ただ、日常を文字に起こす 10/10木
10/10 木
気だるそうに起きる。
今日の朝は寒い。
今日はみんなと同じ、1限はなし。
いつもより1時間遅く電車に乗る。
毎度、木曜日は満員電車だ。
できる限り内へ内へと進む。
今日はなぜか、吊り革ではなく吊り革を支える棒を握る。
一駅で降りるおじさん。
数分のために座っていたのか。
同じ駅で俺より後に乗った。
あまり見たことのないおじさん。
逆に疲れるんじゃないかと知らない人のことを考える。
少し授業が始まるより早めに学校に着いた。
2限目からの日は少し気が楽だ。
2限は結構好きな先生。
単純に年齢が若いのもそうだが、授業が飽きずおもしろい。
フェスにもよく行くようで勝手に親近感を持っている。
3限は体育。
僕はバスケを選択した。
体育でやった程度で経験はない。
ここでも生まれ持った運動神経を発揮する。
男子6人。
ゴール下のシュートを外したらバーピーだ。
ここで1人が革新的なルールを追加する。
「連続回数分失敗したやつバーピーしようぜ」
大いに盛り上がる。
次々に脱落者が出る。
ゴールから少し離れて腕立ての姿勢になる。
だが、そんなやつ見てる余裕はない。
いかに自分が失敗しないかが鍵だ。
またもやつが発言する。
「今から2倍にしちゃおうぜ。」
より盛り上がる。
と同時に冷や汗をかく。
格段に一回のプレッシャーが高まる。
脱落者が帰ってくるのが圧倒的に遅くなっている。
3回、4回、5回、6回…。
次々に成功していく。
ついに自分の番。
今までかなりの確率で成功している。
失敗するわけにはいかない。
ボールがこの手から離れる。
瞬間的に感じる。
危ない。
リングに当たる。
何度か跳ねる。
リングのリフティングが終わる頃にはこの手元にボールがあった。
失敗した。
やけにみんなが笑顔だ。
僕も笑いながら14回ものバーピーを繰り返す。
結構しんどかった。
こんな体育会系のノリも嫌いではない。
むしろ大好きだ。
15年サッカーを続けた僕は、こーゆーノリへ幾度となく参戦し、友と笑い合う。
2チームに分かれてアップしていたが、あちらから呼び止められる。
「そろそろゲームしようよ」
男女6人ずつ。
あまり思いっきりできないが、体育なんてそんなもんで、ガチガチにやるよりかは楽しいかもしれない。
ゲームが始まる。
僕はボールのトスをすることに。
味方がうまくボールを弾く。
マイボールからスタートだ。
やはりバスケは切り返しが途轍もなく早い。
ずっと走りっぱなし。
守りでのリバウンドも、攻めのシュート一本でも体から汗が止まらない。
僕らが攻めるとき、右隅の3ポイントラインでボール待つとドリブルで仕掛けるように相手を誘き寄せ、僕へパスを送ってくれた。
ドフリーでシュートを放つ。
「パシュー」
会心の3ポイントシュート。
痛快な音が耳に届く。
最高に気持ちよかった。
だが、そのすぐ後調子に乗ってしまい、再度チャレンジするもエアボール。
なんだか恥ずかしいが、笑ってくれたのでよしとする。
過信は良くないってだけね。
体育の時間も後少しで終わる。
もう1ゲームやる時間は残されておらず、各々遊び出す。
僕はシュートをしてた。
2人で45°付けてシュートを打つ。
入る確率も、はじめのバスケの授業より格段上がってるように思う。
バスケの才能!?なんてそんなのちょっとだけにしなきゃね。
過信。
ともかく。楽しくも汗だくになるそんな時間であった。
お昼の時間はすぐにやってきた。
いつもの面子で席をくっつける。
楽しく話しながらの昼食は残り3ヶ月、といったところだ。
昨日、1人で帰っていて、颯爽と姿を消した彼が、彼女と2人で食べている。
彼も彼女と長い。
後少しで2年だとか。
お昼の時間は小さい頃から好きだ。
家族と。友達と。
いつだって誰かと食べていたような。
周りの人たちに支えられて生きていたことを知る。
そしてこれからもお世話になりたい。
最近では参考書の出題のしあいが多くなったが、友と意味のないようで無駄なような時間も僕にとっては宝ものだ。
当然、意味のないことを話しているので、あまり覚えていない。
それでも僕は喋り合いたい。
5、6限はないてことのない普通の授業であった。
1人帰路につく。
授業中にバレないよう時間をマップで調べ、ギリ間に合うかどうかの電車を見つける。
学校から駅まで、およそ10分ほど。
10分に授業が終わり21分の電車だった。
この先生がしっかりチャイムが鳴ったら終わらせ
てくれるか、に掛かっている。
スマホで時刻を確認する8分だ。
お。スマホを覗いた直後、キリの良いところで話しが終わった。頼む。終わらせてくれ。
先生が終わりを告げる。チャイムが鳴る前に廊下へ出れた。
よしこれで電車間に合うな!
一つだけネックなのが信号だ。
そのとき、このことは考えていない。
間に合うと思いいつも通りくらいの速さで歩く。
数百メートル歩いたとき、見事に信号に引っ掛かる。
余裕なんていつだってないよ。
そういうふうに思えるようになれたらいいな。
やはり。過信は良くない。
信号の足止めが消え去ると小走りで駅へ向かう。間に合うかな。
電光掲示板にはまだある。
スマホには20分と表示が。
間に合った。
みんなが帰宅する時間。
椅子も2つだけ空きがあった。
移動中はとにかく暇である。
降りる駅まで残り一つ。
やっとだ。と思った途端に眠くなる。
スマホを閉じ、目を瞑る。
数分だけ目を閉じたが、特に眠気は変わらなかった。
乗り換えした後座れたらいいな。
だが、席は埋まっていた。
立ち続け、待ち続けた。
ふと周りを見渡す。
皆スマホを眺める。
自分もこの文章を書き、そのうちの1人のはずなのに。
なんだが異様だった。
やることがないのはわかるが全員が全員目の前の板をじっと見つめる。
現代社会とはこんなものなのだ。
ちょっとイカれてると思うが。
これがスタンダードだ。
音楽を聴き数十分歩く。
家に帰って何をしようか考える。
明日は、ジョーカー:フォリ・ア・ドゥの公開日だ。
山田裕貴がどこかで声優やってるらしい。
だが、僕は字幕派である。
ホアキンフェニックスさんの前作での演技はとてつもなかった。
今回も期待を膨らませる。
あ、過去作品振り返ろう。
そっとAmazonプライムを開く。
今夜の部屋は映画館と化す。
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