3回目 『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』
映画を語ろう。
3回目は『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』です。
ガンダムシリーズにはあまり興味を持てないわたしが、唯一全話視聴したガンダムが『機動戦士ガンダム SEED』と『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』。
なぜか。
キャラクター(主にアスラン・ザラ)がかっこいいから。なおMSにはまったくと言っていいほど興味がないので、残念ながらどれがどれなのかもほぼ把握できていません。ジャスティスとアカツキは解る、というレベル。
そして、おそらくこのSEEDシリーズに対する解像度がめちゃくちゃ低い。
でもすごく好きな作品で、お休みが重なったこともあって、初日に観てまいりました。
すっごく面白かった!
この興奮が醒めないうちに、記事にしておきます。
なお、わたし自身の作品に対する解像度が低いため、作品名タグからいらっしゃった皆様、ご期待に添える内容ではない可能性の方が高いです。ごめんなさい。
以下ネタバレがあります。
また、この作品のファンにとっては不快な内容が含まれている可能性がありますことを、予めご承知おきください。
それから、こちらの記事は、のちのち修正するかもしれません。
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
『機動戦士ガンダム SEED/SEED DESTINY』の世界
単純化するならばナチュラルとコーディネーターが対立して戦争を繰り返している世界です。実際にはそこまで極端に単純化できないのでやや解りにくいところがあるお話なのですが、戦争のない平和な世界を目指しましょう! というお話だと、わたしは認識しています。
今作は1回観ただけで、ストーリーはちょっと把握しきれていない自覚はあるので、ストーリー展開に沿って思ったことをつらつら書きます。
キラが隊長だと?!
はい。真っ先に思いました。
戦いたくないって常々言ってた人が隊長だと?! しかもシンくんに「隊長」って呼ばれて懐かれてるし。っていうかこの「隊長呼び」で脳裏を過るハイネさんの科白。仲間外れか?
なんてことに気を取られている暇もなく、ストーリーはがんがん進んでいくので、ついていくのが大変だった。
ラクスは世界平和監視機構・コンパスの初代総裁ってことだけど、なんというかこの「世界平和監視機構」って名称が、ねえ……。
とりあえずキラとラクスの関係そのものには変化がないってことにほっとして、ピンクちゃんが変わってなくて喜ぶ。
戦闘シーンはただすげーって思いながら観てました。
そしてアグネスちゃんね。
ルナマリアとたびたび衝突してたのも、のちのちの展開ありきだったのかな。
で、アスランは?
ファウンデーション王国
新興国・ファウンデーション王国からブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案されてそこへ赴くラクスたち一行。ラクスと宰相・オルフェが握手したときの演出からしてもうアレな感じ。ブラックナイツとかいう奴らも胡散臭いし。さらに、オルフェとラクスのダンスからその後の流れがもう不穏。ルナマリアとアグネスちゃんの言い合いさえ清涼剤に感じるくらい。
オルフェの話ってまんま「ディスティニープラン」じゃん、って思ったらほんとにそのままでびっくり。
のちのちファウンデーション王国のブラックナイツの方々はテレパス能力的なやつがあるって判明するんだけど、オルフェもラクスにそれを使ってたって認識でよかったのかしら?
ところでアスランはまだ? ちらっとは姿を見せてたけど。
アークエンジェルぅぅ!
合同作戦は罠でまんまと嵌められた上にラクスは奪われ、あのアークエンジェルまで失ってしまってめちゃくちゃショック。
そして待ってたよーアスランー!! わたしはアスランを観に行ったと言っても過言ではないので。
ラクスが奪われてうじうじしてるキラをこてんぱんにしちゃうアスランもよかった。
結果キラも無事? 立ち直って、オーブの協力でどうにか立て直してラクス奪還へ。っていうか相変わらずオーブすごい。何か特殊な産業でもあるのか? 技術売ったりしてるのかな。
連れ去られたラクスはオルフェに対して、なんかずーっと「愛」について語っていた印象。オルフェがゲスなやつじゃなくてよかったよほんとに(本編では描かれていないだけでゲスい可能性もなくはないが)。
シンくん大活躍すぎて
個人的には今作MVPシンくん。何も考えてないとか散々な言われようだったけど、それはそれ。DESTINYでは不遇な主人公だったので、今回シンくんの魅力全開で非常によかった。
ただ、シンがあのテレパス的なやつで攻撃されかけたとき、ステラが出てきて守ったシーンを「ギャグ」と評している人がいて哀しかった。闇が深い、の表現のひとつとして素直に受け止めちゃった人間としては。
あれはステラがああいう感じになっちゃってるんじゃなくて、シンくんの思念に働きかけた方が見た「幻影」で、シンくんの痛みや哀しみの「闇が深い」からああだったんじゃないのかなあと。
そんな深い闇を抱えつつあのキャラって、シンくん強い。
それから、ルナマリアとアグネスちゃんの対決で、ルナマリアがちゃんとシンくんを好きでいてくれてよかった。っていうかシンくんの安否が不明な状況で本気で心配してたし、ちゃんと好きなんだろなとは思ってたけど。
アスランはね。もうね……、強かったから許すよもうお好きにどうぞ。
ラクス自らキラの元へ向かったのは、わたしは好きだった。スーツは概ね不評ですね、同意しかない。
最後、キラの隣でラクスが「承認します」とか言ってるの、もうあなたたちふたり一緒なら何でもできちゃいますね最強ですね感がハンパなかった。ラクスの思念? を読み取って、って頭こつん、てしたのは可愛かったけど。
戦い終わってルナマリアがアグネスちゃんを助けたのもよかった。ルナマリアってDESTINYではアスランにちょっかいかけてきて好きじゃなかったんだけど、今作でシンくんの株爆上がりに伴ってルナマリアも好きになった。かわいい。
イザークとディアッカもいい役どころで非常によかった。ニコルくんも浮かばれたかしら。
不可能を可能にする男も健在で何より。いやでもあれを可能にするってどうよ。すごすぎじゃない?
キラとラクス、アスランとカガリ、シンくんとルナマリア、ムウさんとラミューさん、それぞれにちゃんとおさまってくれてたのが、ほんとによかった。
もっとアスランとカガリの直接的な絡みが見たかったけど、最後、お互いに首飾りと指環を見せ合ってたから、よしとします。
総論
2時間に詰め込むにはボリュームがありすぎた気もするし、ジェットコースターみたいな目まぐるしい展開で最後まで飽きずに観られたのでよかったような気もする。
ラクスってSEEDの頃から、なんていうか人間を超えた人間って感じだったけど、今作を観てなるほどねえという感じ。でも今作が一番、人間らしかったよねラクス。悩んだり苦しんだりして。
カガリはカガリで代表がんばってる感がすごくよかった。わたしは推しの推しも推すタイプなので、カガリががんばってると応援したいし笑ってるとうれしい。DESTINYでは曇った表情のカガリが印象に残ってたし。
キラはまあ、これでこそキラですよね、としか。みんなが弱いからとか言っちゃうあたり残念なんだけど、その残念なところがキラの原点。ラクスはどうしてあんなにキラが好きなんだろう? アスランもちょっと面倒そうだけどキラってもっと面倒そうなのに。
わたしが結局アスラン一択で、キラなんかよりアスランがいいじゃん、と思ってるからかもしれない。
オルフェの人物造形については、母の愛に飢えた子ども、ってことなんだろうなあと思って、だから彼はラクスの愛っていうか母性がほしかったんですかね。彼が壊れてたってよりは女王・アウラが壊れてたってだけのことで、そういう視点で見るとブラックナイツの全員が、多かれ少なかれみんな壊れてたんでしょうね。彼らはDESTINYのステラたちと似たような立ち位置に思えて、それはかなりかわいそうに思った。わたしなぞにかわいそうがられたくはないかもだけど。本人たちは、自分は優れていると思ってただろうし。でも、設定として安易じゃないのと思わなくもない。
敵役としての解り易さを否定するつもりはないけど、みんなわりとあっけなく負けてしまったので、キャラ造形がブレるっていうか。覚醒したキラたちがすごいんだぜってことの現れなのかもしれないけども、この辺掘り下げられなかったのは詰め込みの弊害かもしれない。
詰め込みの弊害はたぶん、登場人物それぞれの「物語」の掘り下げができてなかったよね、というところにも現れてて、その中でもシンくんはすごくよく表現してもらってたんじゃないかな。キラもラクスも、オルフェやアグネスちゃんからのあの程度の揺さぶりでどうにかなっちゃうような間柄じゃなかろうに、と思ってしまった。
そもそもキラとラクスが恋仲になった理由とかきっかけが解らない、というような意見も見たんだけど、好きになるのに秒もかからないこともあるだろうから「好きになった理由やきっかけ」なんてどうでもいいとさえ思うんだよね。単純に顔がいいとか声が好きとか、直感とかかもしれないから。
だからこそ、どうしてそこまでお互いを愛しているのか、みたいな、ドラマを観たかった。
あとこれはどうしても言いたかった。
MSとっかえひっかえするのはほんと勘弁してほしかった。
SEEDシリーズは最初からそういうタイプの作品みたいなので(新型MSが登場して機体が空いたら別な人が乗るイメージ)、それがウリなのかもしれなくて、だからSEEDシリーズ好きならこれは言っちゃならん言葉なのかも。今作はアスランがズゴックに乗っててくれて助かった。あれガンダムじゃないからわたしでも解る。というかSEEDシリーズでは『ガンダム』って機体名じゃないってことなので、ズゴックがガンダムじゃないとは言い切れないかもしれない。
SEEDシリーズが好きな方は、ふんだんに散りばめられた小ネタを拾うために観た方がいい作品。映画館じゃなくても、って人には無理には勧めない。円盤を待つもよし配信を待つもよし。
わたしはあの凄まじい戦闘を体感するために4DXでも観るつもりです。
2月25日:追記
2月18日に観たライブビューイング、2月25日に観た4DXの感想など追記。
ライブビューイング
玉置成実さんと西川貴教さんのライブがすごいよかった。
オーディオコメンタリーリレーのボリュームがありすぎて、コメンタリー聞こうと思うと本編が入って来ないし、本編に集中するとコメンタリーが入って来ないという、なんという贅沢。
コメンタリーの内容は各所でレビューがあがってるのでそちらをご参照ください。
ハロちゃんのペンラが欲しかった。
行ってよかった、とても楽しかった!
4DX
とにかくずーっと揺れてました。
ノイマンさんの操舵の腕を実感できるのは本当によきでした。
MS戦がね……光と風と揺れのオンパレードで、ちゃんとマリューさんの指示に従って衝撃に備えてきました。
ちょっとお高いんだけど、また行きたいレベルで楽しかった!
アスカガ推しとしてはどうしても触れたい、アスランとカガリのこと
合計3回観て、初回から大きく変わったのは、アスランとカガリの関係性に対しての印象でした。
アスランが一方的にキラを殴って目を覚まさせるシーン。アスランがキラに「俺の知ってるラクスは……」って語ってるの、あれもしかしなくても後ろに「カガリ」の存在がありますよね?????
今作FREEDOMでは、相思相愛で解り合ってるはずのキラとラクスに亀裂が入って、そこが物語の大きな軸にはなってるんですけど、そこの軌道を修正するアスランが何だかあまりにも自信満々で、っていうかあなた、そんなにラクスのこと理解してましたっけ??? みたいな印象があって。
3回目を観る前にDESTINYの冒頭部分を復習したんですけど、そこではアスランとカガリは一緒にいていっぱい言葉を交わしてるのに意志の疎通ができていない、若さというか青さみたいなのをすごく感じて、このふたり、会話はしてるのに対話できてないなーって感じたんです。で、今回FREEDOMで該当のシーンまで観たときに「あっ!」ってなって。
FREEDOMのキラとラクスって、DESTINYのアスランとカガリじゃん、ってなったんです。
キラとラクスはお互い大好きだし一緒にいる時間も長くて、だからきっと、お互いのことを「解ったつもり」になってたんだろうな、と。だけど本当に大事な「対話」ができてなくて、あんなふうにこんがらがってしまって。アスランはキラに、昔の自分を重ねていたんじゃないかな、などと思いました。
それにしても、アスランとカガリ、DESTINY以降FREEDOMの間までで、きっとあれこれありつつ対話を重ねて、お互いの想いとかそういうのも深く理解しあって、それでFREEDOM終盤の遠隔操作とかお守り見せ合いっこに繋がるのかと思うと本当に尊い。
DESTINYのしんどい流れがあったからこそのFREEDOMのふたりだったのだなあと、あらためてしんみりしてきました。
もう一生幸せでいてほしいアスランとカガリ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?