の子でした。周りには「もっと笑えばいいのに…」、「あの子、めちゃ怖いし、近寄りたくない」なんて陰口も聞いたことがあります。本当はみんなと仲良くなりたかったし、心から信頼できる友人がほしいとも思っていました。でも自分をどうやって表現していいのか分からない。人に悪態をつく自分が嫌になる。と苦しんでいました。
そんな、今までの自分を思い返しながら『引き寄せの法則』の話を聞くうちに…
「もし、もしも、この法則を信じたとしたら…私の人生は変わるかもしれない。変わりたい。自分に起きる事は、自分が思った事しか起こらないとすれば、私の人生は良くなるんじゃないか!」なんて、考えました。
バカげてるでしょ?でも本人は真剣にそう思ったのでした。
そこから社長オススメの『引き寄せの法則』本を買って、熟読。それでは飽き足らず、『引き寄せの法則』に関連する本を毎月必ず10冊くらい購入(内容はどれを読んでも、ほぼ同じことを書いています)。『引き寄せの法則セミナー』には、月に2〜4回行ってました。月の必要な生活費などを除いて、私が自由に使えるお金全て、引き寄せの本やセミナーに消えていきました。
セミナーで聞いたことや本で読んだことには、「いつもポジティブな気持ちでいること」、「いつも感謝すれば、あなたに幸運が訪れます」、「常に気分良くいなさい」でした。それを実践して「私は幸せ」、「感謝」とばかりつぶやいていました。自分にとって何が”幸せ”で”感謝”なのか分かっていないのに。この言葉さえ言っておけば、私は幸せになれると思い込んでいました。
他にも「ノートには「ほしいもの」、「引き寄せたい」ものをスクラップブックしなさい」と、教えられました。だからそれも実践しました。その当時私が「あったら幸せ」と思えるものは、豪邸、大金、いつでも行ける海外旅行。海外セレブのような生活がほしいと思っていました。それはもちろん叶っていません。なぜなら、そんなもの心から欲しいと思ってないから。誰かに羨んでほしいだけの生活に、”私は”価値はないと思っています。
今なら分かるのですが、私が”本当に”求めていたのは、信頼できる人や自分の好きなものでした。ハンバーガーとチョコレート、本と快適に住める家、大好きな旦那さんや友達がいればそれでいい。今もうそれを手に入れてるから、幸せですよね。私。
信者の時は、毎日毎日「今日も幸せ!」←嫌なことは見ない、「ネガティブなことは、私を強くさせるためにある!」←こじつけ、「今日は、大好きなチョコレートを引き寄せた♡」←買えば誰でも手に入る。どんな些細なこともでも、”引き寄せ”って言ってました。今思えば恥ずかしいです。
周りの人にも「引き寄せの法則で、夢が叶うからやってみて〜!この本もオススメやから〜」と、無理に押し付けていました。もちろん、バッタモン家族にも勧めました。お父さんとお母さんには、もっと前向きになってほしかった。だけど父は「何よそれ!宗教やんけ!胡散臭いなー!」と突っぱねました。周りから見ればそうやったのかもしれないけど、私はその言葉を聞き入れませんでした。「わかってくれない人がおかしい」とさえ思ってました。もうここまで来ると、重症。どんどんのめり込んで、頭の中は『引き寄せの法則』のことでいっぱいでした。
ちなみに、ずっと「変わりたい」と思っていた私は、『引き寄せの法則』を信じて何か変わったのか?
ある意味で私を変えた…と、当時は思ってました。明るくなって笑顔が増えて、「こうありたい」と思う自分に近づけていたから。人生は確かに楽しくなっていました。そこに至るまで、3年はかかりましたけども…。
今、当時のことを振り返って旦那さんにそう言うと「それはMaiがもともと持ってた性格やろ。家族によって抑えつけられてただけやん」と言われます。それもそうやな。
旦那さんは現実的な人。「引き寄せの法則?日本の本屋で、その本棚みるたびに、”あ〜これだけ不幸な人が多いんやな”って思うわ!」と言うてます。私も今ならそう思う。ほんまに幸せなら、そういう本って必要ないねん。人には分からない自分なりの幸せがあるなら、人がどう思うかは関係ない。だから今の私も自分が思う幸せを見つけたから、もう『引き寄せの法則』は必要ないです。
一瞬で人生を変えてくれて、半永久に幸せになれる”物”なんてないですよ。だけどキッカケやチャンスは巡って来ます。それを自分のものにして、いかしていくことが、”人生を変える”ということなのかもしれません。
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今日は信者になったキッカケをお話しました。信者だった7年間を通して、今後も私が思ったことを書いていきます。本音で書くので、不快になる人もいるかと思います。だけど信者の人を否定する気はないです。ただ、過去の自分がバカやったなという目線で書きます。