海外アートニュース(2024年6月16日ー30日)
【オークション】
S&Pグローバルレーティングは、2024年第1四半期の収益の減少とコストの増加により、サザビーズの信用格付けをBからB-に引き下げた(S&Pの格付けはAAAからDまで)。サザビーズの債券の価格は先月約8%下落しており、投資家の間では、オークションハウスが2026年に期限を迎えるローンを借り換えることができないのではないかとの懸念が生じている。また、負債対EBITDA比率は7.7倍から10倍に上昇し、利益に対する負債の増加を示している。-ARTnews
【押収品】
スペイン文化省が1936年から1939年に起きた内戦中に押収された美術品の詳細なリストを発表した。5,000点以上の作品がスペイン各地の国立美術館に収蔵され、ほぼ1世紀にわたって保管されている。リストにある作品に権利があるとする人は文化省に申請書を提出することができ、同省は、返却できるかはケースバイケースで評価されるとしている。-artnet
【アーティスト】
パリのピカソ美術館が、ピカソ作品にアクセスできるオンラインポータルを立ち上げた。このデジタルポータルでは、美術館の膨大な芸術作品、エッセイ、会議、ポッドキャスト、インタビューのコレクションにアクセスでき、写真約19,000枚を含むその多くはこれまで一般公開されていない。この試みは、今年後半に美術館の近くにオープン予定の、研究者や在住の芸術家向けのパブロ・ピカソ研究センターに先駆けたものとのことだ。-rfi
【行政】
アメリカ フロリダ州のロン・デサンティス知事が来年度の予算から3200万ドル(約51億3,000万円)以上の芸術文化助成金の削減を決定したことを受けて、タンパベイの多くの芸術文化施設が混乱し、資金獲得に奔走している。デサンティス知事はこの削減の理由については説明しなかったが、一般的には「州の税金にふさわしくない」と考えたいくつかの項目を拒否し、前年よりも支出を抑えたかったと述べた。-Tampa Bay Times
【美術館】
グッゲンハイム美術館所蔵のピカソ作「Woman Ironing(アイロンをかける女性)」に対するナチス略奪品賠償訴訟が棄却された。この訴訟は、ドイツ系ユダヤ人の美術品収集家カール・アドラーの親戚であるトーマス・ベニグソンによって2023年1月に提起された。ベニグソンはアドラーが1938年にナチス政権からアルゼンチンへ逃れる資金を得るために、強要されてこの絵画を売却したと主張していた。-ARTnews
【テクノロジー】
人工知能(A.I.)で生成された画像の写真コンテストで、非A.I.画像の写真が最優秀賞を受賞。その後写真を出品した38歳の写真家マイルズ・アストレイ自身が作品は実物を撮ったものと申し出たため失格となった。この新しいコンテストは、ニューヨーク・タイムズ、ゲッティイメージズ、クリスティーズなどのメンバーによって審査された。-artnews
【美術館】
フィッジ美術館(アイオワ州)は、ランディ・ルイス博士とリンダ・ルイス夫妻による膨大な寄付に伴い、The Linda and J. Randolph Lewis Wing(リンダと J. ランドルフ・ルイス 館)が設立されたことを発表した。ルイス夫妻が寄贈した44点のアメリカ現代美術作品は、クリスティーズで1,400万ドル(約22億5,000万円)と評価され、フィッジ美術館のコレクションに重要な追加となった。-artdaily
【行政】
ART021グループが主催する第1回ART021香港コンテンポラリーアートフェアは、 香港特別行政区政府文化スポーツ観光局傘下のメガ アート アンド カルチュラル イベント ファンド (メガ ACE ファンド) の支援を受け、8月28日から9月8日まで開催される。会場は地元のパートナーと協力して市内の複数の場所となっており、アートバーゼル香港の本拠地である香港コンベンションアンド エキシビションセンターではない。記事にはART021の共同創設者であるカイリー・インのインタビューを掲載する。-artnet
【ギャラリー】
ニューヨークの老舗ギャラリー、ミッチェル・イネス・アンド・ナッシュが、28年間の営業を経てチェルシーの実店舗を閉鎖し「プロジェクトベースのアドバイザリー・スペース」に移行すると発表した。すると発表した。同ギャラリーは、ポープ・L、ケルティ・フェリス、ノーバート・シュウォントコウスキー、ジャコルビー・サッターホワイトなどのアーティストによる200回以上の展覧会を開催した実績を持つ。-artnet
【ビエンナーレ】
ヴェネチア ビエンナーレがラテンアメリカ美術の市場にスポットライトを当てている。今年はサンパウロ美術館の館長であるアドリアーノ・ペドロサが運営トップの座に就任。南米出身者で、同性愛者であることを公言している人物としては初めての人物だ。彼の企画「Foreigners Everywhere」は大規模で330人以上のアーティストと団体が参加、そのうち80人以上のアーティストはラテンアメリカとつながりがあり、全体の約24パーセントを占めている(2022年は約11%)-artnet
【enjoy summer!】
賑やかなニューヨークからロマンチックなイタリアのカプリ島まで、世界で最も美しい屋上バー8選を厳選してご紹介。本格的な夏の到来を受け、暑い日でも気分を盛り上げてくれる豪華な軽食や爽やかなお酒を提供する最もうっとりするような屋上スペースを集めた。-Galerie
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