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No.502 小黒恵子氏の紹介記事-68 (「モンキーパズル」の保護きっかけ)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子氏の紹介記事 をご紹介します。内容は、今までと同じ様な内容になります。

「モンキーパズル」の保護きっかけ 子らのために組曲作詞
 
 熱海市伊豆山に生えている南洋杉のモンキーパズルの木の下に、昨年秋、「モンキーパズルの歌碑」が建てられたが、この歌を作詞した神奈川県川崎市の詩人小黒恵子さんが、熱海の四季を織り込んだ子ども向けの合唱組曲の歌詞をつくり、熱海少年少女合唱団に贈った。歌碑の詞も、かろうじて伐採を免れたモンキーパズルの木のために小黒さんが贈ったもの。一本の木の保護をきっかけに、今度は合唱組曲が生まれたわけで、同合唱団は創立二十周年の来年、この歌を発表する。

熱海少年少女合唱団に川崎の小黒さん 四季織り込み6曲 創立20年の来秋に発表
 モンキーパズルとは愛称で、本当の名はパラナマツ。ソフトボールよりも大きいマツカサをつける。昨年初め、宅地造成工事で切られそうになったが、所有者の電気工事会社経営牛島祐基さん(五七)が守った。同年二月、朝日新聞静岡版で紹介され、森林文化協会の機関誌「グリーン・パワー」に転載された。
 小黒さんはブラジル旅行で見たモンキーパズルをヒントに作詞。昨年六、七月にNHKの「みんなのうた」で放送された。「グリーン・パワー」で牛島さんのモンキーパズルの木のことも知り、歌詞を贈った。牛島さんが歌碑を建て、昨年十一月の除幕式で同合唱団が「モンキーパズル」を合唱した。
同合唱団の鈴木規雄団長が除幕式に出席した小黒さんに、「創立二十周年記念に組曲がほしい」と相談。小黒さんは熱海の四季折々の自然を背景に、明るく、詩情豊かな六曲の歌詞を五月初めまでにつくり、合唱団に贈った。熱海梅園で触れた「梅の花」、降ってもすぐ消える雪をうたった「淡雪の町」、糸川べりに咲く南の花・ダツーラの賛歌「花笛」、「海はともだち」、「白馬の海」、梅と同時に咲く「あたみざくら」。
組曲の総タイトルは「白馬の海」。秋風に吹かれて白く波打つ波頭を白馬にたとえ、源実朝の「箱根路を わが越えくれば 伊豆の海や 沖の小島に波の寄る見ゆ」を挿入している。合唱団と小黒さんの話し合いで、作曲家の小林秀雄さんに曲を依頼。来年九月、熱海初の合唱組曲の歌声が響くはずだ。
鈴木団長は「子どもの財産になるでしょう」と期待。小黒さんは「発表後、出版社から曲集が出されることも決まったので、全国の少年少女に歌われるでしょう」と話している。

朝日新聞 昭和60年(1985年)5月16日 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1986(昭和61)年の紹介記事をご紹介します。(S)

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