自分を「マルチポテンシャライト」と名乗ることにしました。
「自分は何者か?」
誰もが一度は考えたことのある問いだと思います。
皆さんはこの問いにはっきりと答えられるでしょうか?
答えられる人はそれを大切にし、このまま努力を続けてください。
答えられない人。
たぶんきっとそれは問題ありません。
僕はその問いに、これまで一度も答えられたことがありません。
「自分は何者なのか」
それは、「自分は何がしたいのか?」という問いに置き換えることもできます。
しかし、それでも僕の中で一つの答えが出ることはありません。
それは僕が何にも興味がないからではありません。
あまりに多くのことに興味があるからです。
今回はそんな僕についてのお話と、そんな僕をカテゴライズする新しい概念についてのお話です。
僕は自分のことを“一つのことに集中できないクズ”だと思っていた
僕は昔から様々なことに興味を持ち、いろんなことに挑戦してきました。
直近の経歴はこんな感じです。
大学で農学を学ぶ
↓
途中で農学を放棄して経済学を専攻
↓
途中から独学でデザインを勉強する
↓
在学中にフリーのデザイナーとして活動
↓
デザイナーとして働く
経歴を見てもわかるように、僕は色んな分野を転々としています。
一つのことに熱中してある程度それができるようになると、今度は別の分野が気になってきて元々やっていた分野に飽きてしまう。
そしてまたその分野をやっているうちに別の分野が気になって、、、
ということを繰り返しています。
僕たちは昔から、一つの分野を極めることを求められます。
プロ野球選手、起業家、歌手。
誰もが一つの分野を極めた人。
それこそがこの社会では美しいとされています。
だからこそ僕は自分の興味の広さ、取り組む分野が移り変わってしまうことに悩んでいました。
一つのことに集中できない自分はきっとおかしい、クズなんだと思っていました。
僕の周りも見ても、「あいつは成功した」と言われる友人は、起業家だったり、俳優だったり、YouTuberだったり、、
やはり一つのことを何年も続けて、成功しています。
一つのことに心血を注ぐということは、それ以外の他の時間を犠牲にするということです。
成功した人たちは自分の時間を犠牲にして一つのことに集中しています。
あれもこれもと挑戦し、すぐに飽きて別の分野に行く。
そんな飽き性な人間は社会で「悪」とされ、一つの分野で成功を収める「スペシャリスト」こそが素晴らしいとされています。
僕にとってそれはまるで、「お前はクズだ」と言われているようにも感じられます。
僕はずっと、そんなことを考えながら生きてきました。
「マルチポテンシャライト」を語る感動のTEDスピーチ
そんな中で僕が出会ったのは、とあるスピーチの動画でした。
この動画を見たのは数年前ですが、とても感動し、勇気をもらったのを覚えています。
今でも僕は時折このスピーチを見ては勇気と希望をもらっています。
YouTubeでも見ることができるこのスピーチ。
スピーカーは様々な肩書きを持つキャリア・コーチ、Emilie Wapnick(エミリー・ワプニック)です。
スピーチ冒頭で観衆に投げかけられる質問、
「大人になったら何がしたい?」
これは子供の頃に誰もが親や先生から投げかけられた質問だと思いますが、彼女は昔からその質問に答えられなかったと言います。
そしてその質問は、例えば「お花屋さんになりたい」であるとか「サッカー選手になりたい」と言ったように、一つの答えを求めています。
この時点で子供達は一つの分野を極める「スペシャリスト」であれ、と教育されている、というのが彼女の意見です。
そして、彼女を含め、いろんな分野に手を出しては飽き、別の分野に進む人を、MULTIPOTENTIALITE(マルチポテンシャライト)と彼女は名付けました。
MULTIPOTENTIALITE(マルチポテンシャライト)は、
Multi :(マルチに)
Potential:(可能性を持った)
Ite:(人)
という意味の造語です。
多くの分野に興味を持ち、挑戦するということは、その人がそれだけ多くの可能性を持った人間である、ということです。
このスピーチについては過去に別の記事で詳しくまとめているので、そちらも合わせてご覧ください。
僕は「マルチポテンシャライト」なのだと気づいた
このスピーチで語られた「マルチポテンシャライト」の特徴は全てガッツリと僕に当てはまりました。
面白そうだなと思ってある分野に飛び込んでみるんだけど、しばらくしてある程度できるようになってくると、今度は別の分野に飛び込んでしまう。
飽き性で、でも努力家で、全く違う世界に入っていくことを厭わない人たち。
まさにそれは僕のことだと思いました。
このスピーチを聞いて、僕は自分が「マルチポテンシャライト」であることに気がつきました。
いろんな分野に挑戦するということは、全く知らない世界に恐れず突っ込んで行く冒険家のような人であるのと同時に、元々の分野の知識を投げ打つことを厭わない人物であるとも言えます。
もちろん、元々の分野で培った知識は、また別の分野でも活かすことができるのですが、その知識が専門的であればあるほど、別の分野で直接的に役に立つものではなくなります。
それでも、自分の興味を信じて向かっていくのが僕たち「マルチポテンシャライト」です。
エミリー・ワプニック自身もスピーチの中で述べていますが、「マルチポテンシャライト」は様々な分野の知識を持っているので、別の分野の知識と知識を組み合わせることが得意です。
それこそがこれからの時代に必要とされるスキルです。
「マルチポテンシャライト」は、やはり現代では「変わり者」の扱いを受けます。
ですが、僕は物心ついた時からずっと「変わり者」だと言われてきたので、そういった扱いは、正直どうでもいいです。
ただ、ひたすら自分の興味に貪欲でいたい。
それこそが「マルチポテンシャライト」である自分にとっての幸せです。
これから僕は自分を「マルチポテンシャライト」とカテゴライズします
「自分は何者か?」
冒頭で述べたこの質問に改めて今答えるとしたら、
「僕は “マルチポテンシャライト” です。」
と答えます。
一つの分野に自分を固定できないので、これまで僕は自分をカテゴライズすることができませんでした。
デザイナー、活動家、ライター、、どれも合っているけど、どれも違います。
そんな僕に当てはまる概念があるとしたらそれは「マルチポテンシャライト」です。
だから僕はこれから自分を「マルチポテンシャライト」と名乗ります。
いろんな分野に興味を持ち、今日も明日も果敢に挑んでいく。
僕はそれでいいのだと、今ではそう思います。
確かに僕のような飽き性で、いろんなものに首をつっこむ人への社会の風当たりはまだ厳しいですが、どうせこれまでも「変な人」として生きてきた僕です。
どう思われるかとか風当たりとか、もう、そんなことはどうでも良い。
それよりも、もっといろんなことに挑戦したい。
明日には僕が「デザイナー」ではなくなっているかもしれない。
そう考えると、僕は無性にワクワクします。
これからも僕は自分の興味が赴くままに、いろんな分野に挑戦していきます。