98%の苦悩
いつ頃からだったか、十数、、、いや数十年前からよくCMに流れるようになった”98パーセント除菌!””お客様満足度99パーセント!”。あれ、ちょっとだけ辛いんです。CMが終わる数十秒の間に、めぐりめぐって虚無って心を静かにさせるのです。あれ、本当に”わーすごい!”と買う動機付けになっているのでしょうか。
まず、”98パーセント除菌”と聞いた瞬間に(え、なんで?)そして(なんの?)ってびっくりしてしまうのです。そして(どの状態が100パーセント?)と。
98という数字が100よりも印象として最もらしく感じる人も多くこの数字の意味はまずわかります。更に恐らく98という数字はあくまで嘘ではなく、あっても誤差程度でしょう。(企業嘘ついちゃ基本的に良くないし、そもそも数字も嘘ならただの詐欺広告なわけですから。)
で、滅菌ではないんだよね?ってなると、100は何?となるのです。で、下の方に目をやるわけです。そうするとちいちゃい文字で※全ての菌ではありません、と。
OK、そこまでは想定範囲。で!100パーセント、つまりどの菌の98パーセントなのかってことは。。。教えてくれない。ホームページに載っているかなと見たこともありますが、私の調べた範囲では企業秘密なのかなというところでした。
少し掘り下げて、例えば”滅菌”を目指すなら高温で一定時間温めるとか、次点でピューラックスやハイターのような次亜塩素酸を使うでしょう。その次くらいに過酸化炭素とかでしょうか。アルコール等も良いですね。で、で、98パーセントって何?ってなるわけです。つまりアルコール程度の除菌?アルコール何%くらいの?むしろイソジンとか?で、どの菌に対して98パーセントなの?広告の意味?これみんなおーすごってなるの?これで買いたくなるの??でも、用途が一般向けで仕様に然程注意がいらない程度だよね。え、むしろだめなやつかも? とぐるぐるした後、そっか、広告だよね。みんなそれで買うんだよね、と落ち着けます。その頃には、やっと次のCMに変わります。
で、何が言いたいかというと、”みんなもっとよく考えなよ!”とか”広告って。。。”と極度の憂いを感じているわけではなく、”CM見るだけで体力使うんです”ということを言いたいです。また、これ、聞いてライトに「そうだよねー」と共感してもらうことの難しさ。私はその”98パーセント除菌”の商品をありがたく消費しますから。そして、一番最初に感じた(なんでメーカーはこの数字を用いて?)の疑問を抱いたまま。
他にも、”心配事の9割は起こらない”。この言葉こそ困ってしまいます。想定問答としては、相談事でしょう。でも自分が困っていることに対してその言葉を聞くと、まあ困ってしまう。まず恐らく私への優しさの言葉であろうことに、とてもありがたい気持ちになるわけです。むしろ話を聞いてくれてありがとうなんだけど、同時に”え?1割って多くない?”とどうしても思ってしまうのです。たとえば出来事、3分等の短時間の出来事でも、きっかけになりうるタイミングが毎日あったとしたら10日後には必ず来る未来です。でも、”9割”この数字にその人の気持ちや思考が100パーセントあるかっていうとまたそうでもない。でも、また一方でその人にとって”9割”ってそういう存在だと思うのです。多分”9割起こらなかったらやらない”んだと思います。
そこで私の”1割まあまあ多くない?”を直接伝えるのは危険な橋を渡るも同然です。それも私は困っているし、リスクに対して確率やパーセンテージを用いるなら頻度やリスクとの兼ね合いが必要不可欠です。
例えば、医療現場で、死亡事故は100%起こらないをまず目指してほしいですよね。でも大災害などでは残念でもトリアージします。
もっと身近で言うと、もちを食べることへの死亡率。正月しか食べません、でも美味しいです。文化イベントにも重要です。例えば死亡率99%とした時、年1食べて99%、100年に1回なら食べたいなって私は思います。でも、それでも1%のリスクが死というなかなか人間人生にとって大きな出来事であるので、それならいかにただの誤嚥で済ませるかとリスク回避策を横に措置をして、でも、それでも食べようと思います。例えば、誰かいるときに食べるとか歳とったら小さく切るとか、そんなんかな。だってもちは美味しいから!!でも、、そうだな、70%って言ったら、やめるかなぁ。
そして、相談してその言葉が来たら、「そっかぁ、気にし過ぎかなぁ、ありがとう」とクロージングします。むしろきちんとクロージング出来たら自分を褒めてやりたいくらいです。
一方で、端的に先ほど言った通り多くの人が9割起こらないことは本当にしないことも事実あるんじゃないかなとも思います。それはある意味での賢さで私にない生きる知恵なので、やはり伝えてくれてありがとうと思います。
で!立ち戻ると、実際の相談事の不安や解消したい出来事って結局フォーカスされずに終わることってままあって、”9割”という数字、お前のせいだと、いちゃもんをつけたくなる日があります。
数字って抽出された何かですから、そこに抽出した誰かがいて、どんんなに正しく、もしくは正しそうなデータでも、抽出した目的と意図感情があるのです。有用だけど、町や生活で触れると疲れるなぁ。