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No.485 小黒恵子氏の紹介記事-51 (女流詩人が絵画展)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子氏の紹介記事 をご紹介します。

「野生」保護に資金作り 上野動物園長らが協力 
女流詩人が絵画展


 密猟や開発によって危機にひんしているサイ、オランウータンなどの動物や、熱帯の樹林―。これらの世界中の野生生物を保護する資金作りのため、川崎市内の女流詩人が、きょう三日から六日間、東京・銀座七の八の一〇、資生堂共同ビル二階のギャラリー「ロイヤルサロンギンザ」で、チャリティー絵画展を開く。同展には、作曲家の高木東六さんや上野動物園の新旧園長ら五人が絵や書を賛助出品する。関係者一同「美しい自然や貴重な野生生物を残す一助になれば」と、張り切っている。

 この女流詩人は、同市高津区諏訪一一一の小黒恵子さん(五三)。童謡の作詩が主な仕事で、これまで日本作詩大賞童謡賞を受賞したのをはじめ、六月二十一日には、アフリカの大自然と野生動物への愛の讃(さん)歌「飛べしま馬」(全十四曲、高木東六作曲)で、“子供の歌の芥川賞”と言われる「日本童謡賞」に輝いた。
 小黒さんは、根っからの動物好き。だから、詩のテーマもほとんどが動物。
 このチャリティー展を開くことにしたのは、十七年間も飼って来た愛犬のサモエドを失ったのがきっかけ。
 この悲しみの中から、「何か動物たちのために」と、考えぬいた末、趣味で始めた絵を売って世界野生生物基金(本部・スイス、加盟二十六か国)に寄付することにし、一年がかりで準備を進めてきた。
 ところが、この計画を知った上野動物園の浅倉繁春・現園長、古賀忠道・元園長、高木さんらが、これに賛同、次々と協力を申し出て、花を添えてくれることになった。とくに、元上野動物園長の林寿郎さんは、入院中の身なのに、かつて描いた油絵二点をベッド上で手直しして送ってくれたほど。
出品作品は、小黒さんの十五点と協力者の十五点の計三十点。水墨画、油絵、ペン画、書と、バラエティーに富んでいる。
 小黒さんは、寄付金の目標を百万円に置いており、チャリティー展の売上金だけで足りなければ、日本童謡賞の賞金などで補うというが、小黒さんは「皆さんが盛り上げてくれることになったのが本当にうれしい。今後、二回、三回と続けて行きたい」と目を輝かせている。
 なお、世界野生生物基金は、さる三十六年に発足。日本が加盟したのは十年前。集まった基金の三分の二は、自国のために、残りをスイスの本部で世界的な事業に使う仕組み。今年は、昨年に引き続き中国のパンダの保護を目的にした生態調査や飼育センターを建設する。
 昨年一年間に本部に寄せられた基金は約六億円。トップはスイスの約二億四千万円。ところが、経済大国のわが国は四百万円足らず。世界野生生物基金日本委員会(東京・千代田区、古賀忠道代行)では、「地球の宝を守るため、協力を」と呼びかけている。

読売新聞川崎版 昭和57年(1982年)8月3日 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1982(昭和57)年の新聞の紹介記事をご紹介します。(S)

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