『正月食べ過ぎる問題』の話
神保町裏路地日記(59)
2025/01/07㈫
37歳になった僕。先のお正月では、ついに例年とは違う過ごし方をすることに決めました。例年お店の最終営業日は12月30日で、翌31日には千葉の実家へ帰省して大晦日と元旦を過ごすと言うのが通例でした。今年はそれを改め、31日の大晦日は東京で休養日として体を休めてから、元旦と1月2日を千葉で過ごすというように変えたのです。これは妻の提案でしたが、終わってみればなかなかの妙案でした。
というのも、毎年12月は持てる力のすべてを使い果たしてしまう僕は、最終営業日が終わると体調を崩してしまうか、体調を崩さず大晦日に帰っても電源が落ちてしまったように寝たままになってしまうことばかりだったから。
昨年なんて休みになった瞬間に胃痙攣を起こして正月を棒に振りましたから。それを見る妻も母も親父も心配してるやら呆れるやらで「あいつ、家に帰ってきてから寝て、食って、トイレ行って、寝ての繰り返ししかしてねぇな…」と父に言われたのは結構面白ショッキングな出来事でした。
そんな反省を活かした今回の帰省。一日休んだおかげでパーフェクトコンディションになった僕は今年も実家の食材を食べ尽くす勢いでおせちやらお菓子やら、あらゆる物を口に入れ続けました。
だって、そこに食べ物があるから。
体調万全とは言え、20代の頃と同じようなペースでご飯を食べ続ければ37歳の体に影響がないはずがありません。「大丈夫大丈夫。うまいうまい。」と食べ続けた僕は見事に血糖値スパイクを起こしたのか、大好物のすき焼きを食べた直後に家族から「か、顔が真っ白だけど大丈夫…?」と心配される始末。「ヘーキだから。」と意地を張ってこたつの上のみかんに手を伸ばした僕は、結局その後寝正月を送ったのでした。どうやら原因は、食べ過ぎる僕の性分にもあったみたい。
それでも久しぶりの帰省。毎年地元の料理屋さんにお願いしているおせちのお重も、段ボールいっぱいのみかんも母が用意したすき焼きや親戚から頂いた蛤も、無心に食べられるなんて一年に一度しか無いチャンスです。これを逃す機会はない。なんて思ってしまうんだよなぁ。出されたものを食べ切れないなんて逆に失礼。みたいな。そういうところは子供の頃から変わりませんし、どうも実家に帰るとそれが出てしまうみたい。不思議だよなぁ。
実家のおせち。母の手料理、地元の料理屋で外食。
やっぱり千葉の食に触れる機会って大事だと思うんだよなぁ。一食一食、一口一口が貴重。そういう気持ちで食べてるつもり。結果、ノックダウン。今年も真っ白に燃え尽きるまで食べました。そんなお正月。
ちなみに4日5日と山に行きました。それもあって、食事量の制限をするはずだったのです。2日前から制限をしようとするものの、千葉の父母も、妻の父母とも食事をした僕ら。皆さんの目の前で「いや、食事制限しますから。そんなに食べません。」と言いながらお皿の料理を平らげる僕の姿は相当わけが分からなかったのではないかと思います。それを思い出しては、つくづく阿呆な息子だと反省するわけです。