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沈黙していたのには理由あり

先日突然の発表がありました。来年度から公立中学校の修学旅行先をシンガポールにすると。ひとつ申し上げておきたいのは、議会も初耳学ということ。議会でこれまで一度たりとも検討してたフシの報告を聞いたことはありません。戸惑っております。


賛否両論

ここまで区民意見を二分するトピックは珍しいくらいの賛否両論っぷり。『いいじゃん素敵』『何考えてんだ』と、ぶっちゃけ真っ二つのご意見です。


今の時点で、良し悪しは既にもう議論の余地すらないのかもしれません。


なぜなら我々が来週から始まる定例会でかかる議案説明を受けているその間に区長発表ということで報道各社向けに発表が行われ、それがネットを中心に記事にされ、テレビ媒体でも放映され、いかにも既に『議会は了承した』前提で話が広まってるわけですから。ちゃいます、初耳です。


何度でも申し上げましょう。


これまで『修学旅行を海外に』というような発言が議会で議員からあったわけでもなく、『修学旅行を海外も視野に入れて検討してます』というような行政からの話は一度も議会で報告されることもなく、本当に突然降って湧いてきた話なので我々は、少なくとも自民党議員団はとても困惑しています。


とか言って、発表よりもっと早く、例えば1ヶ月くらい前に『やりますんで!』とコッソリ伝えられたらよかったのにと言う話ではないのはご承知の通り。


『ほーら、賛成/反対してみろ。評判悪くなって次の選挙に響くぞー』という思惑があるのかどうかは別にどうでもいいけれども、とかいって議員が保身で『自分、悪者にされたくないんで』となってもならん。一言いわしていただけるのでれば『今回が初めてじゃないけども、やり方が汚ねえ』です。※個人の見解です。


修正の余地はないのかどうか、我々にはもう正直わかりません。我々の意見は聞かれることなく、言ったところで反映はされる保証はなく、区民の意見を広くこれから募るわけでもなく、なんの情報もないまま『これも含めて諸々の補正予算は賛成ですか、反対ですか、議決いただかないといけないのでサッサと決めていただけます?』って、何かを人質に議会は2択の判断を迫られるわけで。


で、賛成しようが反対しようが、『あいつら賛成(または反対)しやがったひでえ奴だ』とレッテル貼られるわけですからね。難儀なお役目よのう…。


なので、最低限色々なことを時間が限られている中で確認せねばならないという判断をした次第です、我々自民党さんは。できる限りの情報を集め、判断材料を集める、これができることの最低限。


そういうのなく、『修学旅行は海外になります!』とはしゃいで情報発信する議員も少なからずいますが、何の確認もせず疑問を抱くことなく、言われたままに『あ、そーですか、みなさーん、そーらしいですよー』で済ませられない案件ではないでしょうかね。


議会のお役目ってなによ。


今回の問題点は2点

1. 事業化提案するためのプロセスが健全だったか
2. コストに見合った内容か

これに尽きる

我々議員、本来あれしてくれこれしてくれと言うだけではなく、行政のあり方をチェックする機関であるはずです。今回こそ、コレ発動するべきなわけですよ。


今回に限ったことじゃないけどもさ。


とにかく、我々は理由を求められます。賛成した理由も反対した理由も、区民のみなさんに聞かれるわけです。なんで?と。というかもう聞かれてますし、答えに窮してます。まずもって我々が納得できてる答えは現時点ではないものですから。


『いやぁ、区がそういってるからさあ』で終われない。そんなんなら議員なんて誰がなったっていいわけさ。むしろ、行政としたらそういう議員がいっぱいの方が楽チンですよ。手のひらでコロコロされてるのに気付かない議員が多いほど楽チンじゃないですか。


なんてことはさておいて。


区民文教常任委員会にて

自民党議員団で委員の方々と入念な色々打ち合わせをし、学校教育に関する管轄委員会にて

・賛否両論となることを想定していたか
・事業費の内訳は
・教育委員会や学校の校長会にはいつ正式報告や意見聴取したのか
・シンガポールとした根拠は

区民文教委員会にてまず確認できることを

などなど、質問をしてもらいました。一昨日のことです。しかしそれでも全然答えになってないわけで、困るんです我々も。というかすごく困ってるんです我々すでに。『こどもファーストですから』と、いつの間にやら港区は大々的な方針転換をされている模様。知らなかった。


ひとりあたり諸々諸経費引いて42万円とか、そういうのじゃなくてですね。『研修内容はこれから検討を進めていきます』『これから区民の皆さんにしっかりと説明をしていきます』と、フライングのように発表したけれども中身がまったく見えてないから議論点がズレるわけだ。んで賛否も分かれるわけだ。



今回のこの件が審議されるのは、実は総務委員会

学校関連のことだから区民文教委員会なのかと思いきや、議案としてあげられるのは『補正予算にかかわることなので総務委員会』というのがトリッキーなのです。


そう、みなさんが首を傾げそうなところのひとつはここなんですよね。海外修学旅行についての中身含めてより良いものにするためにあーだこーだ議会で揉むんじゃないの?と。違うのよ。


そんな隙すらないのよ、今回。


債務負担行為で5億ちょっと、事業者選定にかかる費用80万弱、この2つの予算的なお金審議だけなんです。しかも他の補正予算もまるっと全部混ぜたやつ。なのでこれだけ別に取り出してあーだこーだ議論されるものじゃない仕様になってる。区が上程してくる議案はね。


なのでつまり、『海外修学旅行は既定路線』。ここはもう絶対。なのである意味『もう決まりました、引っ込めません(議決次第だけど)』は正解であるのかもしんない。認めるのは悔しいんだけど。


反対したら別の話なんだけど、そうすると他のそれこそ『今やっていただかなくてはいけないやつ!』の予算も一網打尽で否決になるのさ。


でも我々、盲目的に『じゃー仕方ないかー、他の予算にも影響するから見逃しますねー、その代わりアレコレ指摘するとこはキチンと対応してくださいねー』となるべきか否か、ここも悔しいくらいに悩まないといけない。ここまでギリギリ歯を食いしばって悩んでるのは自分1人なのかもしんないと、被害妄想気味。


なので、せめて自民党会派としましては、会派で相談して諸々確認をする作業が精一杯で今できることと判断した次第。それからもう一度考えようと。先日の区民文教委員会の報告でモヤモヤしっぱなしのやりとりを改めて『議案審議のための判断材料として追加情報をくれ』というテイに仕立て上げました。


『事業が適正/不適正であることを委員会で確認しました』と判断するには、ここまでやんなきゃいけない。行政のみなさん、ここはご理解ください。そして区民のみなさん、我々のできることはここからです。『それだけか!』って言わないでください。



『まさかの自民党からのここまでの資料要求…!』であるに違いない

本日、総務委員会がありました。定例会案件の概要報告がありまして、その中で『議案審議にならない程度のご質問・資料要求などを』という認められてるお作法に従いまして、以下の資料要求を致したことをご報告いたします。


※この修学旅行案件はれっきとした『総務常任委員会のみにかかる案件』でありますので、例え内容が本来総務ではなく区民文教常任委員会にかかるものであったとしても、我々は審議に必須と思っておりますので、むしろこれがないと審議できませんので、お作法に従って資料要求をした次第であります。

1. これまでの国内修学旅行に必要とした費用と内訳

2. 学校ごとの各家庭から徴収する修学旅行費用、修学旅行参加してない生徒の人数、修学援助を受けている家庭数、各家庭徴収額等に関する意見・感想などをこれまで調査してればそのまとめ

3. 昨年度から教育委員会や校長会など外部に意見聴取しているということだったが、海外修学旅行に関する外部会議体の検討経緯(時系列)

4. 海外修学旅行に関する庁内検討経緯(時系列)

5. 約5億2千万円とされる費用の詳細内訳、事業費根拠となる予算算定書、見積もり写し、パスポートやスーツケース、生徒の国籍によっては入国ビザが必要となるなど、海外修学旅行に新たに必要とされる物についてどのような対応をするか見解を示したもの

5. 事業者に支払う経費の中で「プログラム代企画料」の詳細及び、港区が研修プログラムを事業者に委託する理由

6. 教育委員会事務局から上程された事業と予算要望を財政課はどう判断し、そのまま了承したのか、増やしたのか削ったのかなど、財政課の検討と結果のまとめ(時系列)

7. これまで教育関連費用で様々な要望が出されている中、ほぼ同額の来年度の給食費不徴収の継続の検討も結論も出されていない中で修学旅行を優先させたこと、国内修学旅行の家庭負担の減額含め検討すべきことがあったのではないかと考えられる中で、海外修学旅行事業を最優先としたことの財政担当の見解

8. 事業者選定の方法の詳細・費用内訳

9. 定例会開始前、9/5付で教育委員会から各学校、各学校から保護者宛てに海外修学旅行実施のお知らせが配布された経緯

最低限の確認作業はします

なお、総務委員会内ではこの議案に関してリスト作ってまでの資料要求は自民党だけであったことも併せてご報告いたします。


決してイジワルでも嫌がらせでもありません。区に説明責任があるように、我々議会も責任があるのです。


9/1に発表され、その直前に通達はあれど、9/11から約1ヶ月の定例会の中で補正予算審議一発勝負(9/14〜9/19くらいの前半日程)はあまりにもタイト。9/4に区民文教常任委員会での事業報告質疑、そして本日9/6の総務常任委員会で本番審議のための資料要求、これが定められたスケジュールの中でできる精一杯。


というご報告。以上。

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