🏍【GPレポート】🏁「17万人の観客がサーキットを見守った2022最終戦」ーRd.20 バレンシアGP🇪🇸

2022年11月11日 18:25

【Kabuto GPレースレポート】🏁
＜2022MotoGP™ 第20戦 🇪🇸バレンシアGP＞

　2022年を締めくくる世界選手権が先週末、スペインのリカルド・トルモ・サーキットで、チケット「SOLD OUT」サインとともに、満員のグランドスタンドのもとで開催された。来場者数はウィークを通じて170,380人、日曜は92,166人もの観客がバレンシア州チェステのトラックに集結。今シーズンにおける最多動員となった。

　リカルド・トルモ・サーキットはスペイン東部の地中海に面したバレンシア州にあり、ヨーロピアンスタイルとしては珍しい左回りのコース。全長4005mのほぼ全てを見渡せるスタジアム型デザインで、インフィールドは低速コーナーが左右につづき、ライダーの技術力を問われ最終戦の大きな見どころとなっている。

https://www.motogp.com/ja/event/valencia#info-track

　MotoGPとMoto3のKabutoライダーにとってこのバレンシアのレースは、3人ともが来シーズンにはチームを移籍するため、現在のチームでの最後のレースでもあった。

🏁《MotoGP™クラス》
＼ポイント圏内、次に向けて良い締めくくりに／

🏍87 レミー・ガードナー選手🇦🇺
⏱予選20位 🏆決勝13位

　レミー・ガードナー選手にとって、バレンシアは現チームとの別れであると同時に、MotoGP世界選手権との別れの場でもあった。

20番グリッドで迎えた決勝。シグナルブラックアウトでスタートしたレミー・ガードナー選手は13位でチェッカーを受け、最後のポイントを獲得した。

「スタートは悪くなかったが、第1コーナーでアウト側に膨らんでしまい、第2コーナーで抑え込まれた。その後は追い上げに徹した。7ラップ目か8ラップ目には14番手あたりまであがった。かなりいい感じでアレックス（アレックス・エスパルガロ選手🇪🇸スペイン🏍41）に追いつこうとしたら、彼が目の前でスリップダウン。大きくアウトまで膨らんで僕ももう少しで転倒するところだったよ。なんとか持ち直してレースに復帰できた。ポジションを2つ落としてしまったけれども、その時点ではまだポイント圏内だった。」

「ひたすら前だけを見て走っているとチームメイトのラウール（ラウール・フェルナンデス選手🇪🇸スペイン🏍25）が迫ってくるのが見えた。彼は僕を抜き、僕は彼を抜き返した。それが3回ほど続いた。」

「このバトルはとても楽しかった。そして残り3ラップのところでタカ（中上貴晶選手🇯🇵日本🏍30）が僕を抜いた。僕は全力でプッシュし、最終コーナーではかなり接近することができた。そしてブロックパスで彼をかわし、なんとか彼の前でゴールすることができたんだ。」

「あらためて、来シーズン、ここにいないのはもちろん寂しいが、ここで得た友人や家族もいる。このまま続けられたら、という想いがあったのは事実だ。この夢は僕の人生の中でずっと持ち続けてきたもので、ここにいるために多くの犠牲を払ってきたんだ。」

お気づきいただいてただろうか、じつは今回のヘルメットには、最終戦スペシャルカラーリングが施されていた。レース前に、Moto2に出場するスペインの友人、ペドロ・アコスタ選手（RedBullKTM Ajo）からからプレゼントされたものだ。
Kabuto F-17レーシングには、レミー・ガードナー選手の子供の頃からMotoGPにいたるまで、さまざまなシーンがプリントされた特別なものだった。

　レミー・ガードナー選手はチェッカーを迎えた後、スペインの熱狂的なオーディエンスの前で、またバーンナウトを見せていた。

「じつは最後にけっこうマッドなバーンナウトをやってしまった。あとローリングバーンナウトも。それで最終コーナーでみんなが盛り上がってくれたので、もう1回やろうとしたら、すぐにバースト！その後、ピットまでたどり着くのはちょっと大変だったけど、とにかく今回のレースは楽しかったし、レースの方もポイントを獲得して、いい形で締めくくることができたよ。」

　2021年のMoto2世界選手権タイトル、2022年はKTMでMotoGPを経験、2023年にはWorldSBK（ワールドスーパーバイク）ライダーとしてヤマハに乗り新たな栄冠を目指す。レミー・ガードナー選手は、この変化に大きな情熱とモチベーションを持って、新たなマシンで臨むことを楽しみにしている。

Tweets by GardnerRemy

🏁《Moto3™クラス》
＼すべては思い通りにいかなかったが…／

🏍66 ジョエル・ケルソ選手（オーストラリア🇦🇺CIP Green Power）

🏍66 ジョエル・ケルソ選手🇦🇺
⏱予選18位 🏆決勝21位

　バレンシアでのジョエル・ケルソーのレースは、控えめなものだった。世界選手権に参戦する以前から何度も走ったことのあるコースであるにもかかわらず、そのアドバンテージをどう生かせばいいのかがつかめきれないでいる。

予選では18番手ポジションを獲得。決勝レース、スタート。序盤はポジションをキープしていたが、レースが進むにつれて徐々に遅れはじめる。最終的に21位でフィニッシュラインを通過した。

Tweets by joelkelso66

🏍27 鳥羽海渡選手🇯🇵
⏱予選32位🏆決勝24位

　鳥羽海渡選手の2022シーズン最後は、決して良い幕切れとは言えなかった。FP3でスペイン人ライダーのジャウマ・マシア選手（🏍5）に明らかに倒されるアクシデントがあり、その後、鳥羽海渡選手は選手権関係者がスポーツマンシップらしくないとみなした、というその後の議論につながることになった。

　スチュワード（FIM MotoGP Stewards Panel）はスポーツマンシップに反する行為を評価・判断する機関であり、決勝前、両者にピットレーンスタート、レース中のロングラン、1000ユーロの罰金というペナルティーを科すことになった。

　もちろんその前提がある以上、鳥羽海渡選手のレースに期待するものは、ベストを尽くすこと以上のものはありませんでした。1ラップ目を最後尾で通過した後、何人かのライダーを抜きながら差を詰め、最終的に24位でチェッカーを受け、無事完走を果たした。

Tweets by KaitoToba

すべてのKabutoライダーの活躍を願っています

　こうして2022年の最終レースを無事完走して終えることになったわけだが、今シーズンを通して私たちのヘルメットを信頼してくれたレミー・ガードナー選手、鳥羽海渡選手、ジョエル・ケルソ選手ほか、すべてのKabutoライダーにこの場を借りて感謝をお伝えしたい。私たちKabutoは、求められた要求や寄せられた期待に応えられるよう、ベストを尽くしてきました。レースだから当然ですが、浮き沈みがあり、厳しく長いシーズンでした。しかしながらこの1年を通して、私たちはお互いにこの先もずっと続くであろう関係を築き上げることができたと思います。

　どんな未来が待っていようと、心から、レミー・ガードナー選手、鳥羽海渡選手、ジョエル・ケルソ選手ほか、すべてのKabutoライダーの安全と今後の活躍を常に願っています。
Photos: Rafael Marrodan

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