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No.548 小黒恵子氏の詩-15 (花の時間)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回は、小黒恵子氏作の詩 をご紹介します。
「詩うた」(詩と音楽の会年刊詩集)に掲載された「詩」のうち、まだこちらのnoteで紹介されていない「詩」をご紹介します。

 この「詩と音楽の会年刊詩集88」には、ひと・人・自然(30作品)うた・謡・唄(19作品)めるへん・噺・譚(14作品)の計63作品が掲載されています。「花の時間」は、ひと・人・自然 の中に入っています。

花の時間
                      小黒恵子

心のなかに
乾いた風が 吹く日には
お花を 括けましょう

やさしい香りに つつまれて
心が やすらぐのです

美しい花たちよ
自然の厳しさを 通り抜けて
こんなにも やさしく咲くんですね
ほっかりと 暖かい灯りをともして

一人だけの部屋で
パチン パチンと 花鋏の音
なんの ためらいもなく
思いのままに
切ることができる 楽しさ
たとえ
誰がノックしても 入れない
わたしだけの 花の時間

1988年(昭和63年)2月20日発行 詩うた88  詩と音楽の会年刊詩集

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回も、詩と音楽の会年刊詩集「うた」から、「詩」をご紹介します。(S)

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