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🏍【GPレポート】🏁“ストップ&ゴー”のレッドブル・リンクは曇り空。 ーRd.13オーストリアGP🇦🇹
【Kabuto GPレースレポート】
<2022MotoGP™第13戦オーストリアGP🇦🇹>
世界選手権後半2戦目にあたる、第13戦オーストリアGPが壮大な舞台レッドブル・リンクで開催された。まずは日本人ライダーのMoto2/3クラス制覇に賛辞をお送りしたい。
今回の舞台は中央ヨーロッパ、オーストリアの南東部シュピールベルクにある全長4.348km、左3/右8コーナーからなるコース。海抜700m、アクセル全開率の高さ、起伏の大きさ、ハードブレーキングと加速という、いわゆる“ストップ&ゴー”が特徴のレッドブル・リンク。ライダーは集中力を要し、マシンやタイヤにも大きな負担のかかる難関サーキットだ。
🏁《MotoGP™クラス》
\KTMホームコースであきらめない姿を見せたレミー・ガードナー選手/
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KTMにとってホームグランプリでもあるオーストリアGPは、レミー・ガードナー選手(オーストラリア/Tech3 KTM Factory Racing No.87)にとっても忘れられないレースのひとつとなった。金曜日のFP1では転倒、翌日のFP3でも転倒。その結果、予選は22番手。決勝では、なんとしてもこの負の連鎖を止めたいところ。
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天候が不安定な日曜、レミー・ガードナー選手は午前中のウォームアップ走行で、レースのリズムをつかむため慎重に走った。曇り空のもとで決勝レースがスタート。22番グリッドから好スタートを切り、オーバーテイクを狙う。
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しかしスタート直後の混戦の後、レミー・ガードナー選手はプッシュしようとして、またもや転倒してしまった。
マシンにダメージがなかったため、再び急いで乗り込み、レースに復帰。前のライダーとは間隔が大きく離れてしまった。この後、レースとしてできることはあまりなかった。だがレミー・ガードナー選手は残りの周回を全力で走り続けた。
結果、オーストリアGPを20位で無事完走。ホームコースのオーディエンスの前で、決してあきらめない姿を示した。
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"今日は決勝に向けてしっかり結果を残そうと思っていただけに、転倒してしまったことは残念だ。再スタートしてからのタイムは悪くなかったが、明らかに差は大きく開いてしまっていた。オーストリアで望んでいたような週末にはならなかったが、これからもしっかりマシンと自分を鍛錬し続けるよう、ポジティブに考えていきたい"
と語った。できることはまだある、と信じて次戦に向けて再び集中する。(予選22位/決勝20位)
🏁《Moto3™クラス》
\鳥羽海渡選手、トップ10位置をキープ/
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2週間前の第12戦イギリスGPで、もう少しで表彰台だった鳥羽海渡選手(日本/CIP Green Power No.27)は、シルバーストーンでの好調を持続させることを楽しみにしていた。
今期3度目の3列目グリッドを獲得した鳥羽海渡選手。スタートで若干出遅れてしまったこともあって、後半は集団の中で闘うことになった。5周目にはなんとかトップ10に入り、チェッカーを受けた。
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この結果、残り7戦の時点で鳥羽海渡選手のシリーズランキングは暫定11位となり、前のライダーに1ポイント差と迫ってきている。(予選9位/決勝10位)
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🏁《Moto3™クラス》
\グランプリに帰ってきたジョエル・ケルソ選手/
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第11戦オランダGPでの転倒事故による複数ヵ所の骨折からサマーブレイクを利用し、無事チャンピオンシップに戻ってきたジョエル・ケルソ選手(オーストラリア/CIP Green Power No.66)。前回のイギリスGPには間に合わなかったが、このオーストラリア人ライダーは、自身のレッドブル・リンクでの復帰の喜びをかみしめるかのように、予選で一番にコースインする姿が国際映像に映し出されていた。コースではいつも通りベストを尽くした。予選13番手グリッドを獲得したジョエルは、日曜日のレースを期待と不安のなかで迎えた。
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レースの前半、ジョエル・ケルソ選手はポイント圏内を争っていたが、7周目以降は順位を落としてしまう。ストップ&ゴーのコース特性が完治しきっていない身体には負担が大きかったのだろうか。
最終的に我慢の走りで22位でフィニッシュすることができた。休養明けの予選としては好位置で期待されたが、ジョエル・ケルソ選手は大ケガから世界コンペティションの舞台に戻ってきたこと、オーストリアではそれ自体が何よりの収穫だった。(予選13位/決勝22位)
次戦はイタリア・エミリア=ロマーニャ州のテクニカルなサーキット、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催されるサンマリノGPだ。(MotoGP™ 第14戦 サンマリノGP 9/2〜4)