🏍【GPレポート】🏁伝統の地アッセンでの厳しい週末。 ーRd.11 オランダ🇳🇱
【Kabuto GPレースレポート】
<2022MotoGP™第11戦オランダGP>🇳🇱
(併催)<2022 FIM Enel MotoE™ World Cup 第4戦🔋> ※最下部にリンクあり
1949年に世界選手権が発足して以来、毎年開催されている唯一のサーキット、伝統あるTTサーキット・アッセンにおいて、ロードレース世界選手権第11戦が開催された。
難易度高い“TTサーキット・アッセン”🏍
チャンピオンシップの歴史上“ツーリスト・トロフィ(TT)”と呼ばれてきた呼称を現在も使用する、オランダ北東部ドレンテ州都アッセンにあるサーキットは、全長4.5km、左6右12の18コーナー、最大直線487m。ターンが連続し、高い難易度の低速コースだ。
また国土が平地のため雲や気圧移動がしやすく“ダッチウェザー”という言葉が示すように、レースは天候に左右された。セッションはドライとウェットの状態が交互に展開され、日曜の決勝では、途中レッドクロスフラッグ(レインタイヤ装着マシンに乗り換えが可能となる二輪レース独自の旗)が振られるシーンも。気温22℃、路面温度30℃、そんな条件のもとで前半戦の最後を飾るサマーブレイク前決戦が開催された。
🏁《MotoGP™クラス》
\ペースを上げることができなかったレミー・ガードナー選手/
レミー・ガードナー選手(オーストラリア🇦🇺Tech3 KTM Factory Racing No.87)は、スタート直後の混戦状態のまま第1コーナーでラインを失い、ひたすらポジションキープの走りのままペースを上げること自体が難しくなってしまった。
"ほんとうに、とても難しいレースだった、と言わざるを得ない。スタート自体はうまくいったんだけど。混戦から抜け出せないでいるうち、結局そのままペースを上げられなかった。次のシルバーストーンまで時間があるので、しっかりトレーニングをして、後半戦はマシンも身体も、良い状態でいい結果を出せる様にがんばるよ。”
サマーブレイクでは序盤の激しいレースの疲れをリフレッシュさせ、後半戦に向けて再び集中力を高めていくようだ。(予選=19位/決勝=19位)
🏁《Moto3™クラス》
\ジョエル・ケルソ選手と鳥羽選手の予期せぬ結末/
Moto3ライダーのふたりは前戦とほぼ同じような展開となってしまった。ジョエル・ケルソ選手(オーストラリア🇦🇺CIP Green Power No.66)は予選10番手と好調を維持しているが、鳥羽海渡選手(日本🇯🇵CIP Green Power No.27)は練習走行で調整しきれないまま予選でもタイムをあげられず予選20番手、7列目からのスタートとなった。だが日曜日には驚くべき展開が待ち受けていた。
迎えた決勝レース、ジョエル・ケルソ選手が好スタートを切り、序盤はトップ争いの集団の中に入っていた。
しかし周回を重ねるごとに順位を落とし、徐々にトップからは離されていた。レース後半は同じルーキーの予選7番手、アドリアン・フェルナンデス(スペイン🇪🇸RedBull KTM Tech3)と激しいバトルを繰り広げていた。そして迎えた最終ラップだった。高速コーナーで転倒してしまったフェルナンデスと接触、大きく転倒してしまう。
この転倒は、彼にとってもチームにとっても、とても大きな打撃を受ける事となった。彼は病院で医師の検査を受け、その結果、右足に数カ所の骨折があると診断された。
今後5週間の療養を経て、選手権のサマーブレイク明けに完全復帰する予定でいる。ポジティブな面を言うと、アッセンでジョエルは再びトップ集団と遜色ない走りを見せ、レベルアップを証明して見せた。(予選=10位/決勝=リタイヤ)
鳥羽海渡選手は、自身のキャリアを生かしたレースをした。20番手からスタートした彼の目の前には、タイム差の少ないライバルがひしめいていた。
とても困難なレースが待ち受けていた。しかし鳥羽海渡選手は、ラップを重ねるごとに順位を上げ続け、終盤にはジョエルのすぐ後ろにまで迫っていた。残念なチームメイトのアクシデントによってトップ10入りを果たした。結果的には、鳥羽海渡選手にとって過去5戦で最高の成績となった。(予選=20位/決勝10位)
ジョエル・ケルソ選手は治療に専念し、サマーブレイクからの復帰後は、鳥羽海渡選手ともに、自分たち自身とチームが喜ぶ結果が得られることに期待したい。(MotoGP™ 第12戦 イギリスGP 8/5〜7)