シンガポール修学旅行の件
議会では長い審議を経て、結論としましては、シンガポール修学旅行は調査特別委員会を設置して、継続して議論を進めていくことになりました。
これまでの経緯
これまでの経緯はコチラ↓でご確認いただくとして、
長く、紛糾した審議
などなど、様々にご意見をいただいた海外修学旅行の件。もちろん賛否両論ですので、やるべしと言ったようなご意見も頂戴しています。
などなど、本当に様々でした。そして我々のところには賛成反対両方のご意見がものすごく。
人によっては一方に偏ったご意見もあったようです。賛成しかない、または反対しかないのように。どなたかは言ってましたが『比較的シニア層は反対で、比較的若め層は賛成』と。ちなみに私のとこには老若男女、当事者の中学生からお孫さんが当事者までの全年齢で本当に半々くらいだもんなあ。シンガポールより京都行きたかったなあ…っていう中学生だっていたもの。
34人の議員、それぞれ本当に色んな意見を頂いていたようで、それを受けても受けなくとも賛否は分かれてました。
大体この4つだと思います。34人、全員必ずこのどれか。誰がどうとは言いませんし、中と外で言うことは議員は違いがち。それでも自分は正直に言いますが、私は最初から最後まで3番目でした。これまでのエッセイ全部読んでいただけてた方はおわかりになると思う。1000%葛藤。
プロセス論
とにかく色んなことが不明だったこの件。自分が初めて聞いたのは8月下旬でした。その時ぶっちゃけ言いましたよ、やり方があまりにもおかしいから発表なんかしないで考え直してくれと。そのくらいのものでした。
いくら去年の段階から検討はしてたと言われても、学校や教育委員会に一方的に伝えたのが6月〜8月、6月なんか改選後議会開かれてましたし、そのあとだって委員会も月イチで開かれてましたし、そもそも当事者にも保護者にも話があるわけでもなくそういうの全部すっ飛ばして『第3回定例会の目玉にしますんで』はないでしょうと。
ひょっとしたら行政にしたら議会は追認機関だと思われてるのかしら、と。そのくらい、いわゆる『議会軽視』というのに等しいのではないかと、そう感じていた次第です。
あっ『何が議会軽視だ、アンタらそこまでお偉い存在か!?』ってなご感想はこの際グッと堪えていただいてですね…?
委員会で確認からの矛盾
本来教育について議論をするべき区民文教常任委員会、そしてそれをすっ飛ばして補正予算にあがっちゃったためにお金審議する総務常任委員会。この定例会で開かれる委員会ですが、まぁものの見事に紛糾。
区民文教『これこれはAです』
総務『Bだと聞いています』
こんな感じに答弁がチグハグしたりするのはもう驚かない。
区民文教『Aと考えています』
総務『Bになるよう検討します』
常任委員会のメンバー委員も異なるので、同じ時間に開催している委員会だと何が正解だかわからない。で、しかももう片方の委員には伝わらなかったりするわけですよ。そりゃみんな怒りますよね。
そうですね、例えばの話をしますとね、
とまあ、こんな感じ。なお、結局誰も正解がわかんない。情報が一元化されないわけですね、2つの委員会で異なるメンバーであーだこーだやってても。
中学生と保護者アンケート
これは急遽実施してもらいました。9/15だったかな、委員会審議の時にお願いしたんですよね。せめて中1と中2にはヒアリングはすぐにするべきと。そしたら中2に絞って実施してくれました。本当はそんなのずっと前に意見として集めておかなきゃいけないものだとは思うけど。
当事者と保護者の生の声といいますか、まぁ色々なご意見ご感想ありました、もちろんポジティブ・ネガティブ両方で。
自慢したいだの、英語使うの楽しみだの、英語なんか上達するわけないだの、スマホ持ってくの許可して欲しいだの、良いホテルに泊まりたいだの、飛行機が怖いだの、国内が良かっただの、誰がこんなの決めたんだだの、嬉しいだの、もっと別のことにお金使うべきだの。リアルな声ですよね。
ユニバーサルスタジオ行きたいという中学生の希望を目にして『…やっぱ中学生よね』と思い、海外旅行は家では厳しいので子供の可能性を広げてくれるチャンスをありがとうという保護者の意見を目にして『…ですよね』と思い。
最初に修学旅行の事を聞いてから1ヶ月半近く、複雑な感情で葛藤する日々を送ってきた次第です。みんなそうだと思う。
感触としたら「う〜む……」が半数以上
議員でも各々両手をあげて大賛成という人は、正直とっても少数派だったと思います。ゼロではない。
怒号が飛び交い、嫌味が飛び交い、そんな議論が各会派であったところも1つではなく。少なくとも自民党議員団では相当な話し合いしました。
詳細は省略するとして(ややこしい)、委員会で質疑をすればするほど疑問しか出てこないし、本当にそれでいいのか判断に困る上、理解するにも難しい役所のロジック。それでも結論として、『事業者選定プロポーザルをやらんとわからんことはあるよね』というところまで落とし、『付帯意見を付けて、補正予算は賛成してあげます。でも事業者選定に関しても疑義はまだまだあるから、継続して話し合いはするよ』という意思表示。
賛否は分かれたけれども、これなら概ねほとんどの会派が『……まぁ』とするところまで話合いをして、議会の意思として過半数という結論になりました。もちろん、『付帯意見をつける事すらよろしくない』と考える議員もいますし、『付帯意見じゃ生ぬるい!』と考える議員もいます。
これだけ一方的に世間を騒がせ、賛否両論のご意見を港区内外からも頂いているわけです。ただ、我々全員が『当事者の中学生に後ろめたさを感じさせないようにしなきゃいけない』にシフトせざるを得なかったことはご理解ください。これはみんな同じキモチ。
海外修学旅行調査特別委員会
煮え切らない押し問答が委員会で続き、でも時間が全然ない。『もうこの際、特別委員会立ち上げちゃおう。この件に関してはそこでじゃんじゃんやろう』という議長発案で、全会一致で特別委員会を急に立ち上げることになりました。そうだ、その案があったか。
「所管の委員会で質疑・了承の上、執行されたい」
ここですかね、キーワードは。「報告しました」「質疑の場を設けました」とし、こちらの要望等がまったく検討されずにシレーっと進めていかないように。
ここで喋っているのが、私のキモチのすべてです。同じように感じてくれてる議員も、多分いる。
5億2,000万円どころじゃなくなる…かも…?
全体の事業費というものが実はまだ出ていません。今回の議案で補正予算という形で挙げられている事業費がこのくらいで、ここに含まれていないものも実はまだあることがわかりました。
そして委員会などでの質疑が進むにつれ、もっと丁寧に子どもたちをケアした方がいい等の意見がたくさん出て、費用負担にしろ経済的ではないケアにしろ、そうするともっと費用が嵩む可能性があります。ほら、例えば人件費とか。
もちろん、無駄なコストは省いていこうとみんな思ってますし、事業者選定もしっかりとした基準を目的を設けてプロポーザル実施すべきで、そうするとコストが抑えられて中身がとても良いものができるかもしれませんしね。そういうところを議会としても責任と覚悟を持ってやっていこう、議論を続けていこうということになっています。
コストコストとなりますと、例えば区立小中学生が40名ずつの選抜メンバーで行ってるオーストラリア海外派遣事業。あれ、ひとりあたまでいいますと、100万円ほどかかってます。
誤解してほしくないのは、決して「行かせないぞー」ではありません。「自信をもっていってらっしゃい」と送り出してあげるために、そして納税者のみなさんにご理解いただけるように、特別委員会で今後もっと内容を確認していきます。不明点をあぶり出し、みんなに納得いただけるように、知恵を出し合っていきます。
苦しかった決断をご理解ください。そして、港区議会が決して「ただ賛成した」と決めつけないでいただくことを切に願います。