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アボカドかアボガドか。ボーノかヴォーノか。

先週の日曜日、散歩していて見つけたできたばかりのカフェにふらっと入ると、コーヒー器具を並べて売っているコーナーがあった。

そこに、以下の商品が並んでいた。

商品名は「ドリップケトル・ヴォーノ」で、
ドリップコーヒーを淹れるために注ぎ口がストローみたいに細く、スラッとした曲線の形をしているもの。

上に書かれている英字つづりを見たときに、「『Buono』なんだから、『ボーノ』じゃないの?」と思った。

”buono”はイタリア語で「おいしい」という意味の形容詞で、コーヒー文化のイメージが強いイタリアの言葉なので、ドリップケトルの名前に冠されているのも納得できる。

でもやっぱり、”buono”から取っているなら「ヴォーノ」というより「ボーノ」なのでは?

今の日本語には外来語以外で「ヴ」が登場することは原則的にない。
そのため、本来”v”で始まる語をカタカナに輸入するときに「ヴ」ではなく「ブ」を使うというケースはよく見る気がする。

例えば「バイオリン(violin)」「アクティブ(active)」「オリーブ(olive)」などで、別にヴで書いても問題はないけど、なんとなく「敢えて『ヴ』を選んでいる感」が醸し出される。

少し話は変わって、例えば”avocado”が「アボカド」ではなく「アボガド」と表記されることもあるらしい。
外国語をカタカナで日本語に輸入するときに、濁点がなくなってしまうという現象がときどきある。(例えば「バッグ(bag )がバックになる」「ベッド(bed)がベットになる」など)

そうすると「これには濁点が付いていないけど、本当は濁点が必要なんだ」という修正の意識が芽生え、本来濁点がなくて正解のものにも濁点が付く現象が起きる。これには「過剰修正」という名前がついている。

英語ではハイパーコレクションというらしい。技名のようでかっこいい。

現象として知ってはいたけれども、初めて実物というか、その現場を見た気がするので記録しておく。

万が一、これが過剰修正ではなく、商品名の由来が"buono"ではないとか、"buono"は実は発音記号上は"v"に近い発音なんだとか、そういうことだったら、心からすみません。


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