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「自分のこと」がわからないのはなぜか?能力が低いからではない。「鏡」という概念がないからだ。その「鏡」と三ツ星スラムの関係性について。【スラムの歩き方vol.2】

こんにちは。伊予柑(@iyokan_nico)です。
「健康を余らせた人」を見つけて、その余りを使って人生を愉快なほうに加速させることをいきがいにしています。将来の夢はジャニーズと浦和レッズを作ることです。

この記事は「三ツ星スラム」に入ってきたユーザー向けに、「コミュニティ独自の概念」や「コミュニティの活用のしかた」をまとめた記事です。前回の「健康」をお読みいただいてから読んだほうがわかりやすいとおもいます。

スラムにおける『鏡』とは


今回は「鏡」概念についてご説明します。
「鏡」とは、あなたが生きやすくなるための重要なツールです。
そして、あなたが提供することができる重要な仕事でもあります。
ちょっと掴みにくい概念なので、たとえ話をたくさんつかって説明します。

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あなたが、「舞台」にあがることになりました。
発表会やライブみたいなやつです。客席にたくさん人がいます。

本番30分前、あなたは最後に衣装と髪型を整えようとしています。
しかし、楽屋には「鏡」がありません。

「えっ……」
ってなりますよね。不安になります。だって人前に出るのに、自分の状態がわからない!

あわてて、楽屋にいるお母さんに訊きます。
「ばっちりよ! いつもどおり素敵!」

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……わりとお母さんいつも楽天的なんです。本当に大丈夫なんだろうか。不安になります。お父さんにきいても「いいんじゃないのか?」くらいのことしか言えません。

いや、これから本番だから! ちゃんとチェックしたい!!!!

この気持ちは、すんなりと想像いただけるとおもいます。


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次のたとえです。
あなたは週刊少年誌に連載をはじめる漫画家です。
第1話を書いています。これが掲載されれば、100万人が見てくれます。

渾身の原稿を書きました。
これを編集さんに見せようとしたら、「コロナで時短だから入稿したらそのまま掲載されます」とかいう謎システムに代わったというメールがきます。

え? まんま掲載されんの? Twitterみたいに?
いきなり? 100万人に? 
それで失敗したら終わりなのに?

いやいやいやいや、無理でしょ! 無謀すぎるでしょ!
せめてプロの目で1度くらい見てもらわないと! 読者の気持ちなんてわかんないよ!!!

打ち切られたくなーーーーーーーーーい!!!!!!!


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最後のたとえです。
あなたは、「すべての能力が平凡」な大学1年生だとします。2つの人生があります。

1)金持ちでオシャレさんしかいない慶応義塾大学の学生
2)技術力が最高な東京工業大学の学生。

あなたは18歳なので「モテたい!」とおもっています。
モテるには、オシャレになったほうがよさそうだ、とします。
このとき、「慶応義塾大学」と「東京工業大学」の人生ではどちらが「半年後にオシャレになる」でしょうか?

どちらにいっても、あなたの能力は変わらないとします。お小遣いも、ファッションセンスも、住んでる場所も。

あなたがダサい恰好をしてるときに、指摘してくれるのはどちらの学生か。
あなたが服を買いたいときに、いいかんじの店を知っているのはどちらか。
一緒にオシャレを楽しめるのは……?

半年後、オシャレ視点で2つの人生を比較してみてください。

鏡を使おう!


さて、3つのたとえ話をしてきました。

「物理的な鏡」
「読者の代表である編集者」
「特定の能力のある群れ」

どれにしても「自分を知るために必要」なものであるというのが、想像いただけると思います。

このときに重要なのは「私の能力は関係がない」ことです。

どれだけ能力があろうと鏡がなければ髪型を整えられませんし、100万人の読者の気持ちはわかりません。

それは「鏡」になるようなものがなければ知りようがないのです。

慶應大学のたとえでイメージできるように、鏡になる周りが優秀であれば、何もしなくても自分の能力を凌駕することもあります。

あなたの能力は、あなた一人ではわからないし、発揮もされないんです。
「鏡」になる他者がいて、はじめて前進します。

むしろ、髪型のたとえでわかるように、鏡なしでなんとかなるとか、無謀すぎじゃないっすか…?

鏡ってどこにあるの?

「鏡」の重要性がなんとなくわかったところで、

「鏡」ってどうやって手に入れるんだ? 
具体的になんなんだ? 

という話になりますよね。100均に売ってないし、地元の友達が「鏡」っぽいかというとそうでもない。

「鏡」というのは、「鏡が必要である」と理解した人達同士で、誠実に対話することで成り立ちます。

他人と話すことが、鏡を見ることです。あなたが「自分のこと」がわからないのは「誠実に対話できる他人が足りていない」からです。

いい鏡とは?

さて、じゃあ、「鏡」になるような他人ってどんな人でしょう?
物理的な鏡がそうであるように「その人の姿を、ゆがめずにそのまま返す」ことが鏡の仕事です。

「髪に寝癖がついていたら寝癖だと言う」
「漫画の重要なシーンがつまらなかったらつまらないという」
「あなたのファッションがダサければ、まず美容室に行けという」

その人が前進するために、「そのまま返す」必要があります。批判でもお世辞でもなく、そのままです。

これが、すごく! 難しい。単なる感想では駄目だからです。

週刊少年誌の編集者は、100万人の読者の気持ちを必死に調査して、その代弁者として感想を返します。単なる個人の感想だと、歪むからです。漫画家が知りたいのは、この漫画が100万人の読者にウケるかです。

編集者が「このシーンはすごく面白い」「ここはわかりにくい」というだけで、全てが変わってしまいます。漫画家には、その1枚の鏡しかないのですから!

「鏡」をする人間に必要なのは、全身全霊で、誠実に「そのまま返す」ということです。

また、あらゆるものに関して「鏡」ができる人はいません。自分にできるところから「鏡」としての力を磨いていって、誰かの姿を映していく、というのができることです。

磨けば磨くほど光る鏡

そんなわけで、「三ツ星スラムのゴミ捨て場」では、自分自身が生きやすくなるために、「鏡」の能力を磨き合っているひとたちがいます。

生きやすくなるというと、なんか大仰ですね。ちょっと寝癖を整えるくらいに、かな。ダイエットにも体重計が必要ですよね。そんなかんじ。

あなたには「鏡」が必要ですし、あなたは誰かにとっての「鏡」になることができます。

「鏡」をのぞきこみたいひとは、スラムへどうぞ。

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