荻山泊水(おぎやま・はくすい)

薩摩琵琶奏者。 伝統の古典曲に加え、現代語で古今東西のお話を語る「おとぎ琵琶」に取り組み、新曲も製作。大阪市中央区で「たにまち琵琶教室」を運営。日本琵琶楽協会会員、錦心流琵琶全国一水会参与・大阪支部理事。 趣味はプロレス観戦と、観光地の顔出し看板にハマること。大阪市在住。

荻山泊水(おぎやま・はくすい)

薩摩琵琶奏者。 伝統の古典曲に加え、現代語で古今東西のお話を語る「おとぎ琵琶」に取り組み、新曲も製作。大阪市中央区で「たにまち琵琶教室」を運営。日本琵琶楽協会会員、錦心流琵琶全国一水会参与・大阪支部理事。 趣味はプロレス観戦と、観光地の顔出し看板にハマること。大阪市在住。

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そもそも琵琶って何なのよ

昨日、ふと思い立ってnoteを始めてはみたものの、いきなり「琵琶奏者です、よろしく~」と言ったところで、「琵琶奏者とは一体何をする人か」というところを思い切りすっ飛ばしていることに気づきました。 なので、そもそも琵琶ってどういう楽器なのか、どんなふうに演奏するのか、ちょっと書いてみたいと思います。 琵琶は弦楽器の一種です。もともと外国(インド・中国)が発祥で、シルクロードを通って東へ渡り、日本には奈良時代に入ってきました。 見出し画像のように、梨型の胴(ボディ)と細い鶴首

    • 「俊徳丸」を令和のおばちゃんが語る

      去る2024年5月3日の午後、私は東大阪市民美術センターの展示室で、大量の流れる文字を浴びながら、琵琶を弾いておりました。 現代美術家の中野裕介/パラモデルさんの企画展の関連イベントで、展示の中心テーマとなっている「俊徳丸」の琵琶曲を演奏したのです。 「俊徳丸」は、大阪に古くから伝わる物語で、能「弱法師」や、文楽「摂州合邦辻」の題材としても有名です。 今回、縁あって、この「俊徳丸」の琵琶歌を制作しました。 琵琶歌を作る時、その題材についての基礎知識から時代背景、受容の歴

      • アメリカに琵琶を持って行った備忘録④実際の運用編(2023年5月)

        前回の記事の末尾、私はこう書いておりました。 https://note.com/embed/notes/n5fcb65476cfb これを書いたのが2023年9月。 そして現在、2024年5月。 何てことだ。半年以上も空いてしまったではないか。 しかも、この記事の出来事から既に1年が経過しようとしているではないか。 全くもって遅きに失した感はありますが、一応、これまでの経緯を踏まえて、私が実際にどうやって琵琶をアメリカに持って行き、持って帰って来たか、まとめておきたいと

        • アメリカに琵琶を持って行った備忘録③琵琶運搬編(2023年5月)

          前回までのあらすじ アメリカでの琵琶演奏に向け、荻山は楽器証明書を手に入れた! さらに、主催者側がアメリカの長い名前の書類を取得してくれた! さらにさらに、荻山はP3ビザを取得した! 物理的に琵琶をどうやって運搬するか ようやく、持って行く書類の手続きは終わりました。 しかしながら、よーしこれで安心よーというわけには全くいきません。 そう、実際に琵琶を運搬しなければならないのです。 一般的な薩摩琵琶の大きさは、縦95cm×横30cm×奥行45cm(※弦巻の部分が後方へ

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        そもそも琵琶って何なのよ

          アメリカに琵琶を持って行った備忘録②アメリカ側の書類及びP3ビザ編(2023年5月)

          前回のあらすじ 琵琶奏者・荻山泊水は、2023年5月、アニメイベント出演のため、薩摩琵琶を持ってアメリカへ渡航することになった! しかし、その琵琶には、現在輸出入が禁止されている象牙が使われているため、最悪税関で没収されてしまう可能性がある! そのため、荻山は経済産業省に「楽器証明書」を発行してもらった! 安心するのはまだ早い~長い名前のアメリカの書類 無事に楽器証明書も発行され、わーいこれで安心よーとばかりに、海の向こうのイベント主催者側にその旨を報告したのですが、

          アメリカに琵琶を持って行った備忘録②アメリカ側の書類及びP3ビザ編(2023年5月)

          アメリカに琵琶を持って行った備忘録①楽器証明書編(2023年5月)

          はじめに 去る5月26日~28日、アメリカ・ノースカロライナ州ローリーで行われましたアニメイベント「アニメいずめんと」に出演するため、琵琶を携行してアメリカへ行って、そして帰ってきました。 近年、和楽器を携行しての渡航中のトラブルについて耳にすることが多かったため、主催者様の全面協力のもと、できる限りの対策を取りました。 この手の情報は日々刻々と変わっていくので、いつまで参考になるかは分かりませんが、「2023年5月のアメリカ渡航はこんな感じだったよ」という記録として、残し

          アメリカに琵琶を持って行った備忘録①楽器証明書編(2023年5月)

          徳島密航記1999(4・終)

          ※この記事は、1999年3月に、当時大学生だった筆者が、大阪から徳島へプロレス観戦に出かけた際に記したルポです。掲載に至ったいきさつは下記のリンク先の記事をご参照下さい。 ※(4)だけでも試合の内容とか当時の筆者が書きたかったことはだいたい分かります。 (1)~(3)はこちら。  ついに来た。このために、わざわざ海を渡ってやって来たのだ。まず、青コーナーから、アレクサンダー大塚の入場。ちなみに入場曲は「AO Corner」という名前らしい。長渕剛みたいな歌い方のボーカルの

          徳島密航記1999(3)

          ※この記事は、1999年3月に、当時大学生だった筆者が、大阪から徳島へプロレス観戦に出かけた際に記したルポです。掲載に至ったいきさつは下記のリンク先の記事をご参照下さい。 (1)と(2)はこちら。  6時20分、ホテルを出発。足どりも軽く会場に向かうと、正面入口に列ができている。何だこのごったがえしは! と一瞬いたが、どうも開場直後らしい。しばらく並ぶと、案外すぐに中に入れた。スタッフお揃いの蛍光ピンクのキャップをかぶった兄ちゃんが、半券をもぎってくれる。そういえば、この

          徳島密航記1999(2)

          ※この記事は、1999年3月に、当時大学生だった筆者が、大阪から徳島へプロレス観戦に出かけた際に記したルポです。掲載に至ったいきさつは下記のリンク先の記事をご参照下さい。 (1)はこちら。  長い長い前節であったが、ああ、やっと戻って来れたと思ったら、おい。まだ大阪 駅にいるじゃないか…。早くしろよ、ここからまた試合開始まで長いんだから、というわけで、7時50分。阿波エクスプレス号到着。1列のB席。残念ながら、通路側だ。隣は、やたら小さな胸をいくつも下げたおバさん。何だか

          徳島密航記1999(1)

          ※この記事は、1999年3月に、当時大学生だった筆者が、大阪から徳島へプロレス観戦に出かけた際に記したルポです。掲載に至ったいきさつは下記のリンク先の記事をご参照下さい。  7時30分、八坂駅桜橋口着。バスの中で食べようと、 キオスクでチップスターと烏龍茶を購入。ウォークマンで飽きずにたまを聞き続けながら、しばし待つ。あー、いよいよ行くんだなあとだんだんふくらんでくる旅の高揚感をうれしく感じていたのだが、ちょっと気を抜くと、一瞬にしてテンションが下がっていく。どうも浮き沈み

          「徳島密航記1999」の前に説明しておくべきこと

          すっかり放置してしまっていたnote。ほんとすみません。この一年、琵琶教室を開いたり、新しい人に出会ったり新しいことに関わったり、どうにも濃いい生活をして参りましたが、その中で、個人的に「うわああああどうしよおおおおお」な出来事がありましたので、ひとまずそれを説明いたします。 前回の投稿(1年以上前ですが…)で、俳優・ののあざみさんと結成した琵琶×朗読ユニット「御伽比丘尼」の公演の案内をしましたが、その「御伽比丘尼」、昨年も活動しておりました。 同じく琵琶×朗読の公演を手掛

          「徳島密航記1999」の前に説明しておくべきこと

          お久し振りです。そして久々の演奏告知。

          すっかりこちらがお留守になってまして申し訳ありません。 荻山、ぼちぼち元気にやっております。 で、早速ですが、来月、お出番を頂きましたので告知いたします。 【演劇EXPO2021 御伽比丘尼】 琵琶と朗読公演「耳なし芳一」 12月17日(金)19:00開演 会場:大阪・心斎橋 ウイングフィールド (大阪メトロ長堀橋駅⑦出口より3分・心斎橋駅⑥出口より5分) 出演 御伽比丘尼 〔琵琶〕荻山泊水〔朗読〕ののあざみ チケット 予約:1000円 当日:1300円 ※DIVE(

          お久し振りです。そして久々の演奏告知。

          創作琵琶歌「奥州白石娘敵討」

          新しく作った琵琶歌を、Youtubeにアップいたしました。 その名も「奥州白石娘敵討」。 「おうしゅう しろいし むすめかたきうち」と読みます。 最初に申し上げますが、私、奥州にはほとんど縁のない関西人です。ごめんなさい。 のっけからそんなことを白状せねばならん私が、なぜこの歌を作ったのかといいますと…。 薩摩琵琶は、もともと薩摩国の武士階級が中心となって作り上げたものです。 なので、歌の内容は、もっぱら戦のお話が多いんです。 昔の戦といえば、そりゃ、戦ってる人はたいてい

          創作琵琶歌「奥州白石娘敵討」

          年末年始小ネタ集

          一応、noteの他にもtwitterにInstagram、facebookとひととおりのSNSに手を出してはおりますが、一番稼働率が高いのはtwitterです。 演奏情報や動画の宣伝などに、日々の細々した呟きも混じっています。 例えば。 アフロ琵琶奏者として皆様のお目にかかる日も遠くないと思います。 それはさておき。 そんな私の、ここ2ヶ月程のtwitter小ネタ集。

          2021年も琵琶マンガ「琵琶人あるある」

          2021年も琵琶マンガ「琵琶人あるある」

          令和3年明けましてのご挨拶

          新年明けましておめでとうございます。 昨年、全く予期せぬ事態に見舞われた世の中で、我々琵琶人も例外なくその煽りを食らう生活でありました。 で、何とかしなければと様々あがく中で、noteでの発信を始めてみたりもしたわけですが、今年も細々ながら動画やら文章やらを上げていきたいと思います。 本年も、何卒よろしくお願い申し上げます。 というわけで、今年の干支にちなんだ曲を。 北欧・アイスランドを舞台に、牛さんが不思議な力で大活躍する新作琵琶歌「牛さんのおまじない」です。 少々

          令和3年明けましてのご挨拶