やってみないとわからないことがある!自由と幸福を求めて、異世界へ。◆ネットワーク論(5)【週刊スラムvol.85】
週刊スラムは読書サークル三ツ星スラムの機関紙として、スラム内トピックスをお届けしております。
大預言を読む
お前の発見を語れコンテストから、なかそねさんをスタジオゲストにお招きしております。
こちらは鼎談を加筆編集したものです。オリジナルの「ぷろおご×伊予柑の大預言」は三ツ星スラム内「木曜の読書会」にて、配信されています。
前回までの大預言
必要性に動かされている私たちに、自由はまだ早かった…
贈与するにもきっかけが見当たらないし、儀礼は儀礼でちょっと気が重い…そんなあなたこそ、自分の中のちいかわ性を解き放つことで運が高まります。アア…!次こそは草むしり検定5級に合格するぞ!結ばれた絆は弱いけれど強かったのでした。
今回お届けするのは、運を飛躍させる術、それから幸せの青い鳥をどうやって見つけるのか、そんなお話です。
ちぢまらない距離と親密度の相関関係は?
伊予柑:ネットワーク論です。
前回では、弱い紐帯を得るにはちいかわみたいに自分の弱みをさらしたりすると意外にいよ、という話がありました。
スラムでいうと、古典を読んでよくわからなかったと読書会で発表すると、みんなが微妙にバカにしてくれる。バカにしてくれるっていうのは実は弱い紐帯で結ばれてるんです。完璧なものをやるとすごい!となる反面、意外に親密度はあがらないんですよね
なかそねさん:グランプリなんかとっちゃダメなんですよ・・・
伊予柑:グランプリとって、今交流が生まれてるんですけど
なかそねさん:みんなに拍手されて、さすそね〜!って書かれて終わるんです。それ以上のコメントないんです。「さすがだね〜」で終わって、それ以上仲良くなれない
ぷろおご:今のいいですね。ポイント高いですよ。「オレはさすそねじゃないんだッ!」
発達障害はギフテッド?
伊予柑:3回目のテーマとして、越境という概念をやりたい
ぷろおご:境目を越える
伊予柑:そう、村と村をつなぐ人。どうしても段々と強い紐帯になっていく。僕だとIT系、エンタメ系と人間関係がどんどん寄っていっちゃうわけです。
別の業界、たとえば化学業界の薬をつくってる人とは知り合いにはならない、だけど間に人がいて、交流が生まれたりすると弱い紐帯が生まれる。この間の人をブリッジする人というんですけど、すごく価値があるんですね。ぷろおごはまさにブリッジ人材
ぷろおご:伊予柑さんが次回こういう人いないかな〜と言ったら、わりと呼べますね
伊予柑:そこで、ブリッジ人材になるのむずかしいでしょ、という話になるんですけど、むずかしさを打開するものとして、「誤配」という概念があるんです。
これはジャック・デリダという哲学者が唱えた概念で、ランダムに間違ったものを受け取るということが世の中にはあって、違うものを受け取れるからお得だよ。という話なんです。
たとえば、エデンのイベントに行くのに、日にちを一日間違えたとき。入っちゃたししょうがないから居るか、というようなね
ぷろおご:発達障害は天から与えられた誤配の才能がありますね
伊予柑:そうすると、そこに意外な弱い紐帯ができますよね
伊予柑:ほかに「観光もだいじだよ」と言われている。
「観光は絶対に誤配である」
たとえば、東京の人が京都に行ったときにパンフレットを見ながら旅行計画を立てるんだけど、地元の人からすると違うってなるような計画だったり・・・
ぷろおご:北海道に旅行に行く人が全部まわろうとするみたいなね
伊予柑:関係することによって色々なものがうまれる
ぷろおご:それが楽しいもんね
伊予柑:誤配と観光は怒られようっていう話でもあるんですけど、そうやってぐるぐる混ぜていかないと、いつまでも弱い紐帯がうまれなくて、一生かわらない地元のやつとつるむバーベキューみたいな世界になる。
一生つるめるバーベキュー仲間がいる人はいいんですけど、いない人もいるわけで・・・どうやって越境をするか、くらがりチャレンジでもありますね
ネットワークが偏るとバカになる?
ぷろおご:聞いてておもったんですけど、おれに奢りにきたひとの感想は8割、越境の感想なんですよね。おれに会いにきた時点でゴールしてるからおれのやることはないんです。越境したというコンテンツ、それこそ学生がインドに行くみたいなかんじ、「Twitterで見つけた変なひとに金払って会っちゃった。ウケる」なんですよ
伊予柑:それだけで同僚に言えますもんね
ぷろおご:そうそう、「この間こんなことしちゃった、やばくない?」という感想が7、8割です。相手は会う前からおれのことを知ってて、「ほんとにそのままなんですね〜」とか、1、2時間じゃん。
奢りにきたことでそのひとが利を得たとしても、そのほとんどは「越境」によるもので、おれからすれば大したことないこと、おれじゃなくても言えるようなものを持ち帰っていく。
医者もそうで、案外、世間知らずな人が多くておれのほうが医者を知ってたりするんですよ
伊予柑:医者に会った数が医者よりも多い
ぷろおご:おれは何科でも会ってるのよ。医者は同じ場所ではたらいてるひととしか交流ないじゃん
伊予柑:強いネットワークしかないわけね
ぷろおご:そうなんですよ。だから、「えっ?美容外科が儲かるんですか?」みたいなかんじで、逆に、えええ!?
伊予柑:いわゆる一種の専門バカみたいなのですよね
ぷろおご:医者が奢りにきたら、だいたい同じ話をしてるんだけど、みんな驚いて帰っていく。医者が医者のことを知らないから、おれが旅行代理店みたいにあなたのプランだと韓国に行くといいですよ、って紹介してる。それぐらいの情報しか言ってないのに、「来てよかったです・・・」って言って帰っていくんですよね
伊予柑:ぷろおごに会いにいくこと自体がもう観光です。有名なあれを見にいこうみたいな
ぷろおご:おれは越境のチケットをそのまま売ってるわけじゃないですか。インド旅行じゃなくて、越境だけを売ってる。結果、みんな京都よかったわ〜って帰っていくんですよね。その料理は東京でも食べれるんだけど、喜んで帰っていく。
逆に、越境してないひとが蒙る不利益みたいなものもありますよね。機会損失というか、
伊予柑:固まっていっちゃうことですね
ぷろおご:越境しなくても生きていけるような便利な世の中になったからでしょうね。リスクはとらなくてもいいなら、とらないほうがいいじゃないですか
その者、青き衣を身に纏いて、異世界へ案内せし
伊予柑:最近、ヒーローズジャーニーというマイブームな概念があるんです。これは物語論でいろんな神話を分析したものなんですけど、ヒーローズジャーニー、英雄の旅行ですね。
よくあるやつだと日曜の朝のアニメで普通の小学生がきゅるるんとした謎のものに出会って魔法少女になり、敵と闘うのはまさにそれなんですけど、なんらかのきっかけで異世界に行くんですよね
ぷろおご:神話的な構造ですよね
伊予柑:イギリスのあそこに行くとホグワーツにいく、タンスを開けると異世界にいく、本を開けると異世界にいくなど、あらゆるバージョンがある。そこで別の能力を手に入れて、悪と闘う。それで最終的にはおうちに帰ってくるんですね
ぷろおご:能力を失ってね
伊予柑:能力を失っておうちに帰ってくる。そして、ふと気づくんですよ。青い鳥が自宅にいたことに・・・
これは汎用的な構造で、インドに行くと日本がなんて綺麗なんだろう、と気がつくのとおなじですね。電車が時間通りに動く、すげえ!とか
ぷろおご:人前でうんこしなくていいんだ!水が飲める!とかね
伊予柑:自分の環境に気がつくには、一回異世界に行かなきゃいけないというのはどうしてもある。ぷろおごは会いにいける異世界
越境の度合いで幸福水準はきまるか?
ぷろおご:Twitterで「男は女に奢るべき?」の奢り奢られ論争があるじゃないですか。日本人一般男性は、少なくても割り勘か、女性に奢るわけじゃん。でも、おれはお金を出さない。
割り勘に憤慨してた婚活女子が奢りにきたんですけど、あとで「まぁ!割り勘してくれるの?!」ってなったらしい。そのひとも「割り勘するなんてサイテー」がはじまりだったんだけど、インドを経験したことで「割り勘してくれるの?サイコー」になった。場所はなにも変わってないけど青い鳥が近くにいたことに気がついた
伊予柑:「なんていいひとなんだ!」
ヒーローズジャーニーがいろんなところで足りてないと思っていて、大学生と話たりもするんだけど、同じところにずっといると越境できんのよ。観光ができない
ぷろおご:おれはなにもしてるつもりなかったけど、越境の達人なんだ。だから、幸福の基準が低い。足がないひともまわりにいっぱいいる。
越境を経験して元の場所に戻ってくると、当たり前が当たり前じゃなくなっていて、かつリアリティがあるよね。越境するとネットワークもできるし、個人としてラクに生きられるんですね
伊予柑:普段だと付き合わないようなやつでも、旅行先テンションで仲良くなれるのもあるじゃないですか
ぷろおご:頭おかしくなってるもんね
伊予柑:昔だと祭りが異世界だったんですよね。この1日は異世界ですという儀式だった。ところが、いわゆる祭りはもう日本では失われつつあって、ハロウィンかなぁ?と思ったりもするんですけど
なかそねさん:日本の祭りじゃない
伊予柑:今は全てが日常になってるんですよね
ネットワークのバリエーションが何をもたらすか?
ぷろおご:飲み屋に行くとかは異世界?
伊予柑:エデンはわかりやすい異世界ですよね
ぷろおご:いろんな飲み屋があるじゃないですか。おれは酔っぱらうって大事だと思うんですよね、酔っ払ってないとやれないことがあるじゃないですか。おれが強いのはビョーキでいつも酔っ払っていて、酔っ払ってないとできないことも素面でできるからだとおもう。普通の人は冷静で保守的だし、躁にならないじゃん
伊予柑:社会の善に従うんですよね
ぷろおご:それをとっぱらうようなシーンを人生でいくらか持たないとバリエーションは増えないですよね。おかしいことをしないと。
おかしいことをしようとして間違えて結婚したこともあるけど、そのおかげで広がることもいっぱいあるだろうし、危険な目にあうかもしれないけど、結果的に違う刺激を受けたり、新しいネットワークを構築できる。越境によってのこるものもある。
リスクをゼロにしようとすると越境はしづらい
伊予柑:むり
インドはリスクゼロじゃない
ぷろおご:しないほうがいいですよね。日本人にうまれて、日本にいられるのにインドに行く理由ないですよね。カレーだって日本で食べるほうがうまいし
伊予柑:体力ある人のくらがりチャレンジになるんですよね
安定的に越境するためには、どんな型が有効か?
ぷろおご:友達の友達に会うのは越境ですよね。おれはそういうの苦手なんですよ。基本的に自閉だから人間関係が苦手で、ちゃんとガワを揃えないと人と会えないんですよね。だから、みんながやってるような越境の仕方ができない。そのかわりにTwitterを使って、自分のまわりに集まってくるように、自分のやりやすいかたちをつくっていて、だから、たくさん会える
伊予柑:越境の型を持てるとラクですよね
ぷろおご:越境って武術だとおもうんですよ。自分の型があって、それを体得して、いつでもその動きができるようになってるといつの間にか越境してる。刺客に襲われても自分の型で対処できる
伊予柑:なかそねさんのゲームセンター行脚は必然的に越境になるじゃないですか。同じコミュニティのようで全然違う人種が集まってくるから
なかそねさん:ゲームセンターに行っても基本的には自分ひとりでゲームして帰っちゃうんで、あんまり広がらない。でも、ゲームセンターねらいでいろんな土地に行くことはあるから、「その土地のゲームセンターなら行ったことはありますよ」という謎の情報は話せますね
ぷろおご:自分の無限にやれる特性をつかって、なにかしらの型をつくる。なかそねさんの場合だとあとはK.O.するだけ
ギネス世界記録は孤高の実績解除記録だった?
伊予柑:アスペ気味の大学生と話をしたんですけど、そいつは能力があるけど社会の善に縛られてるんですよ。「マジメにやならきゃ」って大学の成績はめっちゃいいけど、あんまり友達がいないみたいな感じで、「じゃあ、君はもうタフを趣味にしたら?」と
ぷろおご:なに、タフって
伊予柑:「強くなる」
僕はADHDで、これまでにいろんなことをやってきたんですけど、トライアスロンとかやると、タフが趣味の人がいました。そこで雑談をすると、「〇〇の大会行きました?」とか「〇〇はやってますか?」とみんな異様に過酷なチャレンジをしてるんです
ぷろおご:タフだからか
伊予柑:別に自慢するわけでもなく、ただただ自分の実績解除をしてる。ゲームの1000時間みたいな実績あるじゃん。あれをただやってる、ややアスペ気味の人たちがいっぱいいて、そこで、あの実績おもしろいよみたいな情報交換を淡々として、まったく仲良くならずに次の戦闘へ行く
ぷろおご:陽キャはタフで、陰キャはカードゲームとかやるんじゃないですか?
伊予柑:スポーツを淡々とやるやつは陰キャなんですよ。山100個とりあえず登るとか、コミュニケーションを特別要しないじゃないですか。とはいえ、実績解除を無限にやっていくと、いずれ知り合いになっていくんですよね。なぜなら、実績解除コミュニティは小さいので、やがて「あの山で会いましたね」となる。ゲーセン行脚もそうで、「あのゲーセンで会いましたね」になるはずだと思うんですよ
なかそねさん:ありますね。遠征先で初めましての人と挨拶したり
伊予柑:それで年に1回ぐらい情報交換すると、まさに弱い紐帯ができる
人づきあいに意味を求めるのは誤り?
ぷろおご:ネットワークってつまるところ、自分の強みを意味もなく伸ばして、意味のないグループだったり界隈で意味のない成績を残し、意味のない成績でつくられていくもんですよね。
ベンツとか高級車って実用的ではないじゃないですか。意味のない機能がいっぱいついていて、それを持ってるやつらだけが集まるグループ、紐帯があって・・・構造的に似たものがありますよね。
無限にゲームセンターに遊びに行って記録しちゃうひとが、無限にゲーセン情報を記録して、結果的にコミュニティでよくわからない紐帯をつくったり、無限にボドゲをやるひとがその界隈で友達ができるとか、聞くもんね
伊予柑:無限にできないやつは、金を出してフェラーリを買うと謎のコミュニティに招待されて友達ができる
なかそねさん:それでいうと、みんな無限にできることがあんまりないんじゃないですか?
TwitterとかYouTubeを無限に見るとかではあんまりで、昔スラムでも「妖怪をつくろう、お前の美を見せろ」というのが流行ましたけど、あったらいいんですけど・・・
伊予柑:ない人はどうしたらいいか、就職しようじゃないんですかね?
ぷろおご:あることがそんなにいいことじゃないですからね。我々は一種の呪いを持っていて、やってしまうだけで。
飯食わなくていいひとは、「君は食わなくていいんだ、よかったね」という話で、食費がかからなくて最高だよね、
想像力を刺激するのは異質性がもたらす恐怖か?
伊予柑:今の大学生と話してて思うんですけど、彼らには他者がいないんですよ。つまり、学生時代は同じような人間の集まりじゃないですか。
特に高校生のときなんていうのは「お前ら全員同じだよ」という教育を受けますよね。でも、人間は全員違うわけじゃん。そのことに気づけないんですよ
ぷろおご:他者がいるという前提を持てないんだ
伊予柑:「お前ら全員ちいかわだよ」と言われてきた。だけどウサギもいるし、テレビちゃんもいる、それは事実で、ぷろおごはわかりやすい他者。「この人は私とは違う」と思われてる
ぷろおご:「あれ、いま人外として扱われているな」と感じることがめちゃくちゃあるのよ。これは人間ではないという設定で質問されてる・・?
他者どころではなくて、動物・・・動物でもない、何か
伊予柑:ぜったいに25歳男性とは思われないよね
なかそねさん:「ぷろおごさんは「失礼」って概念ありますか?」
ぷろおご:特に若いひとが他者として扱ってくれる。子どもは、人間はだいたいおかしいというのがわかってないから、おれのようなよくわからない人間は他者、それも第六感を持ってるかのような位置におかれる。
「犯罪者」とか「サイコパス」も他者の言い換えで、自分たちとは、まったくちがう感覚をもっている人物をあらわしているよね
伊予柑:異世界というか、異質なものに触れないと自分たちの特性がわからない。今の大学生は大学同士の交流もないし、コロナの影響もあって、ほんとうに同質的
ぷろおご:壁が壊されないと外に出ようとはおもわないもんね。越境をしたことがないと自分たちの他に村があることがわからないから、壁の中で生きていくことができる
伊予柑:インドに行く必要がないんだよ
ぷろおご:「今日も巨人がこなくてよかった〜」って飲む酒はうまいよね
伊予柑:先輩後輩関係とかもなくなってきてるから機会はどんどん失われていく
ぷろおご:邪悪なものとして扱われてますからね。結婚もしないし
伊予柑:せまくて濃い村で生きている
運は必ずソトからやってくる?
ぷろおご:お金ない、生きづらいとかって言うひとがいるんだけど、8割くらいはネットワークの問題だとおもうんだよね。
「どうやったらお金が稼げるのか」とか「バイトより効率のいい稼ぎ方ないですか?」とか「こういう投資はどう思いますか?」って学生によく聞かれるんですけど、まず、おれだったらその月5万円払ってる賃貸を解約して、誰かの家に住む。
ロフトつきの安い賃貸ってたくさんありますよね。みんな、ロフトってどう使うのが正解なんだろうと思いながらも、安いからロフトつきの部屋に住んでるじゃないですか。それなら、「月5000円くらいで誰かのロフトに住みたいんですけど」って言い回ったらいいじゃん。
学生はみんな貧乏なんだから月5000円も浮くならいいとおもうんだよね。いきなり一緒に住むのが心配なら、2、3回メシ食ってからにするとか、理論上ネットワークがなくてもできる。でも、ネットワークをつくったことがないからこわい
伊予柑:まったくおなじことをやってた。俺は88000円の家を借りて、外人を募集し60000円で横の部屋に住まわせてた。そいつが飽きたから国へ帰るって言ったら、ソッコーで一軒家の友達に連絡して、おまえんとこ、一部屋空いていたよね。3万円払うから住まわせて、ってやってて、35歳になるまでは月3万円で過ごしてた
ぷろおご:だって、余ってるんだからできるじゃないですか
伊予柑:家賃、一番無駄じゃん
ぷろおご:それこそ金がなかったらやるよね。だいたいの学生、50000円を稼ぐの大変じゃないですか。だったら家をやめて、人の家、余ってるところに住めるじゃないですか。あるいは伊予柑さんみたいに部屋を借りて、誰かを住まわせたりね。なんでやらないんだろう、とおもうんだけど、ネットワークをつくったことがないからこわいんでしょうね。
知らないひとがやってきて、何かが起こったら…とか、そんなになにも起こらないんだけどなあ。それに起こったとしてもべつにいいじゃないですか
伊予柑:それは村にいるからですよ。一回外に出ないと。
俺も実際にインドに行って、500円の部屋に泊まったことがあるんだけど、さすがにクソな部屋だった。でも、俺はここで生きていけると思った
なかそねさん:普通の人は、家ってひとりになれるとか、落ち着ける大事な場所だと思ってるから、あんまり居候はできないんじゃないかなと思います
伊予柑:今までの実家が住環境の基準になるんだよね。ぷろおごは実家のレベルが非常に低かった
逆文化資本によるゆたかさはあるか?
ぷろおご:うちはインドの中流階級くらい。インド研究のひとが言ってた。「あ、ギリ壁があるんですね、穴はあいてるんですか。中流階級よりは少し下かもしれない」
デフォルトになる基準が低いと期待も小さいよね。でも、経験によって下げられるひともいますからね。
東南アジアとかに行ったら日本みたいな生活できないじゃないですか。めっちゃエアコンが効きすぎたうるさい部屋とかで寝ることになりますよね。そういうのを繰り返していくなかで、寒いのは無理だなあ、とかがわかってくる。
全部をあきらめる必要はなくて、自分はなにがいけて何がだめなのかが明確になると、コストもあきらかになるんですよね。
基本的な日本の考え方って、全部をセットにして売ってくる。マクドナルドのセットみたいに、ほんとはポテト要らないのに、全部ついてくる。
「オレはマックを食った感じがほしいんだけど、どれがあの感じにさせるのかわからないからセットで買わざるをえない。」そういう状態だから月5万円かかったりする。月5000円ロフト生活は極端だけど、伊予柑さんみたいに3万円で自分の部屋がある状態にすることはできるよね
なかそねさん:日本の一般家庭にうまれてしまったのが幸せすぎる
ぷろおご:逆文化資本だ。一回やめたほうがいいんですよね
なかそねさん:生活水準を一度あげると下げられないってよく言いますよね。いいエアコンを使ったらそれがない生活に戻れないし、いいスピーカーを買ったらしょぼいスピーカーだと満足できない
ぷろおご:どうなんだろう、おれは越境の問題な気がしますけどね
伊予柑:一回下はやったほうがいいですよね
ぷろおご:さげることは容易にできるし、一回やってみたらわかることがあるからね。どうやら「越境したくない」という純粋な問題な気がする
伊予柑:異世界はこわいから
ぷろおご:めんどくさいし、コストかかるけど、長期的にみたらいい。越境すればするだけこわさは感じなくなるからね
伊予柑:ネットワークの話も長期的な視野が大事なんですよね。弱い紐帯は短期的にはできない
なかそねさん:くらがりチャレンジが大事だから、スラムにもくらがりチャレンジをしたら報告するチャンネルがありますけど、私から見てそんなにくらがりかなぁ?控えめだなあ、と思うものもある。あんまり悪口言っちゃ悪いんですけど・・・
ぷろおご:そういうことが大事なんですよね。傍からみて「知らないひとに挨拶してみました」とかは、エッ…?って思うけど、「無視されたらどうしよう」とかそういうのがあるんだろうなあと
伊予柑:そこから経験値稼ぎなんだよな
ぷろおご:ザコ狩りしないといけないんですよね。地道に数をとりながらもわっとした成功体験を積んで、あるとき酒を飲んだ瞬間にやっちゃてる、みたいな
これまでの必要性と強制力だけで、その人を語れるか?
伊予柑:そうすると、やっぱり強制って大事ですよね。
YouTuberに、「ニコニコの人たちはなんであんなに強いんですか?」ときかれるんですけど、それはね、クソみたいな現場を何回もやるのでつよくなっていくんだよ・・・と話してます
ぷろおご:「アフリカの黒人はどうしてあんなにマッチョなんですか?」
伊予柑:環境が過酷だからだよ。それも強制されたから強くなったという側面がある。部活でクソみたいな先輩がいて、というのがあると多少マッチョになる。みんな優しすぎるんだよ
ぷろおご:世界が優しいですからね。人間が脆弱になってるんですかね
伊予柑:ハラスメントは禁止なんでね
ぷろおご:そのへんの塩梅はむずかしいですよね。無菌室にしたら風邪をひかないみたいな話で、無菌室にしても無菌でないところはあるよ、外に出たらどうすんの・・・
伊予柑:みんな、安全な狩猟をしたいんだよ
なかそねさん:今、子育てしていて子どもにあまり強制しちゃいけない、毒親になっちゃいけないと思いつつも、勉強をもっとしないと、毎日ボーッとしてたら何も身につかないんだよ、って言いたくなっちゃう
ぷろおご:ハラスメントだ
なかそねさん:でも、やれば伸びるし、昔よりは目に見えて良くなっていて、どこまで強制していいんだろう、というのは親視点でも良くわからない
ぷろおご:これまで唯一許されてきた強制力は親だったじゃないですか。今はもう親ガチャとか毒親とかって糺弾されちゃいますからね
伊予柑:どうしたらいいんだろう
ぷろおご:己のみ…?
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