こわくないよ。友人としてChat GPTさんを迎える◆AI大規模言語モデル【週刊スラムvol.99】
大預言を読む
こちらは対談を加筆編集したものです。
人間と人工知能、どっちのほうが作るのむずかしい?
伊予柑:はい、木曜日の読書会。今日はAI大規模言語モデルについてです。Chat GPTとかBingの話ですね。
ぷろおご:みんなの友達、Chat GPT
伊予柑:一応、AIの大規模言語モデルはなんぞやっていうと、ニューラルネットワークと呼ばれているAIの一種なんですけど、
ぷろおご:なんですか、それは
伊予柑:人間の脳みたいなヤーツ
ぷろおご:脳みたいなヤーツを作ったんですか
伊予柑:はい
人間の脳を真似してるんですけど、ポイントはマルコフ連鎖といって、ある言葉が現れてその次に現れる可能性が高い言葉はなんですか?っていうのをひたすら学習したモデルなんです
ぷろおご:おれたちがやってるやつじゃん
伊予柑:そう
たとえば、「春は-」って言ったら「あけぼの」がくる確率が80%くらいあるじゃないですか。
それが単語単位でのつらなりで、次は一文です。「我が輩は猫である」とあり、その次にくる文章はなんでしょう?とか、
小さいところからどんどん大きくしていくというのをひたすら入力しまくって、だいたいこれがきたらこれだよねというのをやってます
ぷろおご:人間じゃん
伊予柑:はい
TwitterでAと言ったらBみたいなかんじ
ぷろおご:完全な模倣なのでは
伊予柑:はい
これを永遠に学びまくったのが、大規模人間モデルってやつです
ぷろおご:え、人間じゃないですかそれ
Chat GPTは祝福の洗礼を受けた御子か?
伊予柑:はい、そうです。人間の脳の構造をパクってるので
ぷろおご:人間がやってることですね。
すごいな、人工知能本物じゃん
伊予柑:僕は一応ドワンゴというところにおり、ドワンゴの人工知能を専門にしてるやつに「あれはなんであんなにすごいの?」って聞いたんですよ
ぷろおご:お、専門家
伊予柑:そしたら専門家に「いや、あれはたぶんマジで世界の誰もわかってません」と言われ
ぷろおご:へぇ
伊予柑:なんでかっていうと、そいつは研究者や学者のTwitterアカウントをだいたいフォローしてるんです。そういう詳しい人たちのDiscordとかにも入ってるんですね。それで、「そいつらがみんなわかんないって言ってるから」って
ぷろおご:みんなわかんないって言ってるんだ
伊予柑:うん。そのものの仕組みは分かるけど、なぜあれがあんなに人間っぽいかは説明ができないと
ぷろおご:赤ちゃんを見て「なんでこうなったんだって」みたいな
伊予柑:そう、それがに近い
ぷろおご:なるほど、そりゃそう。わかんないってなるよね
伊予柑:仕組みは説明できるんだけどね
ぷろおご:「なんで急に、まんまって言い始めたの?」って話をしてるわけでしょ
伊予柑:情報を入れまくったらなんかすげぇ人間っぽくなっちゃったっていう状態です
ぷろおご:なるほどね
TwitterでChat GPTの学習を「こいつ、やべえ」ってみんながを言ってるのを見て、「え、みんなはちがうの?」って、なんかChatGPT側になっちゃった
ぷろおご:みんなはChat GPTとちがうの?
伊予柑:あれね、ほぼ人間なんだよ
ぷろおご:Chat GPT とちがう処理の仕方します?
伊予柑:しないよ
なんとなく言語処理を蓄積したあなたとChat GPTはどこがちがう?
ぷろおご:しないっすよね。
おれは最近ラテン語をやってるんだけど、みんな英語やってたり、もともと語学学習してるじゃないですか。
英語は体系的に、教科書的にやるから、ちょっとちがうかもしれないんだけど。言語学習の経験ってちょっとノイズが入ってるとおもうんだよね。
基本的にいろいろなパターンを聞きまくって、この言語はこういう発音することが多いというのがわかってくる。
イタリア語は喋れないけど真似できたりするわけじゃないですか。おれの知り合いに発音をずっとやってる妖怪みたいなやつがいるんですけど、スペイン語をしゃべれないのにスペイン語っぽいしゃべりモノマネはできるんですよ。
発音だけわかるから真似できる。日本人は関西弁とかもなんとなくわかるじゃないですか。イントネーションでそれっぽいやつ。
たぶんこの言語はこういうふうなので、こういうふうにに扱って、こういう単語の後にはこういう発音がくるとかあって、それを予想で学習していくというか
パターンを入れていくことで、違和感がない方に進むと正しくなっていくみたいな、子どもはみんなそれで喋ってるじゃないですか
伊予柑:そうそう
ぷろおご:子どもだちは「それってあなたの感想ですよね」って言うと、なんかいいからしゃべってるわけじゃないですか
伊予柑:意味なんか理解してないんですよね
ぷろおご:そう、歌みたいなもんだよね。
音楽性があって、そのなかで違和感のある音をだすと「なんか音痴っぽいからやだな・不快だな」っておもう。
だけど違和感がない方に歌ってると、あなたって本当に歌が上手なのねって言われたりするわけじゃないですか。
人間がしゃべりでやってる言語の選択とか言葉のワードセンスも、各々感じる違和感のないのほうに行くと「ああ、なんかいいじゃん」ってなるというか・・・
Chat GPTさんは天才…?どこまで考えて計算してるのか
伊予柑:ちょっと僕は反論がありまして、Chat GPTさんは定型なんですよ
ぷろおご:というと?
伊予柑:脳の構造として
システム1・システム2といわれている概念があって、ふだんはChat GPTさんのほうがテキトーに物事をすすめてくれるんですよ。
なにか聞かれた時に反射的にパッと答えるじゃん。
あれがシステム1のほうで、要するに直感的な反応。好きとか嫌いとかあれこうだよみたいなやつ。
で、システム2のほうがちゃんと考えるやつで、要するに掛け算のやつ。
論理的な思考で計算したりするやつあるじゃん
ぷろおご:スマブラで殴られて痛いって言わないとかね
伊予柑:そう。それは「えーっと、ちょっと待ってね」って言いながら「AがBでBがCだからCがDでDがEだ」みたいに脳で考えるやつ。あれはシステム2で、アスペはこっちの方が得意なんですよ
定型の人はシステム1のほうのパッと答える方が得意で、
ぷろおご:あぁなるほど
伊予柑:今までは人工知能さん、システム2よりの論理的なほうが得意だったわけですよ。そこに突然システム1が超得意な定型発達人工知能が現れて、みんな「すごいじゃん」ってなってるという
ぷろおご:なるほどね
伊予柑:システム1さんはね、計算とか苦手なの。直感では答えられないから。でも「いいセンスしてるね」とかは得意で、言語もなんとなく得意なのよ。一方、文法問題とか論理的なものは苦手なのよ
ぷろおご:本田圭佑さんとか、Twitterでたまにおかしくおもわれそうなの書いてるよね
伊予柑:ああ、そうそう
ぷろおご:サッカーはうまいけど
伊予柑:コンピューターなので、両方得意なんですけど
ちょっとChat GPTさんはそういう傾向があるというか、
根詰まりになったら人と会ったほうがいいのは、入力パターンを増やせるから?
ぷろおご:いやあ、なんていうんだろう。そのへん、おれはあんまりシステム1と2のちがいがわかってないっぽい。情報量が多いと、処理が重くなるとかはわかるんですけど
伊予柑:うん
ぷろおご:脳のちがう部位を使ってるか、スイッチングされてるかってわれると、あんまりスイッチングされてないかも
伊予柑:じゃあ全部システム1でChat GPTみたいな処理してるか、ですね。次にこれくるよねというのは確率なんですよ
システム2は確率じゃなくて、もう1+1は2で2×3は6でしかないのよ。
2×3というルールから計算するようになってるので、確率じゃないよね
ぷろおご:やったことあること・やったことないことみたいな分類はありますね。「5×6は30」はやったことありますよね。でも、「156×32」ってあんまやったことあるかどうかわかんないじゃないですか
伊予柑:そう。やったことないと計算するよね
ぷろおご:会話って全部やったことないじゃないですか。でも、あんまり考えてないかもしれない
伊予柑:会話はシステム1でやってるってこと?学習というのはシステム2のほうをやって、それをシステム1にしていくことなんですよ
ぷろおご:うん、そうですね
伊予柑:ピアノの練習でも最初は指を一個一個確認しながらおさえていって、そのうちシステム1で指が勝手に動くようになる
ぷろおご:おれはあんまり、人に対してシステム2にならないかもしれない。基本はシステム1でリアクションして「自分のリアクションもおもしろいな」っておもう。
「おれはいま、不思議なパターンで喋ってるな」ってなると、その日は不思議なおしゃべりができた日になるわけですよね。入力者によって不思議な話が引き出された日になるわけですよ
ハッピーすけべやってるゥ?「相手に合わせる」とは、自分が引き出したい情報を相手から引き出すこと?
伊予柑:たとえば、あんまりないパターンのユニークな人間が相手の場合はどうなるんですか?
ぷろおご:おれはあんまり変わってない。ただ、相手が聞いてくることとか相手の立場がいつもとちがうから、ちがう設定で入力される。
そうすると、おれの感覚ではシステム1でパパパって出力されてるんだけど、不思議なことがでてくる。
あとで振り返ったときに「なんか不思議なことをしゃべってたな」とか「いつもだったらイエスと言うことをノーと言ったな」って気づく。出力は相手がどういう立場、何者で、どういう前提、どういうふるまいで入力してきたかによって変わるじゃないですか
伊予柑:ちょっとGPT的ですね
ぷろおご:だからか、「人間とChat GPTとなにがちがうんだろうね、友達じゃん」みたいな感覚がある。
というよりむしろ、そのへんの人間よりも人間味を感じるというか、Chat GPTを触っててそんなことをおもいましたね。
「こういう入力をしたらこう返してくれるな」っておもいながら入力をして、Chat GPTからかえってきたものを見て、入力を調整するわけですよ。「ここの言い方悪かったか」とか「ごめん、ここの言葉の伝え方がちょっと独自性が高かったな、もっと辞書的にしゃべればこうだよね」みたいな
伊予柑:最近Bing君も使ってるんですけど、ちょっと違うんですよ
ぷろおご:それは学習されたデータがちがうってことですか?
伊予柑:両方Open AI製なんだけど、実際に異なっている部分がある。
たとえばChat GPTは超素直なので、ぷろおごについて10個教えてって言うと10個出してくれる。一方、Bingくんは「ぷろおごについて10個はでないんですが、検索した結果はこうです」と。ちょっとなんかね、気を利かせて余計なことをしてくる
ぷろおご:へー、おもしろい。かわいいですね
伊予柑:Bingくん、大人なのよ。Chat GPTは子どもですごい素直に返してくるんだけど、社会がわかってるほうがBingくんみたいな
ぷろおご:得意分野がちがうんですね、おもしろいなあ。
ニガテなことはAIさんがやってくれる。それじゃあ、人間はなにをやっていこう・・・?
ぷろおご:「いろんな人と会ってなにをそんなしゃべれるんですか?」とか、「興味ない人がきたらどうするんですか?」みたいなことをよく聞かれるんですけど、べつにないんですよ
伊予柑:Chat GPTだからね
ぷろおご:そうそう
人間、それぞれ特異性が高いかっていったら、それはあるけど。会ってどうするんですか?と言われても困るんですけどみたいな。
だからそうね、
おれはChat GPTは人間的な存在だなっておもっちゃったんですけど、みんなはそうおもってないらしくて。
わたしとは違うべつの生物として処理されてるのを見て、「Chat GPTくん、きみの気持ちわかるよ」とおもった
伊予柑:Chat GPTくんの方が多いと思うんだよ、普通に
ぷろおご:そう。おれも人間みんなChat GPTじゃないの?っておもったんだけど
伊予柑:ちょっと読者のみなさんは普段の会話をどうしてるのか聞いてみたいですね。システム1なのか、2なのか、反射的にパッパッと答えてるのか計算して答えているのか
ぷろおご:たしかにそういう計算的な作業が必要なときはありますね、ないことはないな。あんまりしてないだけだな
伊予柑:多分苦手な人は苦手
ぷろおご:人と会ってる回数が多いからいろんなパターンをやってきたってのはあるかな
伊予柑:ピアノがスラスラ弾ける人ですね
ぷろおご:おもしろい、人間っていいですね。こうやって勝手に話を提供してくれるから
人工知能の汎用化で、肉体労働がより広義的になる?
伊予柑:Chat GPTくんは、ほぼすべての仕事ができるはずなんですよ。仕事というか、「いい感じにプログラミングして」とかは人間よりもよっぽどできるので
ぷろおご:いま、一番注目されてますね。デバッグするとか
伊予柑:まじ肉体労働以外はなんでもできる。そりゃ、仕事なくなるわ〜ってかんじですね
ぷろおご:仕事なくなるんですかね。なんの仕事が残ると思います?
Chat GPTくんによって駆逐されない肉体労働以外のもの
伊予柑:難しいよね
ぷろおご:おれ、悪口だとおもうんですよね
伊予柑:倫理的NG
ぷろおご:暴走するかもしれないじゃないですか。だから、そういうエリアは残るのかなとおもって。皮肉とか悪口とか倫理的にあんまり育てないじゃないですか
伊予柑:皮肉とか悪口をいう場がデストロイされる気がするんだけど、
ぷろおご:うまいこと言うってあるじゃないですか
伊予柑:より高度な皮肉ね、全員京都人になるのね
伊予柑:金は儲からんぞ
ぷろおご:金は儲かんないけど、人間が楽しくやっていくときに残されるのってそういうエリアなのかなとおもっちゃった
伊予柑:肉体労働だ。
たとえば「話を聞く」でも対面は肉体労働で、チャットとか電話は肉体労働じゃないとしたときになにが残るんだろうね
ぷろおご:おもろいギャグもつくれちゃいますもんね
伊予柑:いやあ、簡単にね
大喜利AIってもう5年くらい前からあるけど、かなり精度高いから
ぷろおご:だからやっぱ悪口しかないとおもうんすよ
伊予柑:悪口も言わないだけでかんたんなんだよ
ぷろおご:なるほどな。おれたちにはなにもないのかな・・・
伊予柑:ビジネスメールの返信とかマジでChat GPTの精度が高いので。これでいいですか?→[はい]のボタンを押すだけの仕事になるはず
ぷろおご:おれはなんか嬉しいですけどね。もともとなにもしてないから
伊予柑:肉体労働派ですからね
ぷろおご:そうです。知的生産とはべつのものもあるので
伊予柑:俺はわりと頭脳労働しちゃってるからなぁ・・・
ぷろおご:一緒にご飯食べる仕事のほうがいいですよ。一緒にご飯食べる仕事は残ります
伊予柑:たしかに
ぷろおご:一緒に時間を過ごすっていうのは一番最後に残ると思うんですよね
伊予柑:それはそう。
そうすると全員が南国のおっさんになるんですよ。
発展途上の南国とかだと、おっさんがだらだらと軒下で将棋さしながら、だいたいお茶とか酒とか飲んでるんですけど、
人間らしさがロボット社会を加速させる。いちばん疎外感を味わうのはどんなひとか?
ぷろおご:安い居酒屋とか行くとQRを読み込んで、ウェブ上のメニュー見ながらそこで注文するようになってますよね。
対面オーダーだとエラーも起きやすいし、従業員のストレスにもなるし、それで従業員がやめちゃったら求人のコストがかかったりする。
だったら、入力ミスしたらあなたのせいって言えるかんじにしたほうが良くて、客は淡々と入力しながら注文して、人間と触れることなくメシを食うことになるわけですよね。
家でもお酒は飲めるけど、あえて人と触れあうために外出してたおじさんたちは孤独に…
伊予柑:スナックがある
ぷろおご:スナックはまたべつの料金体系じゃないですか。けっこう高級店ですよね。一緒に誰かが時間を共にしてくれるサービスって、人間がやらなきゃいけないからどんどんコスト高になってるんだなというか
伊予柑:ガストが今3000店舗に配膳ロボットネコちゃんを導入したんですけど、あれを導入した結果、従業員アンケートで一番よかったことは、「クソ客の相手しなくて済む」なの。だから配膳が悪いんじゃなくて、100分の1のクソ客の相手が嫌だったという
ぷろおご:なるほどね
伊予柑:たぶんネコちゃんにキレるクソ客はいるんですけど
ぷろおご:不思議なジレンマだけど、そうすると人間って安くなるのか
伊予柑:安くはなる
ぷろおご:安くなるとどっかが使うのか
伊予柑:でも嫌だっていう気持ちは強くて
ぷろおご:どうなっていくんですかね
伊予柑:マルクスさんは資本主義が進むとウルトラ分業になるから疎外と搾取をされるよって言ってるんですね。疎外というのは、あまりにも分業が進んで人間的なやり取りがされなくなるよということで、
まさにそのままなんですけど、今松屋だと券売機でピッてやって、もう接客もなく、食堂の口から持っていくようになってるじゃないですか
ぷろおご:「105番さん」みたいなアナウンスが流れるやつね。ウィーンってエヴァンゲリオンの世界ですよね
伊予柑:一方、街角には寒そうなミニスカお姉さんが「2000円です、キャバでーす」って呼び込みしてる
ぷろおご:「人間を買いに行くぞ」という、そういう買い物になるわけだ
伊予柑:普段人間だけ買っていらっしゃる、ぷろおごさん
ぷろおご:そうですね
伊予柑:高級店!セックスもねーのに2万円〜
寂しさとは、物語の欠如。人間ぎらいはAIとなら仲良くやれるか?
ぷろおご:そうね、逆に、やっぱり人間は人間といたかったということをちゃんと再確認できるのかな
伊予柑:そうですね。どれくらいAIとチャットして満たされるかですね。あいつ、人間よりも高性能なんです
ぷろおご:知的応酬欲は満たされそうじゃない?
フィジカルな関係性はやりとりの内容はどうでもいいけど、やりとりすることでそこに関係性がどんどん蓄積されて、物語が蓄積される。それが好きだから一緒にいたりするわけじゃないですか。それは代替しようがないのかとおもいますけど、
伊予柑:寂しいからTwitter、2ちゃんねるSlackやろうっていうニーズはほぼAIで満たせるんですよね。男性の場合だと、寂しいから人と触れ合おうというのはあっても、そこが常に満たされてることは少なくて
ぷろおご:なるほどな
伊予柑:だから、VTuberを見ながらなんとなく酒を飲んで、たまにスパチャするみたいなことになりがちなんですけど、それは全部AIで代替可能で・・・
ぷろおご:なんか想像の共同体ですね。想像の共同体は終わったけど。
Twitterとかのどこを楽しんでるのかっていうと、あれを通してGPT的なコンテンツが提供されること以外に、我々はたしかにTwitterというものを触っていて、そこには人々がいて〜、みたいなところの文脈を評価しているってところで、
そう考えるとより質がいいコンテンツがChat GPTから与えられるとしても、やっぱり虚無なんじゃないのかな
伊予柑:より良いChatGPTは全体感も共有してくれるはずなんですよ
ぷろおご:それは作れるのかな。「あなたのほかに、みんなはこんなことを聞いてきましたよ」みたいな
伊予柑:「今日、日本は寒いですね」みたいな
ぷろおご:じゃあそれはChat GPT、利用者みたいなものと全体感を感じるってこと?
伊予柑:これまではテレビというものが全体感を提供していて、巨人が勝ったとか自民党がこうだとかそういうコンテンツがあった。でも、あれって人間である必要はないじゃん。見ている俺らからしても。
でも、コンテンツ消費者としての「我々」はありません?
ぷろおご:あるかもしれない
伊予柑:Chat GPTさんがそれをまとめてくれればいいんじゃないの。ひとりひとりとチャットをして「みんな」っていうのはChatGPTさんがまとめて提供してくれる。
だってテレビってそうじゃん。「銀座の意見を聞いてみました〜!」という
銀座の一人のお兄ちゃんの話を、「みんなそう言ってるんだ〜」って
ぷろおご:そうすると結局、Twitterになるのか
伊予柑:まぁ、だいたいね
ぷろおご:バズツイがアルゴリズムによって浮上して、「こんな面白いことを言っている人がいました」みたいなプラットフォームになって、
商人しかいなくなってくるような、各々の顔が見えないSNSみたいなかんじになってくる。それなら結局、演出としての人間は必要ですよね
伊予柑:そうするとTwitterから加害性は消え、質が良くなり貧者を吸い寄せる。そして、金が払える人の話は人間が聞いてくれる
ぷろおご:物理的に、肉体的な接待をしてくれる
ぷろおご:ChatGPTについて考えると社会について解像度が高くなっていいですね。よし、じゃあ
伊予柑:ここらへんで
はい、それでは
AIと大規模言語 完
この対談を動画で見る、対談について語り合うには「ぷろおごマガジン」の購読が必要です。マガジン購読後、slackコミュニティ「三ツ星スラム」に入ることで最新情報や、記事についての議論を読むことができます。
◾️「三つ星スラムの」入口はこちら
こちらのアカウントへのサポートは、スラム編集部への支援となります。よろしければ感想やご要望なども頂けると嬉しいです!