なぜ指定ルール制御が増えたのか
九州電力の出力制御の運用ルールが変更となり
指定ルール事業者の制御回数が増えたことを
2021年3月と4月の実績を比較して考えてみます。
●運用ルールの変更(おさらい)
2020年度までの運用方法だと
旧ルールの制御回数が30回を超えそうなため
2021年度より運用ルールが変更になりました。
↓ 2020年度までのルール
↓ 2021年度からのルール
●2021年3月の制御実績
九州電力送配電の出力制御回数実績から
2021年3月の制御量と
オフライン制御割合を算出してみます。
●2021年4月の制御実績
同様に2021年4月も算出します。
※公表されているデータは22日まで (5/7現在)
●何が変わるのか
現行ルールになり、
明らかにオフライン制御の割合が減っています。
これによって、
前日の予測が外れた場合の
過剰な出力制御を減らすほか、
電源構成の再エネ比率を向上できそうです。
オフライン制御は前日指示を受けて
当日の8:00~16:00を停止させるため
実際に太陽光の発電電力が
需要を超える時間よりも長く制御されます。
その分が減るかと思います。
(実際には現地に駆け付けての停止や
担当者による遠隔停止のため停止時間は
更に長いと考えられる)
需要がさらに減る時期は(GWなど)
オフラインの割合が増えると思いますが
今後はオフライン主体で制御量を確保せず
オンラインで確保していくように伺えます。
(社員でないので真相は知りません)
●疑問点
オンライン制御可能な太陽光発電所は
313万kW(全太陽光発電の31%)です。
4月19日と20日の制御実績を見てみます。
オフライン制御分を除くと
約200万kWを制御することになりますが、
実際には0%制御(313万kW)を
制御しているように受け取れます。
100万kWが過剰なのか、
誤差として制御されるべきなのか
太陽光発電の予測が向上すれば改善されるのか、
発電事業者としては
少しでも制御が減ってほしいところな気がします。
●オンライン制御
前述の通り、オンライン制御の割合が
全太陽光発電の31%しかありません。
全太陽光発電所が制御可能であれば
出力制御総量を最小限にできそうですが、
そのような日が来るのか
オンライン代理制御で代用されるのか
今後の制度にも注目していきたいと思います。
また、九州電力の出力制御については
過去にも調べたことがありますので
興味ある方はご覧ください。
それでは、また。