世界初!豊橋市で次世代ワイヤレス給電を活用した電動キックボードを使ってみた〜初めては難しい?乗り方のコツは?おすすめルートも紹介!
2024年1月13日(土)~2月12日(月)の期間限定で愛知県豊橋市の駅前エリアを中心に次世代ワイヤレス給電を活用した電動キックボードの実証実験が行われています。
どうやら世界初らしいこの取り組み。「次世代ワイヤレス給電」を体験するのはもちろん電動キックボードすら初めての筆者が実際に使ってみた様子や気を付けたいポイント、初めて電動キックボードを乗る方にもおすすめしたいルートをレポートします!
そもそもどんな実証実験なの?をざっくりと
一般の方が利用する公道で電動キックボードの給電を「電界結合式システム」という次世代の技術を使ってやってみよう!という取り組みです。
この電界結合式システムを開発しているのが豊橋技術科学大学発のベンチャー企業である株式会社パワーウェーブ。2023年には週刊東洋経済の"すごいベンチャー100"に選出、CNBベンチャー大賞にて最優秀賞、スタートアップ経営者を対象としたイベントで総合優勝&スポンサー賞を受賞という注目の企業です。すごい!
※参考:実証実験のプレスリリース
電動キックボードのシェア自体については国内最大手LUUPのシステムを使用。LUUPは大都市を中心に展開しているサービスなので、豊橋市でLUUPのサービスが使えるのも今回の実証実験で初めてのことです。
いつ乗れるの?
実証実験の期間は2024年1月13日(土)13:00から2月12日(月)17:30まで。初日と最終日を除いて24時間利用可能です。
料金は?
30分ごとに税込200円、アプリへ事前に登録したクレジットカードでの支払いとなります。
どこで乗れるの?
今回の実証実験で設置されたLUUPのポート(電動キックボードを乗り降りするところ)は豊橋駅前エリアを中心とした4箇所。
土地勘がないと距離感がピンとこないかと思いますが、
・①と②は徒歩で楽勝
・①から④は歩ける範囲だけどちょっとだるい
・③へは車か市電(路面電車)じゃないと行きたくない
くらいの感じです。
乗るぞ!という前にやっておきたいこと
前置きはこれくらいにして、実際に乗ってみたいぞ〜と思ったあなた。ポートへ行く前にちょっとした準備をしておきましょう!
アプリで利用登録する時に準備するもの
・年齢確認用の運転免許証やマイナンバーカードなど(必須)
・支払い用のクレジットカード(必須)
・時間(10分〜30分くらい)
まず、LUUPのアプリをスマホに入れて名前やメールアドレス、生年月日など基本的な情報を入力します。
初期設定の後、電動キックボードに乗るには「クレジットカードの登録」「運転免許証などでの年齢確認(※)」「交通ルールテストの合格」が必要です。
※2023年の法改正により、最高速度20km以下の電動キックボードは16歳以上であれば運転免許証なしで運転できます
「簡単にレンタルできちゃって安全性は大丈夫なの?」と思っていましたが、乗る前に電動キックボードの法律など必要な知識はこの「交通ルールテスト」で試されるようになっています。(テストの前にアプリで勉強することもできます)
テストの問題は10問程度で10分もかからずに回答することができますが、1つでも間違えるとやり直しなので、ナメてかかると寒空の中ポートの中で何回もテストを受けるハメになります。わたしのことです。あたたかいお家で事前にクリアしておこう!
家を出る前に準備しておくといいもの
LUUPで電動キックボードをレンタルする際、最初と最後にアプリでの操作があります。また、乗っている最中にもアプリは起動し続けるので、スマホはしっかり充電しておきましょう!ヘルメットなどでの安全対策や手袋などの寒さ対策も忘れずに。
また、アプリの地図を確認することで「どのポートで電動キックボードが何台借りられるか/返せるか」がわかります。「ここで借りようと思ったのに行ってみたら機体がなかった!」とならないように事前に確認しておきましょう。
ポートに到着したら…
理由は後述するとして、わたしは「こども未来館ココニコ」のポートから借りてみることにしました。場所は施設向かって右側の駐輪場の少し奥。
ヘルメットは法的には必須ではありませんが実証実験では着用が推奨されています。持ってないな〜と思っていたらポートで借りることができました。うれしい。
基本的な操作や乗り方について
利用を開始する前にアプリから読める「はじめてガイド」はあらかじめ目を通しておくと良いでしょう。(PCからならコチラ)あらかじめ家で読んでおいてもいいのですが、実際の機体が目の前にある状態で読んだ方がわかりやすいかなと思います。
利用を開始しよう!
好きなものを選んでアプリからQRを読み取るとライドを開始できます。(アプリから機体ごとの充電量がわかります)スマホは機体のハンドル部分に取り付けるのですが、締め方が甘いと走行中に振動で落としそうになるのでしっかり固定しましょう!!
初めての電動キックボード、乗り方のコツは?
はじめてガイド等に書いてありますが、電動キックボードは乗り始める時に少し足で蹴って助走をつける必要があります。(地面を足で蹴って自転車に乗る時の感覚に似てます)
アクセルは右手の親指でレバーを押し込んで操作することになりますが、慣れるまで押し込み過ぎてアクセルが効きすぎてしまう場合があるので最初は交通量の少ないところで乗ってみるのがおすすめです。
ここで!なぜ今回「こども未来館ココニコ」のポートを選んだのか? それは、ここは4カ所の中で1番交通量が少なそうだったからです。一方通行が多いので気をつけないといけませんが、初めての電動キックボードでも大きな不安なく乗ることができました。
ココニコからのおすすめルート
今回はどこか目的地があるというよりは「電動キックボードに乗ってみる」というのが目的だったので、できるだけ安全そうなルートで往復20分ほど乗ってみました。
ココニコのポートから北へ向かうと国道23号線を横断して(横断歩道は機体を手で押して歩いて渡りましょう!)豊川(とよがわ)沿いまで行くことができます。
適当なところで折り返しましょう。このあたりは自動車レーンも多いので走りやすいです。
電動キックボードは思ったより軽く、横断歩道や危なそうで歩道を手押しで歩きたい時にもストレスなく動かすことができました。
一時的に止めたい時には自転車みたいなスタンドを使えます。(さっき書き忘れましたがポートから出す時にスタンドを上げて使い始めます)
アプリから操作するとロックをかけることもできます。(利用時間のカウントは止まりません)お買い物などする時には盗難防止のために必ずロックをかけるようにしましょう!
返却時はポートまで戻って枠の中に機体を立てたら、アプリを操作して手続きを行えばOK。簡単ですね!
お気づきになっただろうか
さて、ポートの写真を見てなにか気づいたことはないだろうか?
ピンと来ていない方はここで一度考えてみてほしい。
・・・・・・・・
はい、正解は「肝心の次世代ワイヤレス給電はどこ?」です!
冒頭のプレスリリース(外部リンク)をきちんと読んだ方はお気づきかもしれませんが、今回の実証実験で使う電動キックボードのうち、すべてではなく5台がワイヤレス自動給電対応車両なのです。ココニコにはなかった!
ワイヤレス自動給電している様子を見たいよう!と思って豊橋駅南口広場のポートを探したら…
ありました!こちらがワイヤレス自動給電の装置です。想像よりシュッとしていましたね。
せっかくなら次世代ワイヤレス給電されたエネルギーで走りたいぞ!という方は少なくとも南口広場のポートから借りればよさそうです。 (残り2箇所のポートはまだ確認していません)
走りやすそうなおすすめルート
今回はココニコ〜豊川沿い(とよがわ)の往復しか走っていませんが、電動キックボード初心者でも走りやすそうなルートを考えてみました。条件は以下の2点です。
① 交通量の多い道路は走らないで済む
② できるだけ走って面白い街並みである
ココニコ〜萱町通り〜豊橋駅南口広場もしくはemCAMPUS
豊橋駅前エリアは、愛知県道143号豊橋停車場線(通称:駅前大通り)と国道23号という東西にはしる大きな車道があります。ここは絶対に電動キックボードで走りたくないです。
そこでおすすめなのは、大きな移動には南北の車道を使うことです。ココニコのポートから少し移動すると萱町通りという綺麗な道に出られます。
萱町通りはココニコ付近から駅南エリアの水上ビルまで続く道路で、長年のヒアリングや市民ワークショップを経て新しいストリートデザインがなされたところ。自転車レーンもしっかり整備されています。
レトロな喫茶店や素敵なアパレルショップなど萱町通りにはいろいろあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
途中で駅前大通りに出ますが、ここで曲がらずにそのまま直進しましょう。(横断歩道は手で押して!)水上ビルまで来ると少し交通量が減るので(少ないわけではないので注意)左折してemCAMPUSに返却するか、右折して豊橋駅南口広場へ返却するとちょうどいいと思います。
水上ビルの散策を電動キックボードでするのはどうかな?と思いましたが、個性的なお店がひしめく水上ビルはゆっくり歩いた方が魅力がありそうなので、返却してから散策するとよいのではないかなと思いました。
豊橋駅南口広場〜emCAMPUS
土地勘のある方ほど「いやこの2つは近すぎない?」と思うことでしょう。わたしがおすすめしたいのは水上ビルよりも南のエリアです。こちらもココニコ付近のように比較的交通量の少ないところなのですが、隠れ家的な食堂やカフェなど「歩いて行くにはちょっと遠いけど、車で通ると見逃してしまいがち」なスポットがありますよ。
豊橋市役所付近の小道(もしくは〜ココニコ)
豊橋市役所の前もまた国道1号という絶対に電動キックボードで走りたくない道路ですが、一本入るとグッと交通量が減ります。すぐ近くだと豊橋ハリストス正教会や安久美神戸神明社本殿のある小道は楽しいんじゃないかなと思います。
国道1号よりも南に渡ったエリアも個人的に好きな街並みです。このあたりから駅方向へ東海道を通って行くとココニコに着くので、こちらへ返却するルートもありですね。
※上記ルートは豊橋市民目線での走りやすそう&楽しそうなルートですが、まだ実際には未検証です。やってみたら追記しようと思います。
初めて電動キックボードに乗ってみた感想
今回はお試しライドではありましたが、「徒歩ではめんどくさいなっていうくらいな距離感のところに」「あまり疲労せずに」「車よりもゆっくりスピードで動ける」ことで、ちょうどいい気分転換や新しいお店の発見になりました。(今回は特に細い道を選んだので目立たないお店の発見につながったのかも)
登り坂はマジでラクラクでした。電動ってすごーい!スピード感は慣れかと思いますが、今回20分くらいのライドでも(ビビリのわたしが)それなりに慣れられたのでだいたいの人は大丈夫かなと思います。
初回登録クーポンは使えないので注意
LUUPの初回登録を行った時、30分無料ライドのクーポンが発行されたんですがライドしようとした時に使えず…どういうこと?と思っていたら、注意書きをよく読んだら「初回登録クーポンは大都市圏でのみ使える」とのこと。今回の実証実験では使えません。
もしもの心配には…
正しい使い方をするのが前提としても、やっぱり「もしも事故などが起こってしまったら?」という心配がありますよね。LUUPでは利用中の事故であればユーザーに対して損害保険が適用されます。(保険料は利用料金の中に含まれています)
西駅側の散策には?
今回の実証実験では、豊橋駅東口側のエリアが対象になっています。しかし、反対側のいわゆる「西駅エリア」も散策したいぞ〜!という方は、新しく始まった中部コインのレンタサイクルがおすすめです。
移動が変わると世界が変わる?
長々と書いてしまいましたが、この豊橋で電動キックボードのシェアリングサービスを使える(しかも次世代ワイヤレス給電!)というのは貴重な経験でした。
今回の実証実験以外でもマルシェイベントなど豊橋駅前エリアのさまざまな施策で市民は回遊させられがちというあるあるがありますが、(その是非は置いておいて)歩きで回遊するとめちゃめちゃ疲れますが電動キックボードは負担が少ないので(走りやすそうなルートを吟味した上でなら)ちょっと普段は行かないようなところも行ってみようかなという気持ちに確かになりました。
電動キックボードの一般的なイメージとしては「早くて安くて便利!」というところかなと思いますが、個人的には「徒歩でもない自転車でもない車でもない」移動によって "まちの見え方" が変わる楽しさがあるのではないかなと思いました。
実証実験は2月12日(月)17:30まで行われます。多くの方が参加することで、ゆくゆく本当に世界を変えるような結果を生み出す…かもしれません!
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