【トラウマ】水族館が苦手になった話
皆さん、魚はお好きですか?
私はとても大好きです。
シシャモ、イワシ、ニジマス、サケ、カツオ、ブリ…などなど。
どれもご飯にピッタリのお魚達ですよね。
私は魚が大好きです。食べることが…
でも正直言って、見るのは苦手なんです。
とは言っても、結婚してからは以前よりだいぶマシになりました。
妻は水族館が大好きでして、その影響で少しずつ苦手を克服しています。
今では「一緒に回っていれば」全然平気になりました。
しかしながら、結婚するまでは本当に水族館が苦手でして、水槽があると旅館でも、レストランでも、ドン・キホーテでも腰を抜かしてしまいます。
なぜ、こんなにも苦手意識をもっているのか?
今回は表題の「水族館が苦手になったきっかけ」をお話しします。
私の母、そして母の家系はとても水生生物が大好きでした。
特に母は若い頃にパラオに赴き、ジェリーフィッシュレイクに潜ったり、新婚旅行ではハワイ旅行でダイビングするほど、水辺が好きなようです。
私も母からその性質を受け継いでおり、水族館に行くのが大好きでした。
そう…あの日までは。
あれは私が3~4歳の頃、まだ幼稚園にも入園していなかった頃の話です。
母とその兄弟達に連れられて(どこだったかは覚えていない)水族館に行きました。
・よちよち歩きのペンギン
・お利口さんなイルカのショー
・可愛らしい巨大マンボウの水槽
・ジャングルを模した淡水生物コーナー
思い出す限り、その水族館では様々な水生生物を観覧できました。
中でも目玉なのは「水生生物とのふれあいコーナー」です。
こどもの膝丈ほどの水槽内に様々な生物が泳いでいて、小さい子供でも安全に触れ合うことができる、とても魅力的なスポットでした。
もちろん水槽内の生物は、みんなチビッ子達のお友達。
とても温厚で子供に危害を加えるような生物はいません。
人間に興味津々なお魚や、刺したりしないヒトデなど、このコーナーに相応しい生物ばかりでした。
当の私もお魚やヒトデを触って遊んでいる子供達が羨ましく、水槽内に入れてほしいと親にせがみました。
しかし、「水浸しになったら困る」という理由で、残念ながらそのコーナーで遊ぶことはできませんでした。
ペンギンショーやイルカショーなど、一通りのスポットを巡った後、いよいよ出口に近づきました。
ショーもお魚達もとても可愛かったので、私以外のみんなはとても満足していたと思います。
しかし、私はある願望で頭がいっぱいになっていました。
「まだ、何も触ってない…」
水族館とは素晴らしいもので、入口から出口まで所狭しと様々なスポットが設置されています。
この水族館も例外ではなく、出口に向かって「磯の生物コーナー」が設置されていました。
一本道の通路。その足元にはくるぶし程の段差があります。
そこに水が敷かれていて、磯に住む生物達が自由に泳ぎ回っていました。
通路と段差の間には、大人の腰の高さほどのポールチェーンが置かれていて「あまり近づきすぎないように!」と張り紙が貼ってあります。
小さい段差と言えど、近づきすぎては危険です。
しかし、幼少の私にとって、頭よりも高い位置にあるポールチェーンは何の障壁にもなっていませんでした…
フラストレーションが溜まっていた私は磯の生物コーナーを見回していると、ある生物に心を奪われました。
「やぁ、よく来てくれたね!」
その生物は僕にそう語りかけました(妄想)
「ふれあいコーナーでは残念だったね。でも、ぼくに触っていいよ!」
幼い私には彼がそんなことを言っているように感じました(妄想)
水生生物と触れ合うことができなかった私にとって、その魅力的な問いかけは私の好奇心を最高潮まで高めました。
この誘いに乗らないなんてありえない。
私は新しいお友達と触れ合うべく、水辺にいた彼まで手を伸ばしました。
まるで人間のような形。とても魅力的で綺麗な。
オレンジ色のヒトデ
幼少期の記憶とは、成長するほど薄れていくものです。
過去の思い出は、新しい思い出に上書きされていく。
そして、新しい思い出も過去になっていく。
少し物哀しいですが、仕方のない事です。
人は思い出の中に生きるのではなく、今を生きる生き物なのです。
最近、物忘れの激しい私でも、あの日の出来事を鮮明に覚えています。
波打つ水面
輝くヒトデ
オレンジ色の柔らかい棘
激しい閃光と痛み。
そして痺れ。
ヒトデを触った私はあまりの衝撃にギャン泣きしていました。
私は母親に抱えられて水族館を後にしました。
その後のことは覚えていません。
はっきり言えることは、
この日以降、私は水族館や水辺の生き物が苦手になってしまったのです。
幼い頃のトラウマというものは、なかなか払拭できないものです。
しかし、それを乗り切った先に素晴らしい新世界があるかも知れません。
多分。
今の私は、妻と一緒に様々な水生生物の鑑賞を楽しむことができています。
妻と一緒なら、今後どんな水族館でも乗り越えていけそうな気がします。
妻には感謝が尽きません。
最後に、世界中のお父様とお母様に一言。
お子様からは目を離さないようご注意ください
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